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第二話「刺客との戦闘」

 その場にいた隼人はドアを蹴り飛ばした。近くの人が驚くこともなく隼人は部屋の中へと入っていった。その場にはガラスを破り少女を連れ去ろうとする男の姿が見えた。


隼人「待て!!」


隼人は男を追いかけるように割れた窓から飛び降りた。近くにい劉星は双葉と伊織に向けて指示を出す。


劉星「伊織さんは避難を双葉は屋敷の周囲に結界を張ってくれ!!隼人は私が追う」


双葉「了解」


劉星も隼人と同じく割れた窓から飛び降りて後を追った。


屋敷内庭にて


隼人「おい待てよ。そいつを置いていけ」


男「ふっ馬鹿めそんな簡単に渡す訳がないだろ」


隼人「そうだろうと思ったよ。」


隼人は指先をクイっと曲げると男の身体が電柱に釣り上がった。男は暴れるが次第に身動きが取れなくなった。


男「なっ何をした…動けねぇ…」


隼人「残念ながら異能は使ってないよ…俺の武器さ」


視界がボヤけた瞬間にきらりと細いものが見えた。目を凝らさないと見えない細い糸、その上に頑丈で破ることもできない。


隼人「俺の武器は細長い糸…「鋼蜘蛛」っていうんだ。今時、珍しいだろ?意外と便利でさ切断したり捕獲したりと使い方によっては様々。そしてこの糸は特製の鋼で出来ている。簡単には抜け出せねぇぞ?」


男「ちっ…やむを得まい」


目の前にいた男が茶色く変色し担いでいた少女を下ろして地面へと潜り込んだ。糸が抜けた瞬間に周囲から男と同じ容姿をした人物が四人現れた。


隼人「分身?いやそんな大層なものじゃないな。能力からして土人形と言ったところか」


男「あぁ残念ながらここは俺のフィールドだ。さっさと少女を渡せ」


隼人「全く…いい能力なのに敵に回ると面倒だな。まぁ俺には関係ないけど」


隼人が手を動かすと周囲の土人形が細々と切り刻まれた。一瞬の出来事だった…ただ手を周囲に振り回しただけで周囲の土人形と共に地面が抉れた。しかしそこから土人形が5人に増えて周囲に現れた。


男「無駄だ。ここで俺を倒すのは不可能だ。」


隼人「不可能ねぇ…分身相手は不可能かもしれないがそこの木の裏に本体がいるな?」


男「!?」


隼人「分身にだけ影がないぜ?」


男「ぐっ!?一旦退くか」


隼人「逃がすかよ!!」


隼人が男に向けて手を向けた瞬間に男の足元の影が沼のように変化し沈んだ。男は驚いたような表情で這い上がろうとするが暴れると、どんどんと沈んでいく。


男「なっ何をしたぁ!?」


隼人「異能力だよ…俺の異能力は影を操る。つまりお前が立っている木の影を沼に変化させた。」


男「くそっ…この影の異能力…まさかお前は夜桜家の者か!?」


隼人「気づくの遅いなぁ…学生だと思って油断したのか?」


男「くっそ…」


劉星「隼人!!」


隼人が背後に視線を向けると急いだ様子で劉星が走ってきた。


劉星「無事で良かった。敵は?」


隼人「この通り…影に埋まってるよ」


劉星「後は協会に引き渡そう。少女は無事か?」


隼人「あぁ…あっちに転がってるぜ?」


劉星「扱いが雑すぎる!?一応、依頼人なんだぞ?」


隼人「協会が嫌いなら触れようがねぇじゃねぇか…」


劉星「それもそうか」


双葉「そうかじゃないわよ…」


後からきた双葉がツッコミの平手打ちをする。その後、伊織と合流した一行は一度学校へ戻ることにした。襲撃の被害は最小限に抑えられたがこれ以上は少女の身が危ないと判断し星野から帰還の命令が出た。結界が張っている学校内に戻った隼人たちに防衛軍の隊員である八雲忍が待っていた。


学校敷地内(昼)


忍「随分と派手にやったようね…」


隼人「次期当主がこんな所で油売っていいのか?」


劉星「隼人…敬語…」


忍「気にしないで…こいつは昔から生意気だし慣れた」


忍は持ってきた書類を隼人に渡した。襲撃に来た男から聴取した報告書だった。


隼人「わざわざ手渡しで…ご苦労なこった。」


忍「襲撃者の聴取を終えたからな…そこに興味深い話が出てきた。」


隼人が書類を一見すると理解したように顎に手を当てた。


隼人「なるほどね…確かに妙だ…」


劉星「妙と言えば…屋敷全体に結界が貼られていたはず…何故あんな簡単に侵入を?」


隼人「その結界を解いた何者かがいるって事…あの結界は協会の中でも強力な結界だ。てことはその結界を破るほどの実力者か協会内部に裏切り者がいるか…あるいはどっちもだな。」


忍「そうなると教会への不信感は更に高まり組織を凍結されるかもしれない。そうならないように少女の護衛…しくじるなよ?」


そう吐き捨てるようにいうと忍は一瞬で姿を消した。隼人は報告書を持ちながら劉星と共に校舎に戻った。報告書を星野に渡すと悩ませたように手を当てた。


星野「なるほど…つまり相手は相当手強いという訳か。協会の結界を破れるほどの実力者の場合…隊長案件かもしれないな。だがそれほどの呪物なのだろうか…」


劉星「私はそうは思えません…代償ある呪物など害があるだけです。」


星野「結界を破れるのならこの学校の結界も簡単に破れるか…総力戦になるとかなりの応援が必要だぞ?」


劉星「私に提案があります。」


校舎内にある空き教室にて(昼)


隼人「まだガキンチョ起きないのか?」


双葉「誰かさんが支えないせいで頭を強く打ってるわよ…」


隼人「いやぁ…ありゃ不味かったな。まさか敵が土人形で吊るした所までは良かったが少女を落とすなんてな。」


双葉「笑い事じゃない!!」


双葉がそう言うと教室に敷いていた布団に眠っていた少女がふと目を覚ました。周囲を見渡すと驚いたように飛び起きた。


少女「ここ…何処!?」



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