心地良い関係
お久しぶりです。最近、ずっとこの文句から始まっている気がしますね……。漸くテストが終わったので、もう少し出現率が上がると思います。
そして、今回も短いです。
ボクは、もと来た道を戻りながらきーさんの言葉について考えていた。
そういえば今更だけど、此処で会った人たちで髪や瞳が黒という人物は見かけなかった気がするんだよね。
黒より少し色素が薄い茶色っぽい人が多かったかな。
やはり、その条件で思い当たるのは召喚された同じ学校の生徒たちだ。
というか、態々きーさんが聞いてくるくらいだから、彼もボクの関係者である可能性を考えているわけだ。つまり、そのような見た目の人はこの辺りにはほぼ居ないということだろう。
もしかして、ボク、最初から結構怪しかった……?
気付いてしまったことを気のせいだと言い聞かせているうちに、何時の間にか自分の部屋に辿り着いていた。
扉に手を掛けようとしたところで、中からなにやら声が聞こえてくることに気付く。しかし、その声が聞き覚えのあるものだったので、気にせず中に入ることにした。
「……キミたち外まで声が聞こえていたけど、どうかしたのかい?」
「「あ」」
ボクが声を掛けると、ユノくんとひーちゃんが「しまった」という表情で振り返った。どうやら、ボクが戻ってきたことに気付いていなかったらしい。
「あー、えっと、」
「ユオリ、お早う。目が覚めて良かったわ。……本当は、ユオリの快気祝いをやろうって相談していたのよ。でも、リューノが非協力的なのよ」
「そ、そんなことないッスよ。ただ意見が合わなかっただけッス」
「……気持ちだけで充分だよ。二人とも有り難う」
また揉めそうな二人の様子に脱力しながら、ボクはお礼の言葉を述べておいた。
「本人にこう言われちゃったら仕方がないわね。……早いところ、準備をしましょうか」
……あれ? 遠回しではあるけど、態々やらなくて良いと断ったつもりだったんだけど。
というか、ひーちゃんの言葉的に納得したものかと思ったけど、どうやら揉めることを止めるという意味で快気祝いは諦める気がないらしい。
そこまでしてくれなくても良いという気持ちもあるけど、賑やかな雰囲気に組織の皆を思い出して、懐かしさと少しだけ寂しさがこみ上げてきた。
……そんなに、ホームシックになる性質ではなかった筈なのだけどね。
どうやら、存外この船の居心地が良くて、ボクは無意識のうちに彼らを「身内」と認めていたらしい。
「じゃあ、オイラの部屋でやるッス。……ちょっと取りにいきたいものがあるから、先に行っていてもらって良いッスか?」
「ん、了解だよ」
ボクは手を振ると、一足先にユノくんの部屋に向かった。
……機会があったら、今度名前で呼んでみようかな。
なんて、少しだけ考えながら。




