表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師の異世界召喚  作者: かっぱまき
隠れ島にて
69/109

戦闘開始


 目を開くと、辺りの風景は打って変わってごつごつした大きな岩が目立つ山岳地帯になっていた。


「さて、東雲くんは、と……」

「……探す必要は無いみたいッスよ」

「そうだね」


 目の前にある黒ずんだ岩の様なものが、大きく動いた。……どうやら、寝返りを打ったらしい。


「……では、予定通りに」

「おう」

「了解ッス!」


 ボクは、二人の反応を確認してから意識を戦闘用のものに切り替えた。


【吹き抜ける風、彼の者を包みて守護し意志を汲め。……風球】


 唱え終わると、薄黄緑色の球体が伊波くんを包み込んで、彼の体ごと空に浮かび上がった。

 話を聞いたところ、伊波くんの『アーツ』には一時的に身体能力を向上させたりと戦闘を有利に進められそうなものが多くあることが判明したので、ならば存分にその能力を発揮してもらおうということでこの配置が決まった。


 ……つまり、戦闘に巻き込まれないように、伊波くんには空中にいてもらうことにしたんだよね。

 ただ、一応相手は龍だし途中で空中戦になる可能性も考慮して、危険が迫ったら直ぐに避けられるように伊波くんの意志で動かせるようになっている。

 因みに、伊波くんの反応が間に合わなくても危険がないように反射で避けるルーティンも組んであるから完璧だと思うよ。


「『隠蔽』ッス!」

「『速度上昇』、『攻撃上昇』、『防御上昇』」


 因みに、これらは自分には使えない代わりに、取得に要するポイントがとても低かったとか。

 ……クラスメイトたちは、ゲーム感覚で過ごしていないか少し心配だね。


 伊波くんが『アーツ』を口にする度に、体の調子が良くなっていくのを感じる。

 実は、伊波くんは板を操作しているだけだから厳密には発音する必要は無いのだけど、何を使ったのか分からないと不便だから選択と同時に発音するように頼んである。


「『索敵』! ……よし、異常なし」


 これで、一先ずは部外者の乱入の心配は無くなった訳だね。まあ、不測の事態が起こらないとは言い切れないし、早く決着をつけるに越したことはないけどね。


「『付与:風』」


【吹き抜ける風、彼の者を切り裂け。……風刃】


「ぎゃおっ!」


 間違っても殺してしまわないように大分威力をセーブしたにもかかわらず、龍の表皮には浅くない傷が無数に出来ていた。


 ……『付与』の効果が、想定していたものを大幅に上回っているみたいだね。


 流石に目を覚ました龍は、痛みの発生源を探して首をめぐらせた。


 因みに、何故ボクたちが龍の体力を削ろうとしているかと言うと、当然のことながら東雲くんを元に戻すためだ。

 実を言うと、「かたち」だけを戻すなら今の状態でも充分に出来る。

 ただ、人としての思考などの「東雲くん」を取り返すにはこのままでは駄目なのだ。

 現在の東雲くんを簡潔に言い表すなら「野性の本能>人の心」だ。これを正しい状態に戻してやらなければならないのだ。


「……ん?」


 ボクは、何かの視線を感じて顔を上げた。


「……」

「……ぐぎゃ?」


 龍はボクの方を見ると、「犯人はオマエか?」とでも言いたそうな表情で首を傾げた。


 ……いや、「傾げた」なんて可愛らしい物ではないかも。

 龍は何故だかボクがやったと確信しているらしく、どんどん眼光を強めていく。


「『真空刃』ッス!!」

「……ぎゃっ!!」


 先に視線を逸らしたのは、龍の方だった。


「オイラを忘れてもらっては困るッスよ?」


 ユノくんは、龍に向かってにやりと笑って言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ