情報を整理するようですよ!?
2月24日(水)投稿になります。今回いつにもまして短いです。
夜、宿屋『若草のゆりかご亭』にて…
俺の名前は、皇・春人一人称は俺でした、いやだった。
遊戯の神ナハトルマと名乗る神から異世界に転生させられた。
そして異世界へと。 その当初は、俺と言っていたと思う。私と言い出したのは何時からだ?
たしか、スキル【礼儀作法(王)】を取ってからだったような気がする。
これに関してはまだいい。女性らしい立ち振る舞いを身に着ける必要はあったと…思う。
でもこの時でも心の中では男性ぽい喋り方をしていたはず。お嬢様、いやこの場合はお姫様か?のような喋り方になったのはいつだろうか?
会話がしやすい様にと、ナビ先生が【礼儀作法(王)】のリンクレベルを上げた時…いや違うな。
なにかきっかけがあった筈だ。なにか思い出そうとして、そこで…
私の名前はハル・スメラギ 一人称は私でした。記憶にあるのは皇帝である祖父と幼い頃に亡くなった両親、そして姉と慕っていた侍女のサナリ。
そして、ザック兄様…これらは自分の記憶のようにも思えるし、なにか映像を見て覚えたようなあやふやな感じもします。
平和な日々だったと思う。でも、ナニカガアッタ。トテモカナシクテクルシイコトガ。
ズキリ、と頭が痛む。
「ふう」
これ以上思い出そうとすると頭痛がひどくなる為、一旦やめる事にします。
ナビ先生は、この件に関してさっきから一言も喋らない。情報を開示する権限がない、という事でしょうか?
では、権限を与えているのは誰?普通に考えればナハトルマが怪しい。そもそも転生させたのは彼?なのですから。でもならなぜ転生をさせたのでしょう?もしくは転生させたと思わせた?
だめですね、情報がまったく足りません。
「知りたいならイカルガへ、か…」ナビ先生が言った言葉を思い出す。
よし、ここで考え込んでいても答えは出ないでしょう。なら当面の目的はイカルガへ行く。そのつもりで動くことにしましょう。
私はベットに潜り込むと、程なくして眠りについた。『マスター、私は…』ナビ先生の声に気付かぬまま。