またまたアンデット
ゾンビの頭部に銃弾が当たり、その衝撃だけでは説明付かない威力で、ゾンビの上半身が破裂した。
ばたりと、腸を紐のようにばらまき、下半身が倒れる。
それに僕も続いた。
最後のゾンビが爆裂し、腐った血肉をばらまく。
シルフィはほっとしたような表情を浮かべる。
茫然と「出来た…私、出来ちゃった」自分の両の掌をぎゅっと握る。
僕も、倫や皆の為が無ければ超えられない課題であったが何とかクリアすることが出来た。
「…やったな倫。でも、これからだ」
「うん。お兄さん、改めて宜しくお願いするよ」
ぺこりと、礼をする。
「ファイター同士、前衛の要、頑張ろうな」
マーリア師匠の声が聞える。
「初歩はクリアという所だね。次、応用。真っすぐ進むと剣が2剣あるから、それで出てくる敵を屠りなさい」
硫黄臭のするその洞窟は暗く、魔法の明かりが所々付く以外、闇が揺蕩っていた。
「あれじゃない、お兄さん」
大きな木の扉があり、その扉にクロスさせる形で、剣が二剣、飾られている。
僕達はそれを一つずつ、手にする。
しっくりと手に来る重さが、良い獲物だという事を語らせてた。
「それじゃ開けるぞ」
「うん、お兄さん、準備万端だよ」
ぎいと鈍い音と共に、扉が外側に開かれる。
その部屋も薄暗かったのだが、何か金属同士を擦りあうような音が聞こえてくる。
淡い光の中、それは自分自身の頭を抱えて、現れた。
アンデットナイト─デュラハン─だ。




