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第三十二話

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『そういえば先程何か聞きたかったのではなかったか?』

「あ、そういえば忘れてた」


 さっきの一騒動ですっかり忘れていた。聖魔法について聞きたかったのだった。


「ルナの前の契約者さん、勇者だったんだよね? 聖魔法っていう魔法を使ってたの?」

『? 聖魔法? 普通に炎やらの魔法は使っていたが、聖魔法とやらはどんな魔法のことだ?』

「えっと……凄い回復する治癒魔法だったり、死んだ人を蘇生したり、魔物を消滅させたり……」

『ふむ、死んだ者を蘇生とやらは分からんが、魔物の消滅は見たことのない魔法でやっていたな』

「へ~、やっぱり勇者の魔法なんだね」

「あぁ、奴が使っているところしか見たことはないな。しかし普通の魔法でも魔物は倒していたぞ。魔王にはその聖魔法とやらしか効かなかったが」

「そっか、魔王は聖魔法しかダメなんだね」


 魔王かぁ、本当にアニメやゲームの世界だな。

 でも現実にルナは闘ったことがあるんだよねぇ。


「魔王ってわざわざ会いに行ったの?」

『ん、どうだったかな、会いに行ったというよりは、どんどん魔物が増え、向こうから現れたような。最初奴も魔王だとは気付いていなかったしな。魔法が効かず聖魔法とやらで何とか倒し、後々魔王だったのだ、と伝えられたようだ』

「そうなんだ!」


 魔王って、はっきりしたものはないのかも? 魔物の突然変異とか? うーん、よく分からん。まあ良いか。


「とりあえず今日図書館中途半端になっちゃったし、明日また行くよ。今度は部屋でお留守番ね!」

『分かった……』


 渋々返事をしたルナだったが、どうやら今日ので懲りたらしい。部屋にいてくれるほうが安心。

 人間社会にそんな興味があるのかしら。

 ちょっと可哀想だけど、我慢してもらおう。


 次の日からしばらく図書館通いが続いた。様々な魔導書を読み漁り、強力そうな魔法やら便利そうな魔法も覚えてみた。

 さすがに毎日お留守番は可哀想だから小型化のまま、昼からは王都を散策した。

 さすが王都、物凄く広いし人が多い。様々な店もあるし、貴族とやらの邸もたくさんあった。

 薬屋はキシュクにはなかった薬もあり、面白い薬草もあった。動物用の薬はキシュクにもあったが魔獣用もあったのだ。従属魔獣はあまりたくさんいないらしいので需要があるとは思えないのだが。せっかくだし買ってみるよね、そりゃそうでしょ。


 ある程度めぼしい魔導書は読み漁ったので、今度は試してみたいよねぇ。

 さて、どこで試すかな。

 うーん、王都の近くで試してると、不審者として捕まっても嫌だし、キシュク近くまで帰ろうかな?

 うん、一度戻るか!


「魔法を試したいから一度キシュクに戻りがてら、途中の森で魔法実験しようかと思う」

『了解だ』

『はーい。ぼく、はやくまちでたい』


 次の日荷物を纏め王都を出る。二週間くらいいたのかな。王宮の不穏な空気とか気になることもあるけど、とりあえず目的の様々な魔導書は読めたから達成感!


 王都から人目がないところまで移動し二人を下ろしたが、しかしそのまま小型化のままで歩く。


『ユウ』

「うん、分かってる」


 誰かが後を付けて来る。

 王都にいたときからたまに気配を感じていたが、敵意がなかったため索敵をしていても気配を感じるだけだった。

 二人を元の姿に戻すのは少し待とう。


 王都を出ると人がいないため、索敵魔法でも分かりやすく存在を感じる。

 敵意はない。こちらの様子を伺っているだけ。

 何なんだ。


「空間転移でキシュクまで行ってしまおうか……」

『ふむ、あまり魔法は見せないほうが良い。どこか岩陰に隠れて転移したほうが良いだろう』

「うん、そうだね」


 森を抜け大きな岩陰に入り、空間転移魔法を発動。

 輝く魔法陣が足元に広がり瞬時にキシュクの入り口まで移動した。

 よし、近くに気配はない。

 ずっと小型化のままの二人には申し訳ないが、素早くキシュクに入った。

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