第二十七話
最近ブックマークに気付きました。
誰かに読んで貰えてるかと思うと嬉しいです!
ブックマークありがとうございます!
街の外でルナとオブの気配を探る。
ちょっと離れたところだなぁ。人目のない所へ移動し飛翔する。
「ルナ、オブ、聞こえる?」
『あぁ、聞こえる』
『きこえるよ~』
「今どこ? 一応気配探りながらそっち向かってるんだけど、分かりやすい場所に移動してくれる?」
二人(二匹?)共、分かったと言って移動し始めたのが気配で分かる。
しばらく飛翔していると森が見えた。
なるほど、森だと人間の目に付きにくいよね。森を横目に少し拓けた場所まで来たら、眼下にルナとオブの姿が見えた。
ルナとオブの元に降りる。
『おかえり~』
オブが嬉しそうに近付いて来た。
「ただいま」
オブにしがみついて頭をなでなでしたら、オブはとても嬉しそうな顔をした。
「ルナもただいま、お待たせ」
ルナの首元にもしがみついて、もふもふを堪能した。ルナは普通の狼よりもだいぶと大きい。私が立った状態でようやく首にしがみつける。
だからもふもふが半端なく堪能出来て気持ち良いのよ!
もふもふもふもふもふもふ……
『おい、いつまでしている』
「あ、ごめん」
何かこのやり取り前もしたような……。
「でもそのもふもふたまらないんだもん!」
『可笑しな奴だ』
ルナはフッと笑った、ように見えた。
オブがぼくも~とばかりにルナとの間に割り込んで来た。
『それより魔導具は?』
「あ、そうだった」
魔導具である銀色の腕輪を取り出した。
『これがまどうぐ?』
「そうだよ」
ルナとオブの左手に(左脚?)に付けた。小さい腕輪は付けられるのか、と疑問に思ったが、指先を通そうとすると自然に大きくなりすんなり通った。そして最初から付けていたかのように、二人の手首に収まった。
「まずはオブね。オブ小さくなって!」
オブはキョトンとしていたが、魔導具に付いた石が光だしオブを包む。その光が段々小さくなり、ルナの仔犬型のときと同じくらいの大きさの光になると、ポン! と消えた。
オブは小さくなっていた。なってたんだけど、これって……
「か、可愛いー!!」
ルナの仔犬型も可愛いが、オブも可愛い!!
何せ小型になったんじゃなく、赤ちゃん!
ドラゴンの赤ちゃん!
抱き締めむぎゅーっとしてみた。ルナのようなもふもふはないけど、、ぷにぷに! 硬い鱗がなくてぷにぷになのよ! これはこれで気持ち良いー!
『ユウ、くるしい……』
『ユウ、離してやれ』
「あ、ごめん」
何回このやり取り。
オブを高い高いするように持ち上げ凝視する。
赤ちゃん……。
「これって成功なの?」
『どうだろうな。我もドラゴンの小型化は見たことがないから分からない』
「うーん、まあ良いか。可愛いし!」
ルナは少し呆れた顔をしていた。
「次はルナね。後ろ向いとくから人間化してみて?」
『? なぜ後ろを向いておくのだ? 見ておかないと成功しているのか分からないのではないのか?』
「いやいやいや! 無理だから! 見れないから! 結果だけ知らせてくれたら良いから!」
『? まあ良い。分かった』
ルナは人間化を始めた。靄がルナを包み、段々と人型になっていく。
『ユウ』
背後から気配を感じ、耳元でルナの低い声が聞こえてゾクッとした。思わず声のほうに振り向くと、間近にルナの顔があり固まった。
そう、もう、いわゆる、カチーンと。効果音が出そうなくらい固まった。
鼻先が触れあいそうなくらい近い。金色の瞳がキラキラと宝石のようだ。
『ユウ?』
そう呼ばれてハッとした。息がかかる! ようやく動けたと思ったら腰が抜けそうになり、思わず前のめりに。
背後からルナに左手とお腹を支えられ、抱き戻された。
「ご、ごめん!」
鼻血が出そうだー! ダメだ、やっぱりこの人! いやこの魔獣! の人間化! 危険!
『これはユウの好みか?』
え、と思って振り向いた。
ルナは服を着ていた。良かった! 成功した?
騎士風の服だ……。うん、成功だよね? 私の好み……だけど良いでしょ。
「私の好み! 良いでしょ? 動きやすいでしょ?」
と、言い切ってみたが、ルナの反応が気になった。
「ダメ?」
小さく聞いてみた。
『いや? 動きやすいし、良いのではないか? 今まで着たことがない服だと思っただけだ』
あ、着たことないよね。そうだよね。完全に私の趣味です。ごめんなさい。
「一応色んな服をイメージしてみたから、その時々で相応な服になるんじゃないかな?」
『分かった』
ふむ、とルナは服を触ったり身体を伸ばしてみたりと確かめる。
「さて、魔導具も無事装着出来たし、街に戻ってみようか!」
『まち?』
「うん、人間がたくさんいるところだよ」
『にんげんたくさん? こわいとこ?』
あぁ、そうか、オブは人間に襲われているから、人間が怖いよね。どうしよう。
『ユウや我が守るから大丈夫だ。しかも今のお前はドラゴンには見えない』
ルナが足元のオブを見て言った。
確かに赤ちゃん化したオブはとてもドラゴンには見えない。何せ可愛いもの! じゃなくて。
「そうだよ、オブのことは私たちが絶対守るから大丈夫だよ」
オブを抱き上げ言った。
「どうしても怖かったら、上からマントとか被せてあげるし」
『わかった~、ぼくがんばる』
「ありがとう、オブ」
オブの額にキスをした。
『さて、では行くか』
「待って、ルナは人間化じゃなくて、仔犬化で!」
『ん? せっかく魔導具で服も手に入ったのにか?』
「う、うん。必要なとき以外は仔犬化でお願いします……」
やれやれ、とばかりにルナは溜め息を吐いて、今度は仔犬化した。
『そもそも仔犬ではないからな』
「分かってるよ~!」
そう言いながらも仔犬化したルナを抱き上げ、もふもふもふもふ……。あぁ、気持ち良い。
左腕には赤ちゃんドラゴン、右腕には仔犬化狼、もふもふぷにぷに最高! 癒されるわ~!
『街に行くんだろう?』
「そうでした」
ルナに怒られ、街まで……二人を連れていると重たいし、ちょっとだけ手抜きで。
空間転移魔法を。一度訪れたことのある場所なら移動出来るんだよね。初めて使うけどやってみよう。
キシュクの入り口をイメージし、空間転移魔法を発動。足元に魔法陣のようなものが光出す、それと同時に一瞬でキシュクの入り口にまで移動した。
土日は少し変則的な更新になるかと思います。
すいません。




