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異世界で勇者になりましたが引きこもります【完結】  作者: きゆり
最終章 勇者と魔王

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第八十話

ブックマークありがとうございます!

 ガルーダのような魔物は今までの魔物と違う感じがする。どうも魔物同士が意識疎通が出来ている気がする。

 今までの魔物は群れでいても、個々が自由な動きをしていた。だがこの魔物はお互い連携を取っているような気がする。


 宮廷魔導士たちが攻撃をしても、一匹がそれを防ぎ、他の魔物が攻撃をしてくる。

 サクヤもだいぶ強力な魔法で攻撃しているが、やはり数を相手にするには強すぎる。防ぐことに手一杯で中々攻撃に転じれていない。


 空から炎の攻撃と、翼から槍のような鋭い羽根が降り、魔導士たちが魔物の攻撃を防ぎ切れず負傷していく。


「ディルアス! みんなが!」


 ディルアスも悲痛な顔をしている。

 もう我慢が出来ない! 飛び出してしまった。


「ユウ!」


 魔導士たち、兵士たちに結界魔法を張り、炎の攻撃に水魔法で応じる。

 風魔法に水を纏わせ、水竜巻で炎を絡め取って行く。

 突然現れた人間に魔物は驚き、一斉に襲って来た。


「ユウ!」


 ディルアスが何重にも障壁結界を張り、雷撃で威嚇した。

 一瞬魔物は怯んだが、散ったかと思えばすぐに四方八方から迫ってきた。

 やはり魔物同士連携をしている。


「ディルアス、結界をお願い!」


 ディルアスがさらに強力な結界を張り、私の結界は消し、風魔法で竜巻を起こし、魔物を一塊にした。

 その瞬間に結界で魔物を封じ込め、炎の魔法を内部に送り込む。

 魔物は苦しんでいるが、致命傷にはならないようだ。

 目一杯の炎を結界内部に。炎が少し弱まった……そして結界を解いた瞬間、大爆発が起きた。


 数十匹の魔物が一気に黒い靄へと変わった。


「ユウ、今のは……」

「うん、グレイブさんのノートに書いてあったやつ」


 結界の内部が炎で燃え、しばらくすると少し弱まる、その時に結界を解くと大爆発が起こる。

 グレイブさんのノートに書かれていた応用魔法だ。


 サクヤが残りの三匹に応戦していたが、こちらの大爆発に驚き、魔物もサクヤもこちらを見た。

 サクヤは驚き、そして……鋭い眼で睨んで来た。


 えっ……に、睨まれた。

 以前までの態度と全然違う。


「ディ、ディルアス……」


 小声でディルアスに声をかけた。


「とにかく魔物が先だ」


 ディルアスもサクヤの視線に気付いていたが、魔物を倒すほうを優先した。

 サクヤのほうへ向かおうとしたが……


「あんたらは来るな!」


 サクヤはそう叫ぶと、怒りを爆発させるかのように、激しい雷撃を三匹の魔物に浴びせた。

 それどころか制御しきれなくなったのか、手当たり次第に雷撃が降り注ぐ。

 魔物は果てしなく降り注ぐ雷撃に逃げ場がなくなり消滅した。


 しかし魔物が消滅しても雷撃は収まらない。

 味方の魔導士や兵士たちにも雷撃が降り注ぐ。

 急いでディルアスと二人、結界を張った。


「どうなってるの!? 魔物は消えたのに何であの人はまだ攻撃をやめないの!?」


「攻撃をやめろ! もう終わった!」


 ディルアスが叫んだが、サクヤの耳には届いていないようだ。


「くそっ、ユウ、結界を頼む!」

「ディルアス!?」


 ディルアスは結界から出るとサクヤのすぐ近くに転移した。サクヤはディルアスに気付いていないようだ。空を見ている。

 ディルアスはサクヤの腹に手を当て小さな雷撃を放った。

 サクヤは気を失い、雷撃は止まった。


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