魔術師と名前 *1
お久しぶりです。かなり今更感がありますが、今年も小説を上げていきますので宜しくお願いします!
久々の更新のくせに説明回ですみません……。
そもそも魔術師というのは少々特殊な人種だ。
扱う魔力に適した体でなければならないので、人というよりはある意味亜人に近い存在と言えるかもしれない。
そんな魔術師たちの間には、幾つかの決め事が存在している。
その中でも代表的なものが、名前の扱いである。
名前というのは、それだけである種の魔力を持った力だ。
そして、魔術のように複雑な要素がない名前の魔力は純粋であるからこそとても強い力であるといえる。
状況にもよるけど、魔力に充分な適性を持つ人が名前を口にすると、それだけで魔術に似た力が発動してしまうこともある。
また、確率こそ大幅に下がるが、その空間が魔力に満ちていたり使用者の強い感情が伴ったりすると、特別な適性が無くても些細なことがトリガーとなり魔力を扱えてしまうことがある。例としては、藁人形などが挙げられる。
これは正しく名前を使った魔術といえるだろう。
……まあ、魔術師の間では、呪いの類は基本的に禁止されているわけだけど。呪いは魔術師ほどの経験が無くても成功してしまう場合があるからね。
しかも、大抵こういうものに手を出す人は充分な知識が無いから、変に力が作用して後始末が大変になることが多いし。勿論大きな歪みの原因にもなりかねないから、自分が使うことは論外だけど、他人に教えることもマナー違反とされる。
因みに、魔術師は結束力が高い上に魔力の質で相手を見極める能力も必要とされているので、そのような問題児はあからさまに冷遇される。情報の伝達も早いので、何らかの問題をおこして適切な対処をしないと孤立まで秒読み……、という状況もざらにある。
その仕打ちは、「マナー違反」などという柔らかな言葉で表現して良いものか少々疑問に思うほどだ。
さて、話がそれたが、今まで挙げた例はあくまで「魔術師ほどの適性を持たない人々」の話だ。
では、魔術師が名前の魔力を使うとどうなるのか。
……結果から言うと、更なる惨事になる、などということはない。
当然保有している魔力量は一般人より多いが、魔力の扱いに関しては常人とは比べ物にならないほどの訓練をつんでいる魔術師が制御出来ないはずもない。
しかし、その代わりといってはなんだけど、「名前を呼ぶ」という行為に別の意味合いが生まれてくるのだ。
――相手を信頼している、ということを示すという意味合いが。




