宮沢賢治先生ハ、ソコラ中ニ居リマス
次に足伸ばしたのは羅須地人協会。宮沢賢治が子供に勉強を教えた学校兼、自宅。本当の意味での賢治の学校とも言うべき建物。宮沢賢治は花巻にずっと暮らしていた為に、元住まいであった場所も多く。所縁だらけなのが花巻です。そして最期の時を迎えたのがこのお家。
ただこの場所の管理所有者が、花巻農業学校でその場所もその敷地内。
その為観光客の為の専門スタッフもいません。(小さい所なので十名以上で観光の際は連絡が必要です)
そもそも花巻は観光者が少ない事もあるのか、基本勝手にお楽しみ下さいなスタンスの所ばかりです。童話村も監視員すらおらず子供は自由に走り回っていました。観光名所が分かりにくいという所があります。まず専用駐車場が分かり辛くあっと思った時には通りすぎて慌てるという事をしてしまいました。そして次に普通に学校であるため入っても良いのか校門の前で戸惑います。しかも入口に警備の人がいるわけでもない。
しかし、ここまで来て見ない訳にはいきません。勇気を出して踏み込むとそこは何とも懐かしい青春の世界。鹿踊り部の学生が練習に勤しむ様子も微笑ましく、すこし和みました。そして一応ある羅須地人協会はコチラという矢印のついた案内。でもその先は部室が並んだゾーンでその建物の前の広場では鹿躍り部の皆さんが太鼓等もって練習を頑張られている。見ていると目があってしまい部外者的な気まずさとを感じているとコチラに数歩、歩みより頭をペコリと下げる。
「こんにちは~!」
笑顔で挨拶して下さるではないですか! 感動しつつも挨拶を返して羅須地人協会の場所を尋ねてみる事に。
「賢治先生のお家はあちらになります!」
礼儀正しく教えてもらえました。なんて良い子なのでしょうか? お礼を言ってそちらにいってみるとこんな建物が。
入口には、『下ノ 畑二 オ居リマス』の文字が。まるで今尚、そこに宮沢賢治がいるかのような感じになっていました。お留守なのに勝手にお邪魔して中を拝見という感じで、玄関に入り靴を脱いで『お邪魔します』と言って見学させてもらいました。
入口のすぐそばには、こんな教室があり、そして宮沢賢治が生活していたという住居部分(二階は立ち入り禁止)。
そのひっそりとした佇まいがいかにも宮沢賢治のお家という感じで、ウッカリすると玄関が開いて宮沢賢治が帰ってきそうな気がしてしまいました。
そして窓から覗くと学生が鹿踊りの練習をしている。タイプスリップというよりも、今尚宮沢賢治の生き続けている空間にいるような錯覚をうけるそんな場所になっていました。
岩手って、こんな感じで過去の偉人が足跡として存在しているのではなくて、なんか自然な感じで生活に溶け込んでいて生きている存在になっている、そんな雰囲気があるのが面白い所なのかもしれません。