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金の斧?

 筋力と信仰のみが取り柄の斧使いの重騎士シュヴァルツブルクが、仲間のからかいに心を痛めて、癒しを得ようと森の中で一人になっている。

 シュヴァルツブルクは湖の近くに座り、淋しそうに呟き始める。


「ああ、どうしてみんなして私のことを馬鹿にするんだろう……私はこんなに強くて固いのに……。こんなに大きな斧だって片手で持つことができるし、重たい鎧を着たまま敵の攻撃を回避だってできる。ただちょっとだけ知力と器用さが低いのは事実だけど、それだってゴブリン程度はあるのに……。ああ、悲しい。どうにかしてみんなを見返す手段はないものだろうか……。」


 その時、湖の中央から謎の光が見えた。


「……ん? あれはいったい……」


 と身を乗り出した瞬間、シュヴァルツブルクの斧が落ちてしまった。


「あっ、斧が湖の中に!」


 すると、湖の中央の謎の光が、斧の落ちたところまで移動した。

 そして、ザバァッ! と音を鳴らして、大量の水を滴らせながら、満面の笑みの金髪の女性が二種類の斧を持って現れた。


「シュヴァルツブルクよ、あなたが落としたのはこの黄金の斧ですか? それともこの白銀の斧ですか?」


 突然のことに驚きつつもシュヴァルツブルクは否定する。


「いいえ、私が落としたのは重厚なグレートアクスです」


 女神は嬉しそうに言う。


「あなたは正直者ですね。そんなあなたにはこの黄金の斧と白銀の斧をあげちゃいます! それでは!」


 彼女はシュヴァルツブルクに黄金の斧と白銀の斧を無理やり握らせると、重厚なグレートアクスを持ったまま、また湖に沈んでいった。


「えっ、ちょっ、ちょっと待ってください! その斧は貴重な素材を使って強化した、大切な斧なんです! ああっ、そんな、湖の中にブクブクブクと!」

「(湖の中から)ふふふ! お礼はいりませんよー!」

「違うのに! ……ああ、あの武器がなくなってしまうと、いよいよ仲間内での私の評価が、固い、弱い、遅いのリーチとなってしまう。なんとかして取り返さなくては!」


 こうして、シュヴァルツブルクの女神探しの旅は幕をあげたのであった……

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