三日ぶりの再会
遅くなりまして本当に申し訳ありません!!
この後の展開に悩んでいたのと、忙しい時期にかぶったのと、インフルにやられていたのとが原因で消えていました。
強制帰宅から三日経ち、無事に謹慎の解けたボクは久しぶりにあの公園を訪れていた。隊長が謹慎期間も伝えてくれていたらしいので、もうすぐ友里音ちゃんも来る筈だ。
ボクよりも友里音ちゃんが先に居ることが多かったので、何だか新鮮だと思いながらブランコに腰掛ける。
……そういえば、今回は時間の約束をしていなかったのだから、先に来ていなくてもなんら不思議はないのだ。
「……ふっ」
友里音ちゃんと遊ぶことが随分と日常に溶け込んでいたように思われて、思わず笑いが漏れた。
ただブランコに座っているのも変に思われて軽く地面を蹴り上げる。
そういえば、ボクたちの関係が変わってしまった原因は、間接的にではあるけど、このブランコだったね。
勿論、ボクが魔術を使おうなどと思わなければこんなことにはならなかったのかもしれないけど。
考えれば考えるほど後ろ向きになっていく思考にうんざりしたボクは、その気持ちを払拭しようと大きな声を上げてブランコから飛び降りた。……あの日のように。
「せーのっ!」
一人で飛ぶには変な掛け声である気もしたけど、それほど気にならなかった。
ボクの声に驚いたのか、近くの木にとまって囀っていた鳥たちがどこかに羽ばたいていった。
「あ、癒織ー!」
丁度その時、遠くから友里音ちゃんの声が聞こえてきた。実は先程のジャンプで、彼女の家の車が来たのは見えていた。
「うん、久しぶりだね。……あの後大丈夫だった?」
「それは大丈夫なの。お父様に何があったか話しておいたから」
「……ええと?」
……何だか嫌な予感しかしないんだけど。何処まで話したんだろう?
「?」
ボクの微妙な反応には気付かなかったのか、友里音ちゃんは小さく首を傾げると得意げに言った。
「そしたら、癒織に直接お礼が言いたいって言っていたの」
あ、これ、駄目なやつだ。
何となく察した。彼女があの日の出来事を包み隠さず話してしまっただろうことを。
ボクたちの組織は、歪みの解消をメインに行っているとはいえ、必要があれば他の仕事だってする。中には、正しく人助けのようなものも存在している。
人払いは毎回怠らずに仕事に当たっていても、何事にも例外というものはつきものだ。
そんなわけで、偶然組織の人間を見てしまった人に「雇いたい」と言われることが、稀にではあるが存在する。
ボクも数度その場に立ち会ったことがあるので、今回の件がそれに酷似していると分かった。
勿論そうなった時は速やかになるべく角を立てないようにお断りして、意識が逸れた隙に【忘却】の魔術を使って記憶を消すんだけど。
あの時に、記憶を消せなかったのは痛手だったね。
気を失っていたため考えても仕様もないことだけど、思わずにはいられない。
基本的に【忘却】はその消したい事象が起こってから間もないときの方が成功率が高い。その人に馴染んでしまってからの記憶は、他の記憶とも関わりを持ってしまうので厄介だ。一歩間違えれば、必要な記憶も消してしまうことになりかねないのだ。
更に今回の件では、友里音ちゃんは父親にしか話していないようだけど、その父親が何処まで話しているか分からない以上、下手に記憶をいじったら後でボロが出る可能性が高い。
短時間でそこまで考えたボクは口を開いた。
「ええと、それは今日このままキミの家に行くということかい?」
「そうなの」
友里音ちゃんに促されるまま、ボクは車に乗り込んだ。




