対面のようですよ!?
5月13日(金)の投稿となります。
新シリーズ、『笑わない少女は血薔薇と舞う』を始めました。そちらもよろしければご覧いただけると幸いです。
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私達の前に現れたスレイマン。彼はこちらを挑発するように手招きする。
「ハル。こいつは俺に任せろ。」
そう言って一歩前に出る兄様。
「兄様…」
ニーニャさんが私の肩を叩く。
「任せたよ!」
そう言って私の肩を押して促す。
「気をつけて!」
「ザック殿ご武運を!」
「ささっとやっちまいな!」
「油断無きよう!」
私の後について皆が声援を送り、私達は城へと駆け込む。
スレイマンの追撃はなし?
チラッと振り返れば、スレイマンはこちらに興味をがないようだ。
「ハル!急ぎな!」
ニーニャさんに急かされながらも、城内へと侵入した。
「誰も…いない?」
ヤツバさんが辺りを警戒しながら呟く。
確かに、侵入した私達に近づいてくる兵士は居ませんね?というより…
「人の気配がないですね。いえ!居ます上に反応が…一つ?」
多分天守閣の辺りだろうか?そこに一つ反応がありますね。
「なら、さっさと片付けようか!」
ニーニャさんの言葉に頷いて駆け出す。
誰にも邪魔されることなく、天守閣へたどり着く。
そこに居たのは…
「スオウ…公爵?」
カザリが疑問を投げかける。
無理もない、そこにいたのは…
どす黒いサメのような肌、手足の先が細長くそして首から上も細長い触手のようになっている怪物がいたからだ。
なせカザリがスオウ公爵と思ったのか、それは怪物の胸の辺りに顔が、スオウ公爵の顔が埋まるようにあったからだ。
スオウ公爵の顔を持つその怪物は、こちらに視線を向ける事無く、何やら中空を見ながらブツブツ言っている。
『父上…』
ナビ先生、サナリがかつては父と呼んだ男の変わり果てた姿に愕然とした声を上げた。