何時もにこにこ、自衛隊
鳥の声が聞こえ、夜の暗幕が上がると、その日は快晴であった。
僕は身づくろいをし、キャンピングカーの中央リビング部分に岬ちゃんと真利亜は既に 身づくろいも終え、シリアルを器に開けただけだが、朝食まで用意されていた。
「おはよう。二人で用意したの?」
「ばっかじゃないの。私がどうしてあんた達のごはんを作らなきゃならないのよ!」
岬ちゃんは忍び笑いし「これ用意したの真利亜さんなんですよと」
この訳のわからないクソッタレの世界で生き抜くには助け合いがかかせない。
「頂きます」
すぐに朝食は終わり、今日の予定を計画立てる時に真利亜から一つ提案があった。
曰く、どこに人が居るのかあるいはいないのかもわからず、街中にも本格的に猪や鹿
野犬などがうろつき始めた現状、銃だけではどうにもならないので、永世的な機関を
探し、その中に入り閉じこもるのが良いと提案した。
僕も半ば賛成しながら「候補地としてどこがあげられるかなと」頬を撫でた。
「決まっているじゃない何時もニコニコ、有事の自衛隊、その基地よ」
岬ちゃんは僕と真利亜の喧々諤々を聞きながらニコニコしている。
「でもなあ…自衛隊がまだ残っていて、兵隊も居たらパンと一打ちで死んじゃうんじゃないかな。
真利亜は「馬鹿ねアンタは! 自衛隊は有事の際、決して国民を見捨てない、それが自衛隊でしょ!」と激高しぷんぷんする。
なぜ、そんなに自衛隊に信頼感を置くのは良くわからないけれど、目的も無かったので、残った人探しと、世界に何が起こったのかを知る為の旅には多少のリスクはつきものではあるし、仕方がない。
「岬ちゃんはどう思う?」
軽く小首をかしげながらそれでもはっきりと「このまま車の中で暮すのも一つの手ですが、やっぱりもう少し人が居ないか探したいですよね」と意見する。
「決まり。ちょうど数十キロ先に自衛隊の演習場がり、その近くに政令指定都市が広がっている。そこも物色しながら、目的地として自衛隊の駐屯地にしようよ」
僕は人を信用するという徳が無いので、こんな女の子2人を連れて旅をする際、拳銃だけでは済まない段階もあるのではと愚行している。
だけども自衛隊の基地に行けばショットガンなどの初心者が扱いやすい武器が手に入ることが予想出来た。
少しネガティブに願う。
もう、これ以上人は見つかりませんように。