第七話 そろそろハーレム展開があってもいいころ
第七話 そろそろハーレム展開があってもいいころ
二学期が始まった。部活も行かないし、家に帰ってもファミコンないし、暇だ。そろそろクラップシリイで冒険の旅でもしてみたい。
冒険と言えば、仲間。仲間と言えば美少女複数人。美少女複数人と言えば、ハーレム展開だ。よし、これでいこう。
「ねぇ、アリス。クラップシリイで冒険がしたいよ。」
「冒険て?どんなの?」
「旅をして、魔物を倒して、悪者をやっつけて、世界の謎を解いていく的なやつ。」
「んー、ショーヘイ、あなた魔物とか悪者とかと戦えないじゃない。」
「そこはさ、アリス先生と仲間の出番な訳ですよ。」
「仲間?誰のことなの?」
「そこで、相談なのです、クラップシリイで冒険の仲間を探したい。希望美少女で。」
「なるほどね、一緒に冒険の旅をしてくれる女の子は探せるかもしれないけど、悪者を倒したり、世界の謎を解き明かしたり、それは出来ないかも。」
「うん、先ずは冒険の仲間を探したいんだ、出来れば3人くらい。」
「わかったわ、傭兵を探してみるわね。但し、美少女の基準が難しいわね。」
「希望を言えば、1人目、巨乳で可愛い顔した従順な子、二人目、美形で口は悪いけど、実は照れているだけの子、三人目、幼さを残した顔と体型で純粋な子。そんな感じかな。」
「ハードル高いわね。とにかく要望は分かったわ。」
週末にアリスから一人目の候補者が見つかったから、面接だと言われた。クラップシリイのアリスの家まで出向いた。
仲間探しは、アリスの家がある、シェームの街ではなく、王都イグノランスで行っていると言う。
「シェームの街ではいい人材も少ないし、王都まで行けば、人も多いしね。
それにバカチンの動きにも、まだ油断は出来ないわ。イグノランスの方が安全ね。」
「王都までは遠いの?歩くのは嫌だな。」
「そう言うと思って、扉を設置しといたわ。王都にも私が借りている家があるのよ、そこの地下に繋げておいたわ。」
「さすがアリス。ってか、どこでも扉便利すぎ。」
「じゃ、早速向かいましょう。」
王都に着くとその光景に圧倒された。とにかく街が大きい、しかも人が大勢歩いている。東京には小学校の修学旅行でしか行ったことがないが、それに比較しても人が多いように思う。
大きな通りには車道と歩道が分けられ、車道には馬車がひっきりなしに走っている。歩道を歩く人々もとても色鮮やかで、華やかな服を身にまとい、金持ちそうな人が多い。
通りには高級そうな飲食店や服飾店、宝石店が並び、表向きには、とても経済的に発展している様に見える。
アリスに連れられ、待ち合わせの場所へ向かう。
大通りに面した喫茶店の様だ。店は大きなガラス窓がついており、中が良く見える。その窓際の席に座るよう指示してあると言う。先ずは外見を確認して、良ければ面談に入るそうだ。
「あの、赤い短髪、茶色の目をした女の子よ。見える?」
「あー、見える。瞳の色まではよくわからないけど、顔立ちははっきりと見えるよ。」
「で、どうかしら、巨乳で可愛い顔した子よ。」
「うん、すこしふっくらした頬に、大きな目、とても可愛らしい。」
「では、見た目は合格ね。じゃ、彼女のプロフィールを紹介するわね。
えっと、名前は、デスティニー・フッカー。20歳で、傭兵登録では剣士となっていたわ。
ま、剣技の腕前は必要ないから、どうでも良いのだけれど。」
「うん、剣持って、僕の前に立ってくれてればいいや。で、性格は従順なのかな。」
「えぇ、そこも確認済みよ。とても従順な性格ね、男の人からの誘いは断らないタイプ、もう経験人数が三桁を優に超えているわ。」
「まってアリス、従順と貞操観念の崩壊とは同じではない、と思うのですが?」
「いやぁねぇ、ほぼ同じよ、お・な・じ。うふ。」
「いやいや、そんなぶりっ子風では誤魔化されないぞ。14歳童貞の僕にはレベルが高すぎるよ。格が違うよ、格が。」
「何を言っているのよ、どんと胸を借りて、臨みなさい。あなたが望むこと何でもしてくれるわよ。きっと。」
「まだ、アリスにもしてもらってないのに?」
「私の方がいいの?ショーヘイ。可愛いわね。」
「そりゃ、アリスがいいよ。僕はアリスが好きだから。」
「もう、照れるようなこと言わないで、さ、面談に行くわよ。」
アリスに腕を引っ張られ、店に入り、デスティニーの向かいに、アリスと並んで座った。デスティニーは少し緊張しているようだった。俯き加減で、両手を握り机の下で落ち着きなく、指を動かしている。
「初めまして、僕は山田昭平と言います。」
「私は、デスティニー・フッカーです。傭兵です。」
「よろしくお願いします、デスティニーさん。今日はあなたを僕の旅の仲間に加えるかどうか、お話しをさせてもらうために、ここに来ていただきました。
単刀直入に確認しますが、あなたは、僕達と契約したいと思っていますか。」
「はい、もちろんです。鬱金色の魔女と契約出来るのであれば、とてもありがたいです。
契約が可能であれば、何の特徴も魅力もない昭平さんにご奉仕しても構いません。」
「いや、僕にご奉仕は置いておいて、アリスと契約したいのですか?」
「えぇ、傭兵として鬱金色の魔女と契約した実績があれば、一生安泰ですから。
それから、奉仕は得意です!昭平さんが望むなら、私のテクニックで一晩に何度もイカせてみせます。きっと、今まで見たことのない世界に連れて行ってあげます。」
「ショーヘイどう、彼女?とてもいい子だと思うわ。」
「アリスが言うなら間違いないと思うけど。そんなに簡単に決めても良いのかな。」
「いいわよ、だってショーヘイの希望、可愛くて巨乳で従順、叶っているじゃない。」
「そうだけど、大丈夫かなぁ。」
「心配し過ぎよ、それに私に逆らうような人間、この国には何人もいないわ。ね、デスティニー、私には逆らわないでしょ?」
「はい!もちろんです。逆らったら魂を取られることぐらいは知っていますので!」
「ね、ショーヘイ、大丈夫でしょ?」
「うん、アリスが本当に恐ろしい存在だってこと忘れていたよ。」
「じゃぁ、決まりね。デスティニー、明日から私と契約よ。具体的な仕事の内容については、追って説明するわ。
それから私の家に住み込みでお願いするわね。私もショーヘイもほとんどいないから、好きに使ってもらって構わないわ。但し、掃除だけはまめにすること、いいわね。」
「ありがとうございます!一生懸命に働きます。」
デスティニーと別れ、アリスの家に戻った。
「一人目は何とか決まったわね。後の二人の候補も絞れているわ。また、面接しましょう。」
「うん、ありがとう、アリス。でもさ、何だか僕の貞操が危ないよ。」
「何を言っているの。ハーレムを望んだのはあなたなのよ、覚悟を決めなさい。」
「いや、そーだけど。なんかなぁ、二人目に期待かな。」
アリスはそんな元気のない俺を微笑んで見つめ、そしてそっと抱きしめてくれた。アリスの胸は柔らかい、体温は心地がよい、アリスに抱きしめられている時、全ての不安を忘れさせてくれる。
俺の脳内は学校や部活のこと、勉強や将来のこと、嫌な事全てが頭の中から無くなり、アリス一色に染まっていく。そして幸福感に満たされる。俺は完全にアリス中毒だ。