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薬屋【アネモネ】  作者: 末畠ふゆ
第一部
23/37

新たな友




 無事、目的物の採取を終えてギルドに戻ってきたザクロとドラバイト。一度ギルド内に掲示されているクエストに目を通しておく。もしも、採取してきた物の中に依頼物が含まれていれば一石二鳥だからだ。見ていくと「鳥獣の肉」というものがあった。これは、食用であればどの鳥獣でも構わない、ということだ。

 ザクロはマジックバッグから保存魔法のかけられたウィンドホークの肉を取り出すと、ドラバイトに差し出す。


「なんだ?」

「このクエスト、鳥獣の肉ですよね? わたしが欲しいのは羽根の方ですし、今回目的にしていたもの以外は分配するって取り決めでしたから」

「だが、それならあなたがこのクエストを受注しても同じだろう。わざわざ俺に譲らなくてもいい」


 ドラバイトは肉を受け取ることには了承を示すが、クエストを受けることに対してはなかなか首を縦に振らない。自分は護衛の任で同行したに過ぎない、それ以外の報酬は契約には入っていないと言って断ろうとする。真面目なんだが、そこはラッキーと思って受け取れば良いのに。

 ザクロは少し呆れつつも、受け取って欲しいものは欲しい!とばかりに説得する。


「今回、もっと時間が掛かると踏んでいたんです。だから、まさか2日で帰って来れるなんて思っても見ませんでした。ポーション作成は急な依頼なもので、準備がカツカツだったんです。おかげで少し心にも余裕が持てました。わたしの勝手なお礼です」


 ザクロの話を聞き、うーんと唸りながらも渋々受け取ってもらうことができた。一言「感謝する」との言葉を添えて。




 2人でクエスト報告を行い、別れの時間となった。


「ブリックさん、ありがとうございました。おかげでスムーズな採取が出来ました」

「いや、こちらこそ雇ってもらい感謝する。今後ももし護衛が必要なら声を掛けてくれ」

「え!本当ですか?! 助かります!!」


 ザクロにとってはありがたい言葉だ。護衛は都度都度変わるものと考えていたため、固定できれば頼むのも楽である。


「あぁ、こちらとしても割の良い仕事だからな。それと……雇われ側の俺が言うのもなんだが、敬語はやめてくれないか? なんというかむず痒いものがある」


 距離が近い人とはいつも通り話すのだが、接客中などはよそ行きモードに入ってしまう。ドラバイトにも癖でよそ行きモードで接していた。クエスト中にそんな話にはならなかったので、全く気にしていなかった。

 まさかドラバイトからそのような言葉が出るとは思わなかったので、思わず黙ってしまったが、すぐに笑顔で答える。


「それじゃ、お言葉に甘えて……これからもよろしく、ドラバイトさん」

「さん付けもいらない、俺もお前を呼び捨てにする。よろしく、ザクロ」


 なんだか新しい交友関係を築くことができた。ギルドからの無理難題も、全てが悪く働いているわけではないと思わせてくれる。








「あのさ、ドラバイトはいくつなの? おれは23なんだよ」


「21だ」


「え?」




 若くても20代後半かと思っていたら、自分よりも若かった。彼の性格や冒険者としての経験がそう見せるのか。人間って不思議だ。




年齢決めてなかったです。思いつきで入れました。

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