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★アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、
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愛陰弄22歳♂♀
見た目は少年のように幼さの残る男性
息をするように毒を吐く上から目線
子供っぽい部分がある
小さい頃から体が弱く車椅子生活をしている。
光野陽太23歳♂
陰弄の助手兼雑用係
あることをきっかけに助手になることになった
明るく世話好きだが陰弄に頭が上がらない
宝生來夢25歳♀
捜査1課の新人刑事
真面目な性格
田尻憂歌22歳♀
陰弄の高校時代の同級生
明るく誰とでも接することのできる性格
田尻郁弥30歳♂
憂歌の夫
少し堅い部分もあるがやさしい性格
田尻弘樹15歳♂
郁弥の従兄弟にあたる少年
少しおとなしめな性格
タロウ♂年齢不詳
謎のホームレス
自称日本一の情報屋
ゆったりと喋る
郁弥被り
鑑識
郁弥被り
M心の声
陰弄:
陽太:
來夢:
憂歌:
郁弥、鑑識、タロウ:
弘樹:
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
陽太M「今日俺達は…珍しく探偵事務所にはいない。
なぜかと言うと…愛陰弄の高校時代の同級生、田尻憂歌の家でやる主催ホームパーティーに呼ばれたのである。
カゲにそんな友達がいるなんて以外だ…」
憂歌「いらっしゃいキング!」
陰弄「その呼び方はやめろ!
お前しか呼んでなかったじゃないか!」
陽太「キ…キング?」
憂歌「えっと…君は?」
陽太「失礼しました!
カゲの同僚の光野陽太です!
一人だと危ないって思って一緒に来させてもらいました!
大丈夫でしたかね?」
憂歌「そうゆうことか!うん!大丈夫だよ!
いい友達持ったね愛!」
陰弄「大きなお世話だと言ったんだがな…」
憂歌「まぁまぁ!照れなさんなって!」
陰弄「ちっ…照れてなどいない…」
陽太「それで?キングっていうのは…」
憂歌「あぁ!そうそう!
ほら!誰に対してもなんかえらそうだし命令口調じゃない?
だからキング!」
陽太「あっ…納得だな…」
憂歌「じゃあ玄関で話すのもあれだし、
どうぞ!」
陽太「お邪魔します!」
陰弄「あぁ…邪魔するよ…」
陽太M「俺達はそのまま…田尻家に入っていった。。
ちなみに…俺達の探偵事務所の一つのルールとして…
仕事以外では探偵と言うのは言わないこととある。
理由は…探偵とは一般人からしたら得体のしれないものだから…不快感を覚える人間もいるからだというカゲの持論である。
こいつの性格はどんなに一緒にいてもよくわからない…」
憂歌「郁弥〜!
私の友達来たよ!」
郁弥「ん?あぁ…いらっしゃい…
はじめまして!私は田尻郁弥…
以後お見知りおきを…」
陽太「はじめまして!」
陰弄「どうも…」
憂歌「ちょっとまってて!
ヒロくーん!ちょっと降りてきて!」
陰弄「ヒロくん?」
憂歌「そう!その子も紹介するから!」
弘樹「なに?」
憂歌「今日一緒にホームパーティーに遊びに来てくれた
愛陰弄さんとその友達の光野陽太さん!」
陽太「よろしくな!弘樹くん!」
陰弄「友達じゃない…
ただの同僚だ。
よろしく頼む…」
弘樹「よろしくおねがいします。」
陰弄「ところで憂歌…」
憂歌「ん?なに?」
陰弄「お前にこんなでかい子がいたとは…
もしかして年齢詐称でもしてるのか?」
憂歌「ひどっ!そんなわけ無いじゃん!
ヒロくんは訳あって5年前からうちに住んでるの!」
陽太「5年も!?
親御さんは平気なんですか?」
憂歌「えっと…それは…」
弘樹「いいんだ憂歌さん…
僕から話すよ。
お母さんとお父さんは5年前…
事故でなくなりました。」
陽太「…えっと…その…ごめん弘樹くん…」
弘樹「ええ…大丈夫ですよ。
気を使わせてしまってすみません。
憂歌さんごめんなさい。
少し部屋に戻ってますね。」
憂歌「わかった!あとで持ってくね!」
弘樹「ありがとう憂歌さん。」
陰弄「ったく…少しは考えて発言したらどうだ光野!」
陽太「こればかりは何も言えないわ…面目ない…
田尻さんも、すいません!」
憂歌「いやいやいや!いいよいいよ!
だって知らなかったんだし!仕方ないよ!」
陽太「ありがとうございます!」
憂歌「あと…一応旦那も田尻だし…わかりづらいから憂歌でいいよ!」
陽太「そういえばそうですね
わかりました…憂歌さんって呼ばせていただきますね。」
憂歌「おっけー!それでいいよ!」
陽太M「そして俺達は…ホームパーティーに参加させてもらい…食事を振る舞ってもらった。
お酒も出してもらい…食後の団欒を楽しんでいた。」
陰弄「うまかったぞ憂歌…」
憂歌「ならよかった!」
郁弥「妻は料理上手で私も助かってますよ。
仕事で疲れて帰ってきても…おいしい料理で癒やしてくれるからね…」
憂歌「何言ってんの!滅多にそんなこと言わないくせに!」」
郁弥「そうだな…少し飲みすぎたかもしれないな…」
陽太「俺も…少し飲みすぎたかもしれないわ…」
陰弄「…だらしないな…
んぐ…ふぅ…これくらい普通に飲めなくてどうする?」
陽太「何飲んでるんだ?茶色いから麦茶?」
陰弄「そんなわけないだろ…
これはウイスキーだ…
紀元前2000年頃にできたと言われてる立派なお酒だ…」
陽太「いや…それはいいんだけどさ…
お前それ何杯目?」
陰弄「詳しく覚えてないが…15杯ぐらいじゃないか?」
陽太「お前飲みすぎだろ…強くね?」
陰弄「お前が弱すぎるだけだ…」
陽太「それに、そんな飲み過ぎたらさすがに迷惑じゃないか?」
陰弄「飲めと言われたから飲んでるだけだ!
最初は僕だって一応拒否はしたぞ!」
陽太「一応って…」
憂歌「いいんだよ!ご飯食べながら美味しく飲んでもらえるなら!」
陽太「郁弥さんもすいません…」
郁弥「ん?いやいや…私も別に気にはしてないよ!
憂歌の食事はお酒に合うからね!
お酒が進むのもわかる…」
陰弄「郁弥…と言ったな?
わかってるじゃないか!
憂歌の食事は僕の好みに近いんだ!」
陽太「一応年上だぞカゲ!」
陰弄「歳など関係ない!
あるのは気が合うかどうかだ!」
郁弥「気にしないでくれ!
お酒の席は無礼講だ!」
陽太「ありがとうございます…
俺も助かります。
ただ…申し訳ないけど少し風に当たってきます。」
憂歌「気をつけてね!」
陽太「ありがとうございます!」
間
陰弄「行ったか…
全く…酒に弱いわ役に立たないわで困りものだな…」
郁弥「なかなか厳しいんだね愛くんは!」
陰弄「僕にとっては普通なことなんだがな…」
憂歌「そういえば愛って今なんの仕事してるの?」
陰弄「仕事?ただの便利屋だ…」
郁弥「便利屋か…
人の役に立ついい仕事だね…」
陰弄「ふっ…そんないいものじゃない…」
憂歌「愛が便利屋ねぇ…」
陰弄「なにか変か?」
憂歌「変じゃないけど…なんか意外だったからさ!
でもいいじゃん!便利屋!」
陰弄「そう思うのは自由だ……」
郁弥「なんで便利屋なんだい?」
陰弄「自由だからだ…
そしてあいつは…僕の代わりに体でこき使ってるだけだ…」
憂歌「ふ〜ん…
可哀想な光野くん!」
陰弄「あいつはいいんだ…」
憂歌「そうだ!ちょっと光野くんに水持っていくね!」
陰弄「あぁ…すまないな…」
憂歌「いいっていいって!」
間
陽太「はぁ…風が気持ちいい…」
憂歌「光野くん!」
陽太「あれ?どうしたんですか?」
憂歌「これ!お水!」
陽太「あっ…どうも…」
憂歌「どう?気分は?」
陽太「んぐ…んぐ…ぷはぁ!うまっ!
まぁ…だいぶ楽っすね!」
憂歌「よかった!じゃあ私行くね!」
陽太「あの…」
憂歌「ん?」
陽太「少し弘樹くんと喋りたくて…2階の部屋行ってもいいですか?」
憂歌「うん…いいよ!上がって、すぐ左だから!
名前書いてあるしわかるよ!」
陽太「ありがとうございます!」
間
陰弄「ふぅ…」
郁弥「あっ…わかりました!はい…よろしくおねがいします…失礼します。」
陰弄M「二人きりにされても困るんだが…
まぁ…電話中だからいいか…」
郁弥「すまないね。」
陰弄「いや、大丈夫だ。」
郁弥「それにしても…随分憂歌と仲がいいんだね!」
陰弄「ん?妬いたか?」
郁弥「まぁ…少しだけね。」
陰弄「ふっ…安心しろ!
あいつは高校のときからあんなだし…
一人で本を読んでいた僕に絡んできた変わり者だ!
それに…あんな女はタイプじゃない!」
郁弥「はははっ…一応私は旦那なんだけどな…
まぁ…そうゆう心配がないならいいかな!」
陰弄「当たり前だ!お前の女を僕が寝取るわけないだろ!
そんな元気な体ならもっと有意義に使うさ!」
郁弥「確かに…
君はそんなことするタイプではないね!」
憂歌「なんの話?」
郁弥「戻ってきたんだね。おかえり。」
憂歌「ただいま!
それで?なんの話?」
陰弄「なぁに!
憂歌が僕に取られないか心配なんだとさ!」
憂歌「嘘!心配してくれたの!嬉しい!」
郁弥「ちょっ…ちょっと愛くん!」
陰弄「照れることないじゃないか!くくっ…」
憂歌「そうだそうだぁ」
郁弥「ま…まいったなぁ…おっと…」
憂歌「少し飲み過ぎた?」
郁弥「そうみたいだね。
少し休んでくるよ。
一人で大丈夫だから愛くんの相手になってあげてくれ!」
陰弄「僕のことは気にするな!」
郁弥「お客様だからね!」
陰弄「そうか。悪いな!」
憂歌「わかった!じゃあゆっくり休んでね。」
陽太M「そんな他愛もない会話をしている頃…
俺は2階の弘樹くんの部屋の前にいた。」
SEノック音
弘樹「はい…」
陽太「俺だけど…さっき会った光野陽太だけど…」
弘樹「なんですか?」
陽太「少し話をしたいんだ。
はいっていいかな?」
弘樹「どうぞ…」
陽太「お邪魔するね。」
弘樹「どうしたんですか?」
陽太「やっぱ謝りたくてね。すまなかった。」
弘樹「別に気にしてませんよ。」
陽太「俺が気になっちゃって…
実はね…俺もガキの頃親が死んでるんだよ。
だから何となく、気になっちゃって…」
弘樹「そうだったんですか。」
陽太「弘樹くんの部屋には色々揃ってるんだな!
電子レンジに冷蔵庫…ゲーム一式…」
弘樹「憂歌さんがよくしてくれるんで…」
陽太「そっか!へー…すげえな」
弘樹「人の部屋をジロジロみないでもらえます?」
陽太「あっ…悪い悪い!」
弘樹「あの…まだなにか?」
陽太「いや、まぁ…なんかあったら相談してよ!
頼りないけど話ぐらい聞くから!」
弘樹「ありがとうございます。」
陽太「んじゃ!俺行くわ!」
弘樹「はい…」
陽太M「俺は話を済ませ…カゲたちがいる部屋へと戻った。」
陰弄「気分はどうだい?酔っ払いくん?」
陽太「嫌味はやめてくれよカゲ…
まぁよくなったよ!」
陰弄「ふっ…僕についてこれるぐらい強くなることだな…」
憂歌「気分良くなったなら良かったね!」
陽太「ご迷惑おかけしました。」
憂歌「いいっていいって!
そうだ!私洗濯だけしちゃっていい?」
陽太「いいっすよ!
俺らは適当にやってるんで!」
陰弄「自由に飲ませてもらう…」
陽太「そして俺は残ってる食事を食べさせてもらいながら…
陰弄は酒を飲みながら洗濯の音をBGMに各々(おのおの)の時間を過ごしていた。
そして1時間ほどたった頃…」
憂歌「キャーーー!!!」
陽太「なんだ!?」
陰弄「行くぞ光野!
奥の部屋からだ!」
陽太「わかった!」
陽太M「俺達は…奥にある部屋に急いで向かった。
そこには、腰を抜かして座り込んでる憂歌さんと…
ベットに血を流し、横たわる田尻郁弥さんの姿があった。」
憂歌「ふ…郁弥!」
陰弄「近付くな!」
憂歌「えっ…愛?」
陰弄「光野は警察に連絡しろ!」
陽太「わかった!」
弘樹「なにがあったの…
えっ…郁弥さん…」
憂歌「なんで…」
陰弄「なんだ憂歌…とにかくリビングに戻れ…」
憂歌「なんでそんなに冷静なの!?
なんで驚かないの!?」
陰弄「僕は便利屋…いや…ヒマワリを探す者…
探偵…愛陰弄だ…」
憂歌「探……偵……?」
陽太M「俺は指示を受け…真っ先に警察へと連絡した。
それから10分後…警察が到着。
検証を開始した。田尻憂歌と田尻弘樹はリビングでまっていた。
そこに、宝生來夢さんの姿もあった。」
來夢「失礼します!
私は捜査1課の宝生來夢と申します!」
陰弄「知ってるよ…」
來夢「な…なんであなたが!?」
陰弄「まだ警察やめてなかったんだな…」
來夢「やめてませんよ!
そんなことよりなんでここにいるんですか?」
陰弄「言う必要あるか?」
來夢「あるに決まってるでしょ!捜査の一環としてあなた達の事情聴取もしなきゃいけないんですから!」
陽太「まぁまぁ!
俺達はここに呼ばれてお邪魔してたお客なんだよ!」
來夢「なら最初からそうやって言ってくれればいいのに…」
陰弄「ふっ…」
來夢「相変わらずですね陰弄さん…」
陰弄「お前も相変わらずだな新米…」
陽太「とにかくだ!
俺達も捜査に入ろうぜ!」
陰弄「そうだな…」
來夢「それを許可するとでも?」
陰弄「しないのか?」
來夢「あなた達も、容疑者なんですよ!」
陰弄「ふっ…僕達が容疑者か…」
陽太「あれ…ところで誠二さんは?」
來夢「あぁ…誠二さんは体調を崩して寝込まれてます。
今頃家で寝ていると思われます。」
陽太「珍しいなぁ…誠二さんが体調崩すなんて…」
陰弄「だらしないやつだな…
体調なんて崩しやがって…」
來夢「とにかく…大人しくしといてください!」
陽太「行っちゃったよ…」
陰弄「はぁ…憂歌!」
憂歌「どうしたの…愛…」
陽太M「疲れきってる…
そりゃ無理もないか…
旦那が死んじまったんだからな…」
陰弄「僕達に依頼しろ!
必ずお前の夫…田尻郁弥を殺した犯人を見つけ出してやる!」
憂歌「私が?」
陰弄「そうだ…
ただ…依頼料はいただくが…
価格は一般人向けに特別価格でやってやる…」
憂歌「あなたが…犯人を…」
陰弄「信用しろ!
僕は依頼料の分は必ず働いてやる!」
憂歌「なんで私が…」
陰弄「今日はいつも僕に依頼する刑事がいないんだ。
自由に捜査するなんて…依頼がなきゃできない…
今…お前の依頼だけが僕を動かす鍵だ!」
憂歌「郁弥の敵が取れるなら…
おねがい!犯人を探して!」
弘樹「僕からもお願いします。
僕にも出させてください憂歌さん
おねがいします探偵さん!」
憂歌「ヒロくん…」
陰弄「わかった…」
陽太「いいんだね憂歌さん…」
憂歌「もちろん!」」
陽太「了解!」
陰弄「ちっ…いちいち聞き返すな!
行くぞ!」
陽太M「そして、俺達は…田尻憂歌さんと田尻弘樹くんをリビングに待たせ、宝生さんが捜査している部屋へと向かった。」
陰弄「邪魔するぞ!」
來夢「あなた達!さっき大人しくしといてと言ったはずですよ!」
陰弄「お前の指示を聞く必要はどこにもない…それに…」
來夢「それに…なんですか?」
陰弄「僕達は今依頼を受けた。
ここからは僕達も参加させてもらう。」
來夢「全く…勝手なことを…
他の方もこの人たちの捜査に協力を…」
陽太「ありがとうございます!」
陰弄「まだ心配なら確実にするために誠二の許可でも得たらどうだ!」
來夢「はぁ…わかりました。
もしもし…宝生です。
陰弄さんたちが被害者の妻から依頼を受けたようで捜査に交えて良いものか…
えっ…はい…はい…わかりました…
はい…体調崩してるのに申し訳ありません。
失礼します。」
陽太「どうでした?」
來夢「許可は出ました。」
陰弄「じゃあさっそく状況を説明してくれ。」
來夢「……はぁ…わかりました。」
陽太「そんなあからさまに嫌な顔しなくても…」
來夢「そんなの嫌な顔にもなりますよ…」
陰弄「そんなことはどうでもいい!
状況を説明しろ!」
來夢「わかりました。
死体の状況からして…死亡推定時刻は午後13時から午後15時の間。凶器は残されていた包丁。
ベットに仰向けの状態で背中に包丁が刺さっていました。
鑑識によると、即死だったこと。
指紋は綺麗に拭かれたあとだったとのことでした。」
陰弄「仰向けで背中に包丁…」
陽太「なかなか変な状態で死んでたんだな…」
陰弄「普通は背中を刺されたらうつ伏せで倒れるものだ。
仮に背中から刺したとして…仰向けになるように倒す理由がわからない…
それとも…抱きしめてわざわざ背中から刺す?
それこそ意味がわからない…
恐らく田尻郁弥は寝ていた。
うつ伏せに寝ていたとして背中から刺して…
仰向けに治す理由は?
もしくは仰向けの状態で腹部や心臓を刺さない理由がわからない…
何がしたかったんだ…」
來夢「なにを一人でぶつぶつ言ってるんですか?」
陽太「今は…やめたほうがいいよ?
会話にならない…」
來夢「会話に…ならない?」
陽太「そう…あいつはこうなったら話しかけてくるまで待つしかない…」
來夢「じゃあ私はアリバイ確認に向かいます。」
陽太「俺も付き合いますよ!」
來夢「勝手にどうぞ…」
陽太「そうさせてもらいます!」
來夢「邪魔はしないでくださいね!」
陽太「ははっ…わかってますって!」
來夢「はぁ…自由な人ばっかり…」
陽太M「そして俺達は…リビングで待つ憂歌さんと弘樹くんの元へ向かった。」
來夢「おまたせしました!」
憂歌「わかったんですか?主人を殺した犯人は?」
來夢「すみません!それはまだわかってません!」
憂歌「そう…ですか…」
來夢「捜査は今進めていますので…もうしばらくお待ちください!」
弘樹「一体誰が郁弥さんを…」
來夢「お二人には死亡推定時刻のアリバイをお聞かせいただきたく…」
弘樹「僕達のアリバイ?」
憂歌「なんでですか?…もしかして私達を疑ってるんですか!?」
來夢「そんなつもりはありません!
これは捜査の一環としてなので…皆さんに聞いていることです!」
憂歌「あっ…いや…すいません。」
來夢「仕方ないですよ。
私もこれが仕事ですので…
そこは理解していただけると…」
憂歌「わかってます…」
來夢「では…改めまして13時から15時の間…何をされてましたか?」
憂歌「お昼の12時頃に陰弄くんの陽太さんが家に来て…そのあとは少し飲んで…陽太さんが少し酔ったようで…
外に出てました。
それで夫の郁弥は酔ったようで…14時過ぎに自室へ戻り休んでいました。
それ以降は洗濯しなくちゃいけないので洗濯機の前にいました。」
來夢「なるほど…そうなると…リビングを出て以降…
一人だったということですね。」
憂歌「そうなりますね。」
來夢「残念ながら…それ以降は…アリバイがないと…」
憂歌「はい。そうなります。」
來夢「残念ながら…アリバイがない時間があるんですね。」
憂歌「まだ…疑われるんですね…」
來夢「申し訳ありません。」
憂歌「いえ…仕方ないです。
でも洗濯機がある部屋を通らずにあの部屋に行くことは不可能です!」
來夢「そうなのですか!?」
憂歌「はい…」
來夢「じゃあ事故?
でも死に方が明らかに不自然…」
陽太「犯人はどうやって…」
來夢「では、次に田尻弘樹さん…
お話を伺ってもいいですか?」
弘樹「は…はい…僕も疑われるんですか?」
來夢「形だけです。
ご協力ください。」
弘樹「わ…わかりました…」
來夢「あなたは、13時から15時の間…なにをされてましたか?」
弘樹「僕は…食事は取らず、リビングにも行かず…
部屋に引き篭もっていました。
時間は詳しく覚えてませんが…多分14時すぎ頃に…
陽太さんって人が僕の部屋に来て…少し話して…
陽太さんは部屋を出て…そのあとも僕は一人でした。」
來夢「なるほど…弘樹さんも一人の時間があったんですか…」
弘樹「すいません…」
來夢「いえ!ありがとうございます!
参考にさせていただきます。」
陽太「なるほど…どうすっかなぁ…」
來夢「あなたは何もしないでください!
邪魔にさせならなければいいので!」
陽太「ヒイラギ探偵事務所も嫌われたもんだねぇ…」
來夢「とにかく!私は現場に戻ります!」
陽太「そうですね!じゃあ俺も行きます!」
來夢「勝手にしてください!」
陽太M「俺達は現場で考え込んでいるカゲのもとへと戻った。」
來夢「失礼します。」
陽太「ようカゲ!どうだ?」
陰弄「一体なぜ犯人はそんなことをして?
それともそうなりざるおえなかった?
どっちなんだ…頭がスッキリしない…」
陽太「まだやってたか…
それにしても暑いなこの部屋…」
來夢「ですね…さっきまで暖房が付けっぱなしでしたから。」
陽太「まだ切ったばかりで暑いのか…」
來夢「そうみたいですね。」
陽太「血はまだ乾ききってないか…」
來夢「勝手に触らないでください!」
陽太「おっと!悪い悪い!」
來夢「全く…」
陽太「ん?」
來夢「どうしました?」
陽太「いや…なんか血とは違う湿りがあったような…」
來夢「血とは違う湿り?
鑑識さん!なにかわかりますか?」
鑑識「恐らく水だと思います!
鑑識の結果からも水の成分がでているので、
なにか零したのだと思われます!」
來夢「ありがとうございます!
…だそうですよ、、」
陽太「なんだ…ただの水か…
そりゃ零すこともあるか…」
陰弄「おい光野!」
陽太「お目覚めか?」
陰弄「あぁ…とりあえずアリバイやこの家の中のことをわかる限り僕に教えろ!」
陽太「はいはい…」
陽太M「そのあと俺は…この家でのこと…
田尻憂歌さんと田尻弘樹くんのアリバイを知る限り教えた。」
陰弄「なるほどな…」
陽太「完全犯罪って奴だな…
侵入経路も謎…犯人も謎…」
陰弄「何言ってるんだ?フフフっ…
完全犯罪なんて存在するわけない…
僕が完全に追い込んでやるよ…」
陽太「とは言ってもなぁ…」
陰弄「光野!」
陽太「ん?どうした?」
陰弄「窓を開けてくれないか?」
陽太「OK!了解!」
來夢「また勝手なことを…」
陽太「暑いだけですよ!」
來夢「まぁ…それぐらいならいいですけど…」
陽太「ありがとうございます!
どうだ?涼しくなったかカゲ!」
陰弄「あぁ…涼しくなってきた…
頭もスッキリしたよ
それじゃあ行こうか…闇に咲くヒマワリを探しに…」
陽太M「俺達はそのままリビングへと向かった。
そこには、田尻憂歌と田尻弘樹の姿があった。」
憂歌「なにかわかったんですか?」
來夢「いえ…残念ながら…」
陰弄「わかったよ。全部わかった…」
來夢「わかったんですか!?」
陰弄「もちろんだ!」
來夢「なら私にも話をしてくれてもいいのではないですか?」
陰弄「必要がない…」
來夢「あなたって人は…」
陽太「まぁまぁ!話を聞きましょう!」
來夢「はぁ…わかりました。」
陰弄「では話をしよう!
まずは憂歌…」
憂歌「はい…」
陰弄「君は夫の田尻郁弥が死亡した時間…
洗濯機を回していた。
間違いないな?」
憂歌「はい…
愛も…私を疑ってるの?」
陰弄「当然だ!
僕は聖者でもなければ神様でもない!
探偵なんだ!同級生だって関係ない!
全てを疑うのは至極当然のことだ!」
憂歌「そうだよね!
ごめん…」
陰弄「気にするな…
話の続きだ!
誰かが通った気配…もしくは誰かを見た…なんてことはなかったのか?」
憂歌「うん!ないよ!」
陰弄「本当だな?」
憂歌「本当だよ!疑い深いね」
陰弄「まぁ…探偵とはそうゆう仕事だからな…」
憂歌「そっか!
大丈夫!嘘はつかないよ!」
陰弄「わかった。
次だ!あいつに癖はあったか?」
憂歌「癖?」
陰弄「そうだ!」
憂歌「癖かぁ…
そういえば酔ってるといつも倒れるように仰向けで寝転がるんだよ。ど真ん中に!」
陰弄「ふっ…なるほどな…
これで全てが繋がった…
犯人は…田尻弘樹…お前だ!」
弘樹「ぼ…僕!?なんで僕が…」
陰弄「理由なんて知らないが…
全てがお前を犯人だと示してるんだよ。」
弘樹「僕が殺すわけない…
それに…こんなこと言いたくないけど…
憂歌さんの方が死んでた場所にも近いし…
僕は2階にいた!
殺せるわけないじゃないですか!」
憂歌「ヒロくん…」
來夢「なぜ彼が犯人だと?」
陰弄「いいから黙って聞いておけ…」
來夢「わかりました…」
陰弄「僕がまず気になったのは死に方だ…
仰向けで背中に包丁が刺さっている状態…
明らかにおかしい…
憂歌が犯人なら寝てるときにそのまま襲えばいい…
返り血を気にするならなにか上に羽織れば済む!
それに洗濯中なんだ!
そのまま洗ってしまえば証拠隠滅もできる!
なのにそんなめんどくさい殺し方をするのは考えにくい…」
弘樹「そんなの…衝動的に殺そうとしたなら別にそうなってもおかしくないじゃないか!」
陰弄「そうか…
確かにそう考えることもできるな…」
弘樹「なら僕が殺すなんて!」
陰弄「じゃあ…殺害方法の話をしよう…
あれは癖をわかってる家族にしかできない…
つまり田尻弘樹か憂歌…どちらかしかない。」
弘樹「だからってなんで僕が…」
陰弄「あれは…僕達がリビングで飲んでるとき…
誰かが包丁を上向きにして持つ部分を氷漬けで凍らせる…
それを布団のなかに隠しておく…」
陽太「氷漬けにしたって…そんなのわかるものだろ?」
陰弄「お前は相変わらずバカだな!
相手は酔ってるんだ。
それで気付かなくても大いに理解できる。
これも田尻弘樹が犯人だと示す理由だ。
田尻弘樹の部屋には冷蔵庫があったみたいだな…
そこで凍らして準備ができる…
調べればくっきり空いた空間があるかもしれないな…」
陽太「そりゃ…そうかもしれないけど…」
陰弄「そして…田尻郁弥が酔って部屋に来て…
いつものように寝転がったら背中から心臓にグサリ…
そして即死…無様な死に方を晒すことになったわけだ…」
來夢「はぁ…またそんな言い方を…」
憂歌「いいんです。昔から口が悪いのは慣れてます。」
陰弄「話を続けるぞ…
そして…部屋が異常に暑かった。
恐らく暖房でもつけて早く溶かしたんだろうな…
お前の部屋は真上だ。
耳をすませばちょっとしたドンって音は聞こえるだろう…
リビングまでかすかに聞こえる洗濯機のそばにいた憂歌と…離れたリビングにいた僕達には聞こえなかったかもしれないがな…
だから血に混じって…水の湿ったあとがあったんだろ…
それをできた人物は田尻弘樹…お前しかいないんだ!」
弘樹「そんなことできるわけ無いでしょ!
僕はずっと2階にいたんだ!」
陰弄「まさかそんな方法でやるとは思っていなかったが…不可能なことがらを消去していくと、あり得そうになくても、残ったものこそが真実である…ってどっかの名探偵もほざいてたな…
だが…まさにその通りだろう…
僕も最初は驚いたがな…」
弘樹「何を…言ってるんだ?」
陰弄「お前…元体操部だろ?しかも優勝経験もある…」
弘樹「えっ…?」
陰弄「見たんだろ光野?」
陽太「あぁ…見たよ…部屋にあるゴミ袋に…壊された優勝カップがあった。
かろうじて残ってた文字にそう書いてあった。」
弘樹「あの少しの間に…」
陽太「だから俺を早く部屋から追い出したかった…
違うか?」
弘樹「でも…だからってなんで僕が犯人だって言うんですか?
そんなこと関係ないじゃないですか!」
陰弄「それが関係あるんだよ…
現場の窓を開けたとき…窓枠の上部分にまだ新しい擦れた傷があった。
あそこに2階からロープを通して降りたんだろ?
それなら家族には知られない…
運良く誰にも見られなかったんだろう…
もしかしたらまだしてない聞き込みでもすれば見てた奴はいたかもしれないが…
そんなことできるのは元体操部で体が柔らかいお前だけだ…
ロープの登り降りは大変だったろうがな…
きっと調べたら…2階からも擦った真新しい傷が見つかるだろうな…」
弘樹「ははっ…もう無理か…」
憂歌「なんで…なんでヒロくんが郁弥を…
あんなに仲良かったのに…」
弘樹「仲が良かった?
そんなわけないよ…
あの人は僕の夢を鼻で笑って…
僕の自由を奪った偽善者だ!」
憂歌「夢を…奪った?」
弘樹「そうだよ。
体操部だって本当は入りたくなかった。
けど…子供の頃…郁弥さんは体が弱くて…
自分ができなかった分を僕に背負わせた。
だから…それを殺す方法の一つに加えてやった。」
憂歌「そんな…
知らなかった…」
弘樹「僕は将来小説家になりたかった!
小学生のときから書きためてたんだ!
夢を叶えるために…
あいつに全て破り捨てられたよ…」
憂歌「なら…言えばよかったじゃない!
夢があるからって…」
弘樹「言ったさ!
なのにあいつは…」
間
弘樹「僕には夢があるんだ。小説家って夢が…
だから…郁弥さんの夢を僕が叶えることはできないよ…」
郁弥「小説家だって?
笑わせるな!なんで私がお前を引き取ったと思ってる?
私の夢を代わりに叶えさせるためだ!」
弘樹「そんな…僕には僕の夢があるのに…」
郁弥「そんなの知るわけ無いだろ!
言うことを…聞け!」(殴る)
弘樹「がっ!?…やめて…郁弥さん…わかったから…殴らないで…」
郁弥「わかったならいいが…もう二度とそんなことは言わないようにするんだな…
もしも…憂歌にチクったら…わかってるな?
憂歌も同じ目に合うぞ?」
間
弘樹「あのとき…暴力も振るわれて…脅されて…
その時僕には…殺意が芽生えた…
自分でも怖いぐらいに落ち着いてたけど…
手が震えて嫌な気持ち悪さがあったよ…
きっとあれが殺意なんだろうね…」
憂歌「なら…私に話してくれればよかったのに…」
弘樹「できるわけないよ!
良くしてくれた憂歌さんまで…
あいつに殴られるかもしれない…
そんなのできるわけ無い!
僕が自由になるには…あいつを殺すしかなかった!」
憂歌「ヒロくん…そんなになるまで…
私を守ってくれてたなんて…」
陰弄「フフフッ…クッハハハハハ…」
弘樹「何を笑ってるんだよ…」
陰弄「笑いたくもなるさ…
くだらなすぎてな…」
弘樹「くだらない?
あなたも僕の夢がくだらないって言いたいんですか?」
陰弄「勘違いするな!
夢を持つことは否定しない…
だが…夢を否定されたから殺した?
もっと違う形だってあったはずだ…
そんなことで自由になれるわけがない…
そんなのは…自分に自信がなかった自分への言い訳でしかない…
一番夢を否定したのは…一番夢を侮辱したのは…
お前自身だろうが!」
弘樹「僕が…自分の夢を侮辱した?
はは…そっか…そうかもしれない…」
陰弄「お前に夢を見る勇気がなかったことを…
人のせいにするな!」
弘樹「くっそ…くっそ…」
來夢「16時48分…田尻弘樹を…殺人容疑で逮捕します。」
弘樹「はは…はははは…」
陰弄「何を笑ってる…」
弘樹「釈放されたら…
夢を追ってみるよ…
僕はまだ未成年…
少年法があるからね…」
陰弄「ふざけるなよ…」
弘樹「何?」
陰弄「ふざけるなと言ったんだ!
少年法だと?
お前が未成年だろうが関係ない!
今のネット社会で簡単に生きていけると思うな…
お前は一人の命を奪った殺人鬼だ!
刑務所だろうが少年院だろうがその罪は一生消えることはない!
外に出てもいつかバレると怯えながら生きろ!
絶対自殺して逃げるなんて考えるな…
生きてその罪から怯え続ければいい…
それがお前に架された十字架の重みだ!」
弘樹「あ……あ……なんで……なんで僕は…
あぁぁぁあぁああぁあぁあ!!!
くっそぉ!!!」
間
陽太M「そして田尻弘樹は殺人容疑で連行された。
だけど…その時憂歌さんが走ってきた。」
憂歌「ヒロくん!」
弘樹「憂歌さん…」
憂歌「待ってるからね!」
弘樹「う……うぅ……ありがとうございます!」
陽太M「彼がこの先どんな人生を歩むかわからない…
けど…俺にはきっと考えても意味のないことだと…
思うようにした。
じゃないと…この仕事はきっと続けられないだろう…」
陰弄「帰るぞ光野…」
陽太「あいよ…
でも…少年法ってなんなんだろうな…」
陰弄「さぁな?
どっかのトップの奴らが…子供の未来を守るために作ったのか…
そんなことは知らないが…
少年法なんてものは僕はいらないと思ってる…
だから未成年は簡単に人を殺す…
それをどんなに重い罪だとも考えずに…
大人が欲に負けて人を殺すのに…
子供が殺さない保証がどこにあるって言うんだ…
むしろ大人より怖いのは…
無垢で純粋な子供だっていうのに…
いまだにバカな大人共は子供を舐めてかかる…
いい加減この状況を重く捉えるべきだ…」
陽太「…そうだな。
そりゃ俺も思うよ…」
陰弄「まぁ…僕達が文句を言ったところで何も変わらないだろうが…」
憂歌「愛!」
陰弄「憂歌か…」
憂歌「ありがとう!」
陰弄「気にするな…これが僕の仕事だ…」
憂歌「また…遊びに来てね!」
陰弄「気が向いたらな…」
憂歌「うん!まってるよ!」
陽太M「明るく笑う彼女の裏には…
きっと暗い心が潜んでいるのだろう…
彼女は強い…
きっとどんな逆境にも…負けないと俺は信じる…
じゃないと…彼女に失礼だ…」
來夢「陰弄さん!」
陰弄「今度はお前か新米!
何か用事か?」
來夢「あなたは…一体何者なんですか?
なぜそんなにも…普通でいれるんですか?」
陰弄「僕は…ヒマワリを探す者…探偵…愛陰弄だ!
普通なんてものが…この世の中にあるとは思ってないよ…
この世界に生きる者は…良くも悪くもみんな異常者だ!
これからも刑事を続けるなら…肝に免じておけ!」
來夢M「彼は…最後に理解しがたい言葉を残し…
帰っていった。
私には…あなたを理解することは難しいのかもしれない…
でも…これだけは言える。
あなたの言葉を肯定することだけは…
私にはきっとできない…」
間
陽太「カゲ〜こっちの道だって言うから来たけど…
いつもと違う帰り道じゃんか!
何か用事でもあるのか?」
陰弄「少し会うやつがいる…」
陽太「ここって…有名なホームレス公園じゃんか!
こんなところに何があるんだよ…」
陰弄「いいから黙って押せ!」
陽太「はいはい…」
陽太M「そして俺達は…公園に入り…少し奥に来ると…
一つだけポツンとあるダンボールでできた家の前にやってきた。」
陰弄「来たぞ!顔を出せ!」
タロウ「全く…相変わらず偉そうだねぇカゲちゃんは…」
陰弄「情報料を渡しに来たんだ!
文句を言うな!」
タロウ「はいはい…
ご苦労様だねぇ…」
陽太「えっと…誰?」
タロウ「紹介が遅れたね。
オイラの名前はタロウ…
しがない情報屋だよ。」
陽太M「そこには…ニットを深くかぶり…顔は見えない。
年齢もわからない。
お世辞にも綺麗とは言えないボロボロの服を着て…
座り込んでいた。」
タロウ「よろしくね。」
陽太「あっ!俺の名前は…」
タロウ「自己紹介はいらないよ、、
君が光野陽太くんだね?」
陽太「なんで俺の名前を?」
タロウ「オイラは情報屋…
それぐらい朝飯前だよ…」
陽太「そりゃ…まぁそっか…」
陰弄「いつも僕が使ってる情報屋だ。
紹介するって言ってたろ?」
陽太「そういえば言ってたな!」
陰弄「コイツは情報料は少し高いが
その分しっかり仕事をする!
情報料は必ず現金で受け取る!そうゆう主義でやってるらしい…
僕としては面倒だがな…」
タロウ「そんなこと言わないでよ…
信頼第一なんだから…」
陽太「すげえんだな…」
タロウ「ちなみに…昔日本一周したことがあって…
日本中にネットワークをもってる…
オイラは日本一の情報屋なんだよ…ふふ…」
陽太「自分で言っちゃうんだな…」
タロウ「それぐらい自身がないと情報屋はやれないよ…」
陽太「そんなもんなのか…」
陰弄「約束の情報料だ!
受け取っておけ!」
タロウ「はいはい…
ん〜………確かに……もらっておくよ。
それにしても思ってたより遅かったね?」
陰弄「わかってて言ってるんだろ?」
タロウ「まぁねぇ…
ふふ…少年犯罪…なくなるといいね…」
陰弄「ふん!そんなこと無理なのは百も承知で…知ってることだろ?
わかってていちいち聞くな…」
陽太「もう知ってるんだな…
マジですげえな…」
タロウ「まぁねぇ!
まぁ…時間は無限じゃない…
大事にね…」
陰弄「お互いにな…
帰るぞ光野!」
陽太「あいよ!」
タロウ「君も陰弄の助手だからリストにいれとくよ
なんかあったらおいで
!」
陽太「わかった!ありがとう!」
陽太M「そして俺達は…帰路についた。
もう人が死ぬ姿なんて見たくもない。
けど…また何度も見ることになるんだろう…
それでも俺は…コイツの助手を続けていく。
探偵…愛陰弄が謎をとき続ける限り…」
To Be Continued