魔術師と名前 *2
遅くなりました、すみません!
言い訳をしますと、最近用事が立て込んでいて他にも書かなければいけない小説がありまして……。実はそちらもまだ終わっていないのですが、流石に放置しすぎたなと更新にきたわけです。
更新ペースは落ち気味ですが、書く気はありますのでこれからも読んでいただけると嬉しいです。
何故そうなるかというと、名前には本人に強い繋がりがあるのは当然のことだが、それを口にする人とも多少ではあれど縁を結ぶ力があるからだ。
魔術師にとって縁を結ぶとは、即ち魔力の交流。言い換えれば、魔力の共有だ。一度名前を呼ぶ程度では目に見えるような変化は無いが、回数を重ねれば話は変わってくる。
因みに、回数だけではなく名前を呼ぶ魔術師の思いにも比例するので、守護目的で名前を呼べば一度で通常の何十倍もの効果を発揮する。ボクが久遠くんに行ったのはこれに当たる。
そもそも、魔力には使用者を護る力がある。炎の魔術を使ったときに怪我をしないのもそのためだ。因みに、自分の魔力を完璧に使いこなせるなら、辺り一帯を消し炭に出来るほどの魔術を行使しても使用者には傷一つ付かないとか。
まあ、それほどの魔術師には会ったことは無いのだけど。
それに、正直な所会ってみたいとは思わないね。……機嫌とか損ねたら面倒そうだし。
そういうわけで、使用者を護るための力が他人にも流れ込むわけだから、必然的に名前を呼ばれた人に、呼んだ魔術師の魔術はまともに発動しなくなる。
それだけでも厄介なのに、魔力共有者の魔術に対する防衛ほどの効果はないが、その術者の得意とする属性にも耐性を持つようになる。つまり、大量の魔術師から名前を呼ばれれば、魔術が殆ど効かないという厄介極まりない人間が出来上がるわけだ。
まあ、属性といっても細かく考えると星の数ほどあるので、全くもって現実的ではないけどね。
主要の属性だけならまだしも全ての属性をカバーしようと思ったら、どれだけの魔術師から信頼を得なければならないのか。考えるだけで、気が遠くなりそうだ。
以上の理由から、術者本人にとっては損しかない行為だからこそ、信頼を示すということになるのだ。
そして、それだけ重要な意味を持つ行為なので、魔術師側には相手が本当に信頼できるか測るための能力のようなものが備わっている。因みにこれを使いこなせない者は、どれだけ高度な魔術を使えようとも術者からは「ひよっこ」扱いされる。
しかし、面倒なことに、この能力による判断基準は人それぞれである上に現れ方も違うのだ。
隊長なんかは、目を凝らせば何となく視えるものだと言っていた。他の組織の人に訊いてみたところ、五感のどれかで感じ取れる人が圧倒的に多いらしいということが分かった。例えば、ささやくような声が聞こえたり、背筋がざわついたり……、という具合にだ。
ボクの場合は、そのまま感覚頼りで五感のどれかに変換されたりはしない。言うならば、勘だ。
そのボクが違和感を覚えのだから、つまりはそういうことなのだろう。




