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健康なセイシ!!

「まさか全員から快諾されるとはなー」


「うん。凄い勢いで承認コールが入ってきてびっくりした。むしろおんなのひと喜んでない?何となくだけど」


「……いや、自己犠牲の塊なだけだろう。外のニンゲンって人間が出来てるって言うじゃん」


 弾ける汗と肉体!TMPO端子から分泌される保護粘膜もツヤツヤである。

 シャンディガールがセイシ少年に依頼してせいこうしたアクロバティック交換/交歓(こうかん)によって、シャンディ少年も順調におんなのひととのミームこうかんを捌いて行く。

 パブロフの犬よろしく、シャンディ自身のTMPOメス端子とセイシのオス端子を接続することでシャンディは、おんなのひとのメス端子へちゃんとカチカチ鳴るオス端子を接続出来たわけである。健康的、道徳的、実に健全な人類の営みが目の前で繰り広げられているわけである。


「おりゃ」


「ああ!そんな2本は無理だよ!」


 そう。健全。美徳。不和不和なセイシ少年が時折打破すべき存在たちである!セイシ少年はシャンディからセイシ自身の端子を抜き取り、おんなのひとのメス端子へと接続した!


「はう、凄い、ずっぷし入ってる。僕のもセイシのも大きい方なのに。おんなのひとって、すごい」


 TMPOは感度をあげるために、被膜を剥がしたエナメル線のごとき存在となっているので確かにシャンディのメス端子に接続しなくても、オス端子同士を擦り合わせることでも先程までと同様の効果がある。


「ほ!とりゃさ!どっこいしょ!」


「ん、ん、ん、セイシとちゃんと繋がってる」


 しかも2本同時におんなのひとへ接続することで、ミームこうかんがふたり一気に出来てしまうのでとても効率が良い。健全とは変化がない、普遍的で不変的であると言うことだ!セイシ少年は多少荒くとも効率の為にそれらを突き破れる力があるのである!


「って、おんなのひとがおこっちゃうよこんな乱暴なこと…ってえぇぇ!承認コールが凄い来てる!!」


 シャンディが事後とは言え有機二輪経由で許可を得ようとして、申請する前に既に許可がおりていた!

 おんなのひとの感情は伺えないが、これはとても喜んでいるんじゃないだろうかおんなのひと。え、何故?と不思議がるシャンディ。


 人間というのは色んなやつがいる。特に彼女たちは、犯罪者集団へ母体を提供する奇特な人物というだけでなく、更に少年が多く住む補陀落町を指定した位なのだ。不思議でアクロバティックな行為に負担を感じないものも中にはいるだろうさ。


「わ、全員からコール来てる!え、何で?ねぇ、やっぱり喜んでない?」


 奇特なことである。不思議。


「……みんなお前のフニャTMPOを気遣ってんだよ。自分に都合の良い解釈は犯罪の始まりだぞ。平和ビデオで見たろ?」


「むしろナレーション担当したけども。うーん。そうかぁ。そうかも」


 翌日、少年たち個人と契約に至ったものは残って、残りのおんなのひとたちが全員分のミームを引き取って外のラボへ運んで行く。

 交換/交歓によって心を繋いだ男女である。すすり泣きながら手を振り見送る一同。


 有機二輪の群れが黄昏をバックに土煙をあげ去って行く姿は、男女の逢瀬の物悲しさを訴え、良く詩の題材にもなる情緒ある光景だ。

 時代も文化も違うから仕方ないね。昔、Gが儚いイメージの夏の季語だったようなものだ。


 ろくでもない世界!時代!男女の逢瀬すら謎の義体で行われるような環境で、人類は逞しく悍ましくしかし確かに増えている!


 三千世界と、あと三途の世界みたいなこの荒くれ者たちの土地を普く照らす光となれ!カンゼヲン!!

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