反乱の目的のようですよ!?
5月7日(土)の投稿になります。
イカルガ大陸南部、ルーチュ地方。かつては、ルーチュ王国という国であった。独特の文化を持ち、イカルガ帝国より厚い保護を受けた国である。
二十年ほど前にイカルガ帝国が併合した。
これによりイカルガ大陸はすべて帝国の領土となった。
今現在私達は、ルーチュ地方と隣接しているスガク侯爵領で待機中である。
ここで、スガク侯爵家の領軍二千を加え二万二千となり、ルーチュ地方へと進軍する。
そのために補給物資の追加などで現在待機中なのである。
「ルーチュに入ってすぐにルーチュ地方軍三千と合流予定です。」とスガク城内にてスガク侯爵が説明してくれた。
現状、ルーチュの主要の山城三つを反乱軍に奪われた状態とのこと。
「つまり反乱軍は三つに戦力が分裂している訳ですか?」
カザリの問いにスガク侯爵は頷き地図を指し示しながら説明を続ける。
「まず、我が軍から一番近くにあるのはこのオオトリイ城、次に南西にあるカカザキ城。この二つは比較的近くにある。兵力も二千程度との報告だが、問題は最後のここ、天然の要塞とも言えるこのイワナガ城。三方を岩山に囲まれ唯一の道も片側が崖となって大軍が動かし難い。兵力も一万と一番多い。」
「逆に言えばよくここを落とせましたね?」
とヤツバさんが言えば、スガク侯爵は苦虫を噛み潰したような表情で答える。
「ここは…無血開城した。」
それは…
「ここの城主が反乱軍に呼応したのだ。」
なるほど、アメン教のシンパなのか、純粋に反乱軍の理念に賛同したのかはわかりませんが、ともかく他にも不穏分子は多そうですね。
そう言えば反乱軍の理念というか、反乱の目的は?
「たしか、正しい指導者に政権を渡すでしたかふざけた話ですな。」
正しい指導者と言っても誰なんでしょう?
「なんでも陛下の死んだ兄上が生きておられるとかなんとか。」
お祖父様に兄が?
「おりませんな!見たことも聞いた事もない。」
「じいも長く陛下にお仕えしておりますが、兄など見たこともありませんぞ。」
どういう事でしょうか?
「その兄とやらはどんな人物なのですか?」
と聞いたが、反乱軍はその存在を発表していないらしい。
そんなのでよく反乱に荷担しようとしましたね。
いえ、反乱軍には知れ渡っている?しかし諜報部の網に引っ掛からないのも変な話です。
「ところで、師匠本当に姫と行かれるおつもりで?」と、スガク侯爵がゴンじいに尋ねる。
実はスガク侯爵はゴンじいの弟子である。
もともとスガク侯爵はゴンじいの下て働いていた領地を持たない伯爵であったという。
それがルーチュ王国との戦争で活躍し、尚且つ併合へ尽力し犠牲を減らした功績で領地を賜り侯爵となった経歴がある。
「なんじゃ?文句でもあるのか!」ゴンじいはジロリとスガク侯爵を睨みつける。
「いやそう言う訳では…」
百戦錬磨の鬼獅子と言われたスガク侯爵もたじたじである。
そうこうしている内に1日ほどで準備が整い出発することになった。
まずはルーチュ軍と合流して、オオトリイ城へ。
二万二千の軍勢は規律を保ちながら進む。
戦場へと…