宮沢賢治ワールドに漂う
記念館で脳内を宮沢賢治で満たしたまま、お薦めされた遊歩道を通ってポランの広場を経てイーハトーブ観に進むことに。お花には少し寒かったのか、爛漫ではありませんでしたが、この遊歩道とポランの広場、細かいところに宮業賢治テイストを取り入れている事もあり、それを見つけながら歩くのも楽しいです。
コチラは『月夜のでんしんばしら』のタイル絵です。
そしてここの傾斜花壇と日時計は宮沢賢治設計の設計図を元に実現させたモノ。そういう意味でも想いを馳せながら楽しむのに素敵な公園です。
ただ、傾斜花壇って、けっこうスゴイ傾斜です。歩かれる時は最新の注意を払いながら歩かれて下さい。一つ間違えるとこけて滑り落ちますので!
そして訪れた宮沢賢治イーハトーブ館は宮業賢治学会の本拠地。入館も無料ではあるものの簡単な展示物と観光案内所と喫茶を兼ねただけのこぢんまりとした感じで、この近辺では一番訪れる価値はないのかもしれません。ただ、ここの一階にあるソファーの座り心地がとてつもなく良く、疲れた体を癒すのに利用しても良いかもしれません。
そして次に訪れたのが、『宮沢賢治童話村』。ここは記念館とは別の意味で宮沢賢治が大好きな人には堪らない場所でした。もう入口が銀河ステーションとなっている事から分かるように、宮沢賢治の童話世界そのものを再現した場所です。入口から銀河トレインという名の電動ミニ電車で賢治の学校という建物まで連れていってもらえます(タイミングが合わなくてもすぐ前に建物見えているくらいで大した距離ではありませんので歩いても)。白建物と七つのログハウスを見ていくという感じになっています。
記念館と童話村どちらも宮沢賢治に浸り堪能できる素敵な場所なのですが、そのアプローチの方向性が全く異なっている所が面白いです。記念館は宮沢賢治という人物そのものをジックリ向き合うように見せていき、コチラは創作世界へと人を誘う場所。一番大きな建物では最初にファンタジーホールと呼ばれる白い部屋に椅子の並ぶなんとも不思議な部屋があり、次に、「宇宙の部屋」があり、この真っ暗な部屋は床天井壁全てに星を輝きがあり宇宙に放り出されたかのような錯覚をうけるそんな場所となっています。次の「天地の部屋」という天井壁には雲が流れ足元では岩手の空からの後継が広がるヴィジョンがながる部屋が空を浮遊している感覚を楽しめます。次の『大地の部屋』では大きな森の後継が作られており。自分が小さな小動物になったような錯覚を楽しめます。そして最後に『水の部屋』と続き、言葉ではなくイメージだけで賢治ワールドを体感させてくれる仕様になっています。そしてその建物を出ると待ち受けているのが「石の教室」「鳥の教室」「星の教室」「動物の教室」「植物の教室」「森の教室」という賢治の学校と呼ばれるログハウス。それぞれの勉強をしながら、その要素が宮沢賢治の童話においてどう生かされてきたのかを学ぶ事が出来ます。それも五感を楽しませるような展示の仕方となっていて、訪れていた子供も興味津々な様子でそれぞれの教室を楽しんでいました。もしまったく宮沢賢治をしらないというお子様を連れていくならば、まずコチラのスポットで世界にいざなってから、実際の文学に触れさせるのが良いのかもしれません。私はまず宮沢賢治そのものに向き合う記念館に行ってから、童話村で世界に漂うという感じもそれはそれで楽しかったです。どちらを先に行くかを決めるのもまた、楽しい悩みかもしれません。