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魔術師の異世界召喚  作者: かっぱまき
海上にて①
28/109

アーツ選択(久遠 氷雨)

 *Side:久遠 氷雨


「……どうするべきなのでしょうか?」


 僕は、自分の手にある二つのものを見て呟きました。

 一つは、小さな巾着。

 これは、別れ際に星砂がくれた物なのですが、落ち着いてから見ようと思っているので中身は分かりません。


 まあ、星砂に限って危険物をよこすとは思っていないので、後回しにしているというふしもありますね。


 しかし、星砂は何故、僕を下の名前で呼んだのでしょうか?

 あまり呼ばれ慣れていないので、不覚にも少しどきっとしてしまいましたが。……あ、無敵はノーカウントなので、あしからず。


 話がそれましたね。それで、僕が現在困っている原因はもう一つの方です。見た目はただの小さな指輪なのですが……。

 これは、移動が終わり辺りを見回している時にいつの間にか着いていた事に気付いたのです。因みに、ここもまだ経由地点のようです。何かの建物の中のような空間ですが、扉が何処にも見当たりませんし、召喚時に感じた魔力の気配もありません。

 他の生徒達も騒いでいたので、指輪は皆の手に着いていた様です。因みに、指輪は左手の小指にあり不思議な色の石が付いています。


 僕の覚えている範囲でではありますが、あの待機の場に居た人でここに居ないのは星砂だけのようです。


 何とかするとは言っていましたが、大丈夫でしょうか? 僕がじたばたしたところで、どうにもならないのですが、やはり心配です。

 星砂のことを考える前に、自分が生き残らなければ話にならないんですよね……。


 僕は、溜息を一つ吐くと、指輪に意識を向けなおしました。

指輪は測ったかのように指にぴったりで、少しだけ気味が悪いです。

 深呼吸して気持ちを落ち着かせてから、僕は指輪の石の部分に触れました。

 途端に、目の前に半透明の板のようなものが出現しました。

 先程は驚いて集中を欠いて消えてしまいましたが、今度は問題なくその文字を僕に晒しています。


『アーツ』という文字とその右に『300』と書いてあるのみです。『アーツ』の文字に触れると別の板が出てきました。パソコンで、複数のページを開いた状態をイメージしてもらうと分かり易いかもしれません。

 その新しい板には、一番上に『冷静(0)』とあり、その下にも沢山の『アーツ』らしきものの名前が並んでいます。


「ひさ兄、何かあったです? 私は、『植物の姫(0)』というのが、あったですよ!」

「僕は、『冷静』とありましたよ。この(0)というのは、あの『300』の分子でしょうか?」


 僕は、少し得意げに話す時雨に視線を向けながら、自分の考えを口にしました。

 他の生徒達も似たような話題を口にしているようで、そこかしこから『アーツ』の名前が聞こえてきます。

 

 新入生歓迎会で優勝した藍澤は、『運』。準優勝の香川は『俊足』。空閑は、『真偽眼』。……という具合のようです。ただし、この(0)の『アーツ』は持っている生徒とそうでない者が居るようです。


 僕は、恐る恐る『冷静』に指を伸ばしました。

 ピコン、と軽快な音と共に、『取得しますか? その場合、残りは、500APになります』というメッセージが表示されました。


 僕は自分の予想が当ったことを知り、迷わず『はい』を選択しました。


 『AP』というのは、恐らく『アーツポイント』の略でしょう。

 僕は、時雨と相談しながら、必須と思われるもの以外かぶらないように気をつけて『アーツ』を選びました。

 おおよその『アーツ』は、(30)だったので、十個選ぶことが出来ました。中には、(100)や、それ以上に大きな数字のものもありましたが、種類があった方が良いという意見はでまとまったので、僕も時雨もそういうものは選びませんでした。


 結果的に僕が、『冷静』『器用』『解析』『検索』『魔法鞄』『夜目』『反射』『受身』『自然治癒』『氷の友』『妨害』を。

 時雨が、『植物の姫』『命中』『すり抜け』『受身』『自然治癒』『反射』『遠見』『魔法鞄』『身軽』『気配操作』『応援』『増幅』を取得しました。


 見事に、両方後衛タイプですね。……星砂に教えてもらった魔術があるので、攻撃系は敢えて取らずに生活に必要そうなものを中心に選んだからなのですが……。

因みに、今選んだものは使い込むことで、別のものに派生する可能性があるそうです。


 全部選び終え、最後に『本当に、よろしいですか? これ以降は変更できません』という旨のメッセージに『はい』を選択すると再び体が光に包まれました。


 どうやら、ここまで作業しないと出られない仕組みだったようですね。


 僕は、微かに召喚時と同じ魔力の気配を見つけ、次の行き先がひとまず召喚の目的地であることを知りました。


「気を引き締めていきましょう」

「はいなのです」


 僕は、口に出すことで、不安を誤魔化しました。

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