強制帰宅とその後
お久しぶりです。諸々の締め切りが近くて消えていました。
設定を考えるのが好きなので仕方ないのですが、書きかけの小説の数が凄い事になっています……。
目を開くと、そこには見慣れた部屋の天井があった。
あれ? ボクは、友里音ちゃんの家に居た筈なんだけど……。
覚醒しきっていない頭を何とか働かせようとしたところで、部屋の扉が微かな音を発した。
どうやら、ボクが寝ている可能性を考慮してくれたらしい。扉を開いた相手とボクの目があった途端に、勢いよく残りが開かれたことが良い証明だろう。
「……癒織! また無茶をしたらしいな?」
そこまで言うと素晴らしい笑顔で口を閉ざした隊長に、ボクは冷や汗が止まらなかった。
……無言の圧力が怖いです、隊長!
笑顔の方が、数倍威圧感があるってどういうことなのさ?
心の中で突っ込んでも、勿論それを口に出すことはしない。……ボクだって命は惜しい。
「……ええと、無茶したしようとしたわけではないのだけど、咄嗟にね」
「……全く、俺たちにとってはそのよく知らないやつより癒織の方が大切なんだぞ? 毎回肝を冷やすこっちの身にもなれ」
ボクのなけなしの言い訳を聞き終えると、隊長は呆れたような安心したような、形容し難い表情で呟いた。
「とにかく、無事で良かった」
隊長は今度こそ優しい表情になって、ボクの頭を撫でてくれた。
「……ところでさ、ボクは何も言わないで友里音ちゃんの家から帰って来てしまったわけだよね?」
「……? まあ、そうなるな。俺が見付けたときに、お前は意識を失っていたからな。……それがどうかしたのか?」
「んー、埋め合わせしないとかなって」
「……俺としてはそういう問題が起こる家とは関わりを持たないで欲しいが、流石にお前に友人関係まで制限するつもりはない。……とにかく、お前のことを一番に考えているやつがいるということだけは忘れるな。恐らくだが、伊織さんも同じように言うと思うぞ」
こう言って、ボクの背中を押してくれる隊長は、本当に懐が広くて男前だと思う。
隊長のことを良く知らない人は彼を「過保護」だと表現することもあるけど、実際はそれほどではない。
確かに、懐に入れた相手には優しくなったりオカン化したりというようなことはある。だけど、突き放すべきところではしっかり線引きもするし、必要だと思ったらあえて苦労させることもある。その代わり、それが終わればたっぷりと甘やかしてくれる。
そのため、彼を良く知る人からは、「飴と鞭の使い方が最高に上手い人物」という評価を得ているらしい。
まあ、要約すると、隊長が凄いということで間違いないんだけどね。きっと、理想の上司というのは彼のような人のことを指すのだと思うよ。
「俺はこの仕事を始めて長いから、もう一般人の感覚が良く分からないが、きっとショックを受けているだろう。しっかり安心させてやれ」
隊長の言葉に頷きで答えた。
「ああ、当然だが、回復するまでは駄目だ。三日は安静。……分かったな?」
「三日……」
意外と長いな、と思って呟いたら隊長が胡乱な目で見てきた。隊長に逆らう意志も必要も無いので、ボクは慌てて言った。
「いや、勿論分かっているよ」
別小説ですが、「しにんできた」と打って変換したところ、「視認出来た」ではなく「死人で来た」となっていました。
……我が家のパソコンは少々おかしいようです。




