表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で勇者になりましたが引きこもります【完結】  作者: きゆり
三章 依頼

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/97

第二十七話

最近ブックマークに気付きました。

誰かに読んで貰えてるかと思うと嬉しいです!

ブックマークありがとうございます!

 街の外でルナとオブの気配を探る。

 ちょっと離れたところだなぁ。人目のない所へ移動し飛翔する。


「ルナ、オブ、聞こえる?」

『あぁ、聞こえる』

『きこえるよ~』

「今どこ? 一応気配探りながらそっち向かってるんだけど、分かりやすい場所に移動してくれる?」


 二人(二匹?)共、分かったと言って移動し始めたのが気配で分かる。

 しばらく飛翔していると森が見えた。

 なるほど、森だと人間の目に付きにくいよね。森を横目に少し拓けた場所まで来たら、眼下にルナとオブの姿が見えた。

 ルナとオブの元に降りる。


『おかえり~』


 オブが嬉しそうに近付いて来た。


「ただいま」


 オブにしがみついて頭をなでなでしたら、オブはとても嬉しそうな顔をした。


「ルナもただいま、お待たせ」


 ルナの首元にもしがみついて、もふもふを堪能した。ルナは普通の狼よりもだいぶと大きい。私が立った状態でようやく首にしがみつける。

 だからもふもふが半端なく堪能出来て気持ち良いのよ!

 もふもふもふもふもふもふ……


『おい、いつまでしている』

「あ、ごめん」


 何かこのやり取り前もしたような……。


「でもそのもふもふたまらないんだもん!」

『可笑しな奴だ』


 ルナはフッと笑った、ように見えた。

 オブがぼくも~とばかりにルナとの間に割り込んで来た。


『それより魔導具は?』

「あ、そうだった」


 魔導具である銀色の腕輪を取り出した。


『これがまどうぐ?』

「そうだよ」


 ルナとオブの左手に(左脚?)に付けた。小さい腕輪は付けられるのか、と疑問に思ったが、指先を通そうとすると自然に大きくなりすんなり通った。そして最初から付けていたかのように、二人の手首に収まった。


「まずはオブね。オブ小さくなって!」


 オブはキョトンとしていたが、魔導具に付いた石が光だしオブを包む。その光が段々小さくなり、ルナの仔犬型のときと同じくらいの大きさの光になると、ポン! と消えた。

 オブは小さくなっていた。なってたんだけど、これって……


「か、可愛いー!!」


 ルナの仔犬型も可愛いが、オブも可愛い!!

 何せ小型になったんじゃなく、赤ちゃん!

 ドラゴンの赤ちゃん!


 抱き締めむぎゅーっとしてみた。ルナのようなもふもふはないけど、、ぷにぷに! 硬い鱗がなくてぷにぷになのよ! これはこれで気持ち良いー!


『ユウ、くるしい……』

『ユウ、離してやれ』

「あ、ごめん」


 何回このやり取り。


 オブを高い高いするように持ち上げ凝視する。

 赤ちゃん……。


「これって成功なの?」

『どうだろうな。我もドラゴンの小型化は見たことがないから分からない』

「うーん、まあ良いか。可愛いし!」


 ルナは少し呆れた顔をしていた。


「次はルナね。後ろ向いとくから人間化してみて?」

『? なぜ後ろを向いておくのだ? 見ておかないと成功しているのか分からないのではないのか?』

「いやいやいや! 無理だから! 見れないから! 結果だけ知らせてくれたら良いから!」

『? まあ良い。分かった』


 ルナは人間化を始めた。靄がルナを包み、段々と人型になっていく。


『ユウ』


 背後から気配を感じ、耳元でルナの低い声が聞こえてゾクッとした。思わず声のほうに振り向くと、間近にルナの顔があり固まった。

 そう、もう、いわゆる、カチーンと。効果音が出そうなくらい固まった。

 鼻先が触れあいそうなくらい近い。金色の瞳がキラキラと宝石のようだ。


『ユウ?』


 そう呼ばれてハッとした。息がかかる! ようやく動けたと思ったら腰が抜けそうになり、思わず前のめりに。

 背後からルナに左手とお腹を支えられ、抱き戻された。


「ご、ごめん!」


 鼻血が出そうだー! ダメだ、やっぱりこの人! いやこの魔獣! の人間化! 危険!


『これはユウの好みか?』


 え、と思って振り向いた。

 ルナは服を着ていた。良かった! 成功した?

 騎士風の服だ……。うん、成功だよね? 私の好み……だけど良いでしょ。


「私の好み! 良いでしょ? 動きやすいでしょ?」


 と、言い切ってみたが、ルナの反応が気になった。


「ダメ?」


 小さく聞いてみた。


『いや? 動きやすいし、良いのではないか? 今まで着たことがない服だと思っただけだ』


 あ、着たことないよね。そうだよね。完全に私の趣味です。ごめんなさい。


「一応色んな服をイメージしてみたから、その時々で相応な服になるんじゃないかな?」

『分かった』


 ふむ、とルナは服を触ったり身体を伸ばしてみたりと確かめる。


「さて、魔導具も無事装着出来たし、街に戻ってみようか!」

『まち?』

「うん、人間がたくさんいるところだよ」

『にんげんたくさん? こわいとこ?』


 あぁ、そうか、オブは人間に襲われているから、人間が怖いよね。どうしよう。


『ユウや我が守るから大丈夫だ。しかも今のお前はドラゴンには見えない』


 ルナが足元のオブを見て言った。

 確かに赤ちゃん化したオブはとてもドラゴンには見えない。何せ可愛いもの! じゃなくて。


「そうだよ、オブのことは私たちが絶対守るから大丈夫だよ」


 オブを抱き上げ言った。


「どうしても怖かったら、上からマントとか被せてあげるし」

『わかった~、ぼくがんばる』

「ありがとう、オブ」


 オブの額にキスをした。


『さて、では行くか』

「待って、ルナは人間化じゃなくて、仔犬化で!」

『ん? せっかく魔導具で服も手に入ったのにか?』

「う、うん。必要なとき以外は仔犬化でお願いします……」


 やれやれ、とばかりにルナは溜め息を吐いて、今度は仔犬化した。


『そもそも仔犬ではないからな』

「分かってるよ~!」


 そう言いながらも仔犬化したルナを抱き上げ、もふもふもふもふ……。あぁ、気持ち良い。

 左腕には赤ちゃんドラゴン、右腕には仔犬化狼、もふもふぷにぷに最高! 癒されるわ~!


『街に行くんだろう?』

「そうでした」


 ルナに怒られ、街まで……二人を連れていると重たいし、ちょっとだけ手抜きで。

 空間転移魔法を。一度訪れたことのある場所なら移動出来るんだよね。初めて使うけどやってみよう。


 キシュクの入り口をイメージし、空間転移魔法を発動。足元に魔法陣のようなものが光出す、それと同時に一瞬でキシュクの入り口にまで移動した。


土日は少し変則的な更新になるかと思います。

すいません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ