第三十五話
すいません、前回分「第三十五話」と書いてしまいましたが、「第三十四話」の間違いです。訂正しています。
今回分が「第三十五話」です。
「そもそも竜の谷の場所は分かってるの?」
竜の谷とやらがあるらしい、くらいしか聞いたことがない。オブに聞いても人間に連れ出されただけだから場所は覚えていないし。ルナもさすがに場所は知らないみたいだし。
ルナとオブに出会ったときに竜の谷は話に出たがその程度の認識だ。
「あぁ、確かではないが、目星を付けている場所がある」
どうしようかな。行くべきなのか。
「ちょっと考えさせて」
今すぐに返事を出せない。
「分かった。キシュクの宿屋に泊まっているから、出来るだけ早く返事が欲しい。この話は他言無用で頼むぞ」
頷くとそのままキシュクへと帰った。アレンはレンに戻り宿屋に消えた。
ルナとオブが心配そうに顔を見上げている。
アレンと別れてから聞いた。
「どう思う? 行くべきかな?」
『我は反対だ』
『ぼくはいきたいような、いきたくないような……』
オブは故郷だろうから行きたい気持ちもあるだろう。
「行きたくない気持ちはどんな気持ち?」
『うーん、いってもおかあさんいない。つかまったぼく、きらわれる』
「嫌われたりはしてないと思うけどね」
でもそれは行ってみないと分からないか。
「ルナは何で反対?」
『信用出来ない。ユウの力を利用されるだけだ』
「うん、確かにね……」
嘘をついているとは思わない。身分の問題で姿を変えていたことも仕方ないことだと思う。
でも最初にこそこそ嗅ぎ回られ、色々隠されて話をするのは良い気はしない。まあこれも国家機密的なものだから仕方ないのかもしれないが。
うーん。
『だがユウは行くのだろう?』
ルナは真っ直ぐな目を向けた。
国が戦争を起こすかもしれない。そうなるとキシュクのみんなも巻き込まれるかもしれない。それは嫌だ。そうなると手伝うしかないのか。
「うん……そうだね。ごめん」
『謝るな。奴の誘いには反対だが、ユウの考えに反対はしない』
「ありがとう、ルナ」
『ぼくもユウがきめたならいいよ~』
「オブもありがとう」
「二人共大好き!」
思い切り抱き締めた。
『グッ』
『くるしい……』
二人共唸った。はは。
とりあえずマリー亭に帰ろう。もう夜になっていた。
マリー亭はお客さんで溢れていた。中にはメルダさんとフィルさんも。
二人の席で一緒に夕食にさせてもらった。
マリーさんが食事を運んで来た時に、みんなに向かってしばらくキシュクから出ることを伝えた。
「え、今度はどこに行くんだい?」
「ちょっと詳しくは言えないんです。ある人から依頼を受けて……。期間もどれくらいかかるか全然分からなくて」
「何だい、それ!? ちゃんとした依頼なのかい!?」
メルダさんもフィルさんも心配してくれている。マリーさんも不安そうな顔だ。
「大丈夫です! 依頼人との約束で話せないだけで、変な依頼ではないから」
どう説明したらいいか分からず、とりあえず心配はいらないと笑顔で話した。
メルダさんとマリーさんは何だか納得してない感じだったけど、仕方ないから渋々納得した、という顔をした。
フィルさんは心配しながらも気をつけて行くように、と後押ししてくれた。
次の日アレンに引き受けることを伝えた。




