彼らの決意
「……何かな?」
何かを決心したような表情だし、ボクも真剣に聞かないと失礼だよね。
「……俺達二人の持っている『アーツ』を、お前らにあげたい」
「ええと、理由を聞いても良いかな?」
予想外のことに、ボクは瞬きをしながら訪ねた。
「第一に、沢山迷惑をかけたこと」
「んー、ボクは気にしていないと言ったと思うのだけど」
「それでもだよ。第二に、これからも他の人たちを帰していくことになるだろうから、少しでも力なれたら良いと思ったから。……こっちの理由の方が大きいけどね」
東雲くんの言葉に少し考える。
二人ともの表情を見れば本気であることは分かるのだけど、実際のところボクは魔術で大抵のことは何とか出来てしまうんだよね。
……効果を憶えるだけで時間がかかりそうだし、宝の持ち腐れになりそうな気がしてならないからさ。
「……因みに、どんな『アーツ』があるのかな?」
「えーと、譲与不可のやつも結構あるからな。……基本的には補助系になると思う」
「ふむ。……じゃあ、ユノくんにあげて欲しいかな」
「ええっ! ……オイラッスか?」
完全に蚊帳の外状態だったユノくんは、突然自分が話題に上がって驚いたらしく目をぱちくりとさせながら言った。
そんなに驚くことかな? ……伊波くんは「お前ら」と言っていたのだけど。
「自分で補助するよりは、他の人に使ってもらったほうが効率的だからね」
「そういうものッスか……? まあ、貰えるものは貰っておくべきだとは思うんスけどね」
「……話は纏まったか?」
「そうだね」
ボクが頷くと、伊波くんは指輪の魔石部分に触れた。
「『譲与』:『速度上昇』、『攻撃上昇』、『防御上昇』、『索敵』、『検索』、『付与』、『解析』、『増幅』!」
ボクの方からは何かの力が移動しているということしか分からないけど、ユノくんには何かが視えているらしく先程から視線が何かを追うように動いている。
「……おおー、凄いッス」
「……『応援』は、どっちにあげれば良いんだ?」
「それは、ユオリにお願いするッス。……オイラは、『クールタイム大軽減』を持っているから、必要ないッス」
「……んー、何の話をしているのか、全く分からないのだけど」
「ええと、本来『アーツ』は同じものを連続では使えないようになっているんス。……で、それを解消することが出来るのが『応援』なんスよ」
「納得はしたけど、ボクは『アーツ』の使い方が分からないのだけど……?」
「それは、今度機会を見て教えるから、気にしなくて大丈夫ッス!」
「ほう。それは心強いね」
ボクが理解したのを確認した伊波くんは、先程と同じ要領で『応援』をくれた。
同時に、ボクの視界には、『『応援』が譲与されました』というメッセージが表示された。
……どういう仕組みなのか全く分からないけど、先程ユノくんが視ていたのはこれと同じようなものだったのかな?
「『譲与』:『譲与』」
「『譲与』:『反射』、『龍化』」
『譲与』は譲渡不可ではないんだね。……ではなくて、何て物を渡してくれているのかな、東雲くんは。
ボクのもの言いたげな視線に気付いたのか、東雲くんは少し慌てたように手を顔の前で振った。
「あ、いや、『龍化』は単独で使うと大変なことになるけど、効果は絶大なんだよ。……『冷静』とかがあれば上手く使いこなせる筈だから、それまでは封印しておいて欲しい」
「……了解だよ。ところで、その『譲与』、ボクが貰っても問題ないかな?」
「うん、良いよ」
東雲くんは笑顔で了承すると、素早く『譲与』を譲ってくれた。
「有り難う。……今度こそ送って良いかな?」
「ああ。もう思い残すことはねーな」
伊波くんと東雲くんとティーくんは、笑顔で頷きあうとボクの方に向き直った。
「じゃあ、お願いします!」
「任されたよ」
お久しぶりです。
やらなければいけないことを増やして、自分で首を絞めていたためなかなか投稿できませんでした。
更に、なろう様のホラーの企画にも参加しようとしているので、また暫く消えるかもしれないです。
(人はコレを自滅と言います)
キリが悪いので、近いうちにまた投稿したいとは思うのですが……。




