ゴブリン襲来
翌日、シルフィが目を覚まし、そのあとは皆それぞれ、眠そうな目を擦りながら、地面より起き上がる。
既に焚火は熾火となっていた。
みな、熟睡出来なかったのだろう、体の節々を痛そうに撫でたりもんだりしていた。
軽く前日と同じ食材で、朝食を摂り、出立した。
シルフィを先頭に、旅を続ける。
まだ、主道から外れず、少しは石畳で地面が整備されていたが、これが主道と思えるほど
貧相なもので、一瞬、獣道かと勘違いしたほどだ。
「もう少しですからねー。皆さん、頑張りましょう!」
シルフィは何故か元気である。
やはり地球よりも、自らが生まれはぐくまれた地の方が、過ごしやすいのだろうか。
昼の小休止の後、遠くからがさがさと、枯葉を押し進む事が聞こえた。
真利亜とシルフィがウンディーネとシルフィードで探査すると─ゴブリン─醜い小鬼が20体程円を描きながら、迫ってきているらしい。
瞬間、戦術を決める。
僕と倫は拳銃で、近くに寄って来た敵を排除し、真利亜、岬、シルフィが遠距離攻撃を加える。
「万物を司るマナよ、炎熱の滾りを地に零せ」
岬がそう唱えると、空中から溶岩が現れ、ゴブリンの上空から降り注ぐ。
一気に、10体程のゴブリンが文字通り消し炭となった。
「ウンディーネ、水の波紋で切り裂いて!」
真利亜はウンディーネに命じ、ウンディーネは一機に2体程のゴブリンの首を切り裂いた。
熟れた瓜のように、ごろりと、ゴブリンの頭が地面を転がる。
シルフィのシルフィードも1体、撃破しする。
残ったゴブリンは一気に僕達に迫ったが、僕と倫は拳銃を早打ちの要領で扱い、頭蓋を打ち抜いていき、一瞬で5体のゴブリンが頭から流した地で地面を汚した。
辺りは焦げた臭いと、硝煙の臭いで窒息しそうであった。
僕達は逃げるように、その場は離れ、しばらくしてから、ようやく一息ついた。




