表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

プロローグ(ゲーム世界で)


 オンラインゲームは好きだ。


 その中でも僕は特にキャラクターメイクに並々ならぬ時間を割く。だって当然だろう?この先、ゲームの中の世界を旅することになる自分の分身だ。誰だって自分のキャラクターは凝りたくなる。


 出来るだけ現実の自分に寄せて作るものもいるが、多くの人々は現実の自分よりもはるかに魅力的で、イケメンで、可愛くて、なりたい自分を作るだろう。

 実際僕もそうだ。今までプレイしてきた全てのゲームで、常になりたい自分を作り上げてきた。


 小さなころは正義のヒーローに憧れて、いかにもヒーローっぽいキャラクターで必殺技の名前とか叫びまくっていた。

 不良ドラマにハマったときは、学ランを着て、武器など使わずに拳だけで敵と戦ってきた。

 恥ずかしい話だが、魔王やら闇の魔力やらをカッコいいと感じた時には、中二くさいキャラクターでめちゃめちゃカッコつけたセリフを叫ぶ事もあった。


 だが、いま世界中で大流行しているVRMMORPG『ドリームワールド』では、自分とかけ離れたキャラクターを最初に作ってしまうと、必ず後悔することになる。


 それはリアルすぎるゲームに、現実の自分とは離れたキャラクターを作ることによって感情移入が出来なくなる、という事ではない。


 単純に、プレイしづらいのだ。『ドリームワールド』の世界では、現実で体を動かすのと同じようにキャラクターを動かす。そこで問題になるのが現実の姿とゲーム内の姿の違いだ。

 現実世界とゲームでの自分に違いがあればあるほど、体に違和感を覚えるのだ。目線の高さに戸惑い、走ろうとしすれば転ぶだろう。これは大きな問題になる。何せこのゲーム、まったり生活もやろうと思えば出来るのだが、運営が推奨しているのはやはり冒険だ。

 町から外に出ればすぐにモンスターが出現するし、各所にダンジョンもある。となれば当然戦闘の機会も増える。そして戦闘中に体の違和感からくだらないミスを連発するようではすぐにパーティから外されてしまうだろう。



 以上のことから、このゲームのキャラクターメイクは、出来るだけ現実の自分に近づける事が推奨されているのだ。

 そんなゲームの中で僕は、



 『イッエーイ!!みんな楽しんでる~?!リリィもすっごく楽しんでるよ!』


 『ウオォーー!!リリィちゃあああん!!!』



 現実世界とはかけ離れたキャラクター、プリムリリィとしてインターネットアイドルをやっている。



出来る範囲で毎日投稿したいと思っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ