ナビ先生は頼りになるようですよ!?
2月16日(火)本日二回目の投稿となります。
道すがらニーニャさんに話を聞いたところ、男性の名前はギルソール、人間の魔法使いでランクはニーニャさんと同じくC、この近くにオークが集落を作り護衛のオーガや奴隷としてゴブリンを集めて数を増やしていたらしい。その数は50以上の規模の。そのほとんどが使役ゴブリンであったが、脅威であることには変わりなく集落の調査依頼をギルドが出した。依頼を受けるにはランクC以上、二人以上のパーティーであることが条件だったらしい。
そこに、最近ランクCになったギルソールさんがニーニャさんに話を持ち掛けてきた。ニーニャさんは基本ソロで活動する冒険者だったため、臨時パーティーを組み依頼を受けた。
もちろん、たった二人で集落を攻めるなんて無謀なことはせず、集落の周辺で間引きをしつつ数を調べていたらしい。
しかしなにを思ったのか、ギルソールさんが自分なら殲滅出来ると言い出し、集落に向けて魔法を放ったと…無謀にも程があるだろ!
当然というか、50匹以上のモンスターを殲滅出来るほとの威力ではなくあっというまに囲まれ、何とかリーダーを倒すことに成功し逃げ出した。しかし、運悪く周辺で狩りをしていた部隊と遭遇し魔力の尽きていたギルソールさんがやられ、ニーニャさんも疲労からオーガの攻撃に意識を取られ不覚を取った所に、私が駆けつけたと。
何というか、ギルソールさんの暴走がなければこんなピンチには陥らなかったってことか…
それは彼女の戦いを見ればわかる。オーガとオークを相手取ったときの戦い方といい、一瞬で私の側にいたゴブリンを倒したことといい。ちなみに鑑定はしていない。ナビ先生によると、人に対して無許可で鑑定系スキルを使うのは敵対行為に当たるらしい。ランクCなら鑑定系スキルを使ったことに気付かれる可能性が高いとのこと。
しばらくして街へと続く整備された街道へと出た。ここまでくればモンスターと出会うこともほとんどないだろうとニーニャさんは言った。
…ふむ。それにしてもここまでの会話には苦労した…ほぼニーニャさんのみが話し、私が頷くのみという…
せめて話し方だけでも何とかならんかなぁ。どもり癖さえなければウィットなジョークを絡めた会話が出来るのに。なんせコミュ障じゃないからね!
『マスター、ご提案があります。』お!ナビ先生の提案きた!何でしょう?
『マスターの許可を頂ければ、スキル【礼儀作法(王)】とマスターとの【同調】のランクを一段階高めれば会話をスムーズにおこなうことが可能になると思われます。』
どういうこと?
『スキル【礼儀作法】はそもそも社交系スキルの統合上位スキルなので、会話術も含まれています。現在マスターは身体的な動きのみ【同調】させていますが、さらに【同調】ランクを上げることで喋り方の補正が可能となります。』
流石ナビ先生!頼れるう!じゃあお願いします!
『了解しました。…【同調】ランクを一段階上昇…成功。マスターなにか違和感はないでしょうか?』
特に違和感は感じられないなぁ
「どうしたんだい?ぼーっとして。」
ナビ先生との脳内会話に集中してたからぼーっとしてるように見えたらしく、ニーニャさんが話しかけてきた。
「いえ、なんでもありませんわ」おお、スムーズに喋れた!なんかお嬢様っぽい喋り方だが…
「そうかい?ならいいけど。…お!見えてきたよ。あれがマハルの街さ。」
ニーニャさんが指差したほうを見ると、そこには巨大な外壁に囲まれた大きな街が見えた。
街門へはかなりの人数が列を作っていた。馬車は馬車の列、徒歩は徒歩の列と幾つかに分かれていた。列の最後尾には兵士らしき人が列の整理をしていた。
ニーニャさんはその列の一つに近づいて兵士に話しかけた。
「よう!ジェイ相変わらず忙しそうだね。」
ジェイと呼ばれた若い兵士はニーニャさんに気付くと、笑顔を向けた。
「これはニーニャさん。お帰りなさい。依頼の帰りですか?」
「ああ、何とかね。ああ、こっちはあたしの連れだけど一緒でいいかい?」
ジェイさんは一つ頷くとこちらに手を出してきた。「一応規則なので身分証かギルドカードの提示をお願いします。」
ほいっと軽い声を上げながらニーニャさんはカードを見せるが私は…
「あの…身分証を持って無いんですが。」
ジェイさんはニコッと笑い
「なら門まで進んでそこの兵士から仮身分証を発行してもらってください。保証人はニーニャさんが?…なら問題なく発行してもらえますよ。」
ありがたい。私達は街の住民用の列にならび、仮身分証を発行してもらい街の中へと入った
ニーニャさんがこっちを振り向き言った。
「ようこそマハルの街に!」
やっと街につきましたよ。