狂気
世界の特徴として挙げた狂気について。
このループ世界に陥ると人は精神的に壊れ、狂気に陥りやすくなります。
ループの中で精神が疲弊していくことと、愚鈍にただループを繰り返す一般の人の事を軽視しがちになり、倫理観が崩壊し精神的にに壊れていきます。
狂い方は自分の欲望に忠実になっていくという傾向にあります。
そして人やモノに執着するようになります。
社会から外れてしまうことで享楽的になったり、破壊行動に走るようになったり、享楽的に行動し、終わりのない暇を潰そうとします。
人の本性が浮き彫りになりがちで、それぞれの性格にあった方向で狂っていきます。
物語のメンバーで狂い方は幾つかパターンがあります。
⚫︎元々倫理観が低かったり攻撃的な性格の人。理性のタガがすぐ外れすぐに凶行に走ります
鈴木天史
劣等感が強く普段から自分の環境や社会に不満を抱えていました。
思い込みが激しく利己的な性格で口数は少なく静かな人ですがSNS等では政治批判や社会批判な言動を見せていました。
ループ現象によりあらゆるタガが外れ暴走してしまいました。
貢門命架
自尊心が高く、それを満足させる為に行動することに躊躇いが一切ない人。視野も狭く、自己中心的で自分が求めることが全てで突っ走る人です。
シリーズの中で一番ヤバい性格で、社会では大人しく生活していた鈴木天史とは違い、ループに入る前がら異常行動をしていました。
なぜか異様に自己評価が高く、実際の自分や周囲からの見え方に激しい格差があると言うのも恐ろしいところです。
⚫︎ストレスなど外敵要因から狂っていく人
日廻永遠
ファーストクラスだからといっても不自由で絵閉塞感がある空間に閉じ込められているのでストレスは溜めやすいです。日廻永遠だけでなく他のメンバーもストレスから狂っていっています。
日廻永遠は大きなプロジェクトを度も成功させてきただけあり、元々はリーダシップのある知的で穏やかな人格者です。
機内で狂っていく人に振り回されて、機内をできる限り平穏に保つために動いていくうちに、ゆっくりの狂気に蝕まれていきます。
機内を自分の完全支配下に置き、更に自分だけの特別な存在として佐藤空に執着してってしまいます。そのため自分より佐藤宙と親しく関係を持とうとするジョニーを精神的に毀し排除しました。
今回は狂うと危険なウォーレンをもコントロールして完全に機内を我がモノにするかもしれません。
佐藤宙
責任感と正義感が強い性格。
そのため鈴木天史に対しても最初は対話と説得で対処しようとしいましたが、どんどんエスカレートしていく行動にストレスを溜めていきます。
しかし中間管理職で鍛えられているためか、それでも正気を保ち頑張っていたのですが、鈴木天史の矛先が高橋恭子や自分へと向かってくるようになり殺して止めるしかないという事になり、毎日人を殺し続けるという状況に病んでいきました。
リセットして、ストレスの元となるルーパー仲間をスルーする道を選ぶ事で気持ちが楽な方に逃げるというようになり不都合な事に目を背け、自分で自分を誤魔化し根拠のない希望を胸に享楽的に生きるようになっています。
中間管理職でストレスにはある程度強いゆえにリセット後の生活では精神崩壊する事態にはならずに仲間と楽しい生活を過ごしています。
高橋今日子
元々は優しくて頑張り屋さんの女の子。健気で献身的な性格。
物語においては勝手に一人で狂ったいったように見えていますが、実はリセット前の異常な生活の中でストレスを溜め込み狂った事で、記憶の中に残った狂った時の感情の残滓が起因で再発している状況です。
ループが続く異常な状況と、異常行動を繰り返し高橋に対して不穏な感情を示す鈴木天史によって精神的に追い詰められてレイプもされ悲惨な環境に晒され続けてしまいました。
凶行を止めるために佐藤宙が鈴木天史を毎朝殺し続けるることで苦しんでいるのを見てられなくなり、自らも殺人を助けるようになりら、倫理観が低くなり攻撃性のある狂い方をしました。
佐藤宙への健気な愛と、献身性が裏目に出た形です。
土岐野廻
真面目で利他主義なところがあり,自分は我慢して人のために行動してきました。
人に尽くすことで喜んでもらえることを何よりも幸せと感じるところがあります、飲食店チェーンの会社に入社したのもその為です。
最初は死者と怪我人ゼロにして人救うという形で心のモチベーションを保っていました。しかしそれが無に帰す状況に病み、自堕落な生活をし自滅していき一度リセットしてしまいました。
リセットの後、再び病みそうになった所に佐藤宙との接触に成功し愛を向け尽くす相手が出来たことで精神を安定させることが出来ました。
自分の実の兄とは違い、自分が向けた想いにしっかり愛情のある気持ちを返してくれる宙という存在に過剰に依存するという面はありますが、穏やかで優しさのある狂い方なので、宙とも平和な関係を築けています。
佐竹 愛花
元々は無邪気で前向きな女の子です。
でも一人でのループ生活で倫理観など色々毀れてしまいました。実は十一残刻に会う前から精神的におかしくなっていて、現実から目を背け妄想の世界に逃避して日々を過ごしていました。
ある意味能天気で陽気な形で狂っていました。
土岐野廻と逆なパターン。接触してきたルーパーが十一残刻だったことが大きく彼女の世界を壊してしまいました。狂気がより異常で残酷な方向へ走ってしまいました。
拷問に近い暴力を伴うショックを与えられたことで、十一残刻に従順な存在に成り下がり、佐藤周子こそが自分の世界を愛で満たしてくれる存在として執着してしまいます。
十一残刻、不死原渉夢 、佐藤周子の三人は逆にストレスなくループ世界に順応してしまった為に狂う事なく生活を楽しんでいます。
この三人は実はループから抜け出したいと積極的には思っておらず、むしろループ世界の中に、楽しく求めるモノがあるから不満もないという状況です。
十一残刻は狂っているのではないのか? とも思われそうですが彼は元々ああいう性格で至って冷静に世界を見つつ行動して過ごしていました。
現実世界では決して結ばれることのない愛する存在を独り占めできるし、本当はぶち殺したかった人たちをループ世界では気ままに痛めつけることが出来る楽しい世界なんですよね。ループ世界で気ままに楽しく生きている人です。
佐藤周子さんも、向けた想いをちゃんと返してくれ、思う存分尽くし愛せる相手との生活を楽しんでいます。
不死原渉夢も美人でモデルとしてもいいし性格も健気で可愛いくて知的な会話も楽しめ、良い塩梅に甘え甘やかすことの出来る理想的な恋人と、里のしがらみと程よい郷里館で過ごせる最適な世界を満喫しています。
そういう意味でもバットエンドはもう来ないの物語だけは登場人物にとっては最高なハッピーエンドな物語だったのかもしれません。