朝食と嫉妬
短めですが、キリが良いので投稿します。
ユノくんは宣言通りに、少し遅めの朝食を並べ始めた。ご丁寧に、小さめのバスケットが人数分用意されている。
……何処から出てきたのかなんて突っ込まないよ。『アーツ』があれば、いくらでも方法があるだろうしね。
「どうぞッス」
「……どうも」
折角用意してくれたからには食べるけどね。ユノくんの口ぶりからして、彼が作ったみたいなんだよね。
ふむ。下手であることを期待するべきなのかな。
ボクは、料理が壊滅的だからね。……とは言っても、ネタ要員のようなユノくんに負けるのは少々癪に障るしね。……いや、我ながら酷い事を言っている自覚は有るけども。勝ち負けの問題でもないし。
まあ、なんだかんだ言っても、不味いものは食べたくないんだよね。
……このジレンマをどうしてくれようか。
「……うーむ」
程好く不味い、というか、微妙なのがベストかな。
「食べないんスか?」
ボクが難しい表情でバスケットを見詰めていることに気付いたユノくんが声をかけてきた。
「あ、いや、食べるけども……」
「……けど?」
「何でもないよ、うん」
まさか、キミの料理スキルについて考えているとは言えないからね。まして、微妙なレベルを期待しているなんて事はなおさらね。
観念したボクは、恐る恐るバスケットの蓋を開けた。
……。
ボクは、直視出来なくて思わず蓋を閉めた。
幸いにも、二人とも自分のバスケットに注目していたので、この奇行を見られることは無かった。
……ううむ。何だかとんでもなくきらきらしい物を見た気がする。
二度見をしても結果が変わる筈も無く、ボクは諦めて朝食――サンドイッチと対面した。
「……では、一口」
うむ。文句無しに美味しい。
……やはり、ユノくんは裏切り者であったか。
ボクは衝撃のあまり思考回路が迷走している事にも気付かず、呆然と諸悪の根源(誇張)を見た。
「……どうッスか? やっぱり、不味いッスかね?」
「……」
「その辺りにあったものを適当に挟んだだけッスから……」
ボクが、無意識のうちに殺気を出したのは言うまでもない。
視線に殺傷能力があるのなら、ユノくんはもう既に瀕死の重傷を負っているに違いない。
というか、お化けが怖くて、料理が得意で、整理整頓も出来るって……。女子力(?)が高すぎやしないかい?
……キミは何処に向かっているのかね?
「……うっ」
そして、このタイミングで目を覚ます東雲くん。
……何なの? キミたち。




