神の自己主張
そして、僕達4人の前で、呪文を詠唱し、自分の頭を軽く撫でる。
すうと、もやが晴れたかのように、シルフィの瞳が澄んでいく
あまり、良い知らせではないようだなと、僕は覚悟する。
シルフィは真剣な表情で口を開く。
「私は神に仕える女神官の一人です」
「何時かは詳しくは曖昧なのですが、1年程前に、神からのご神託を最高神官様よりクエストとして命じられました」
「この世界アルネを遠く離れ、私を真の意味で創造したアースに出向くのです。そこで生きている少数の人間の所作や振る舞い、生き方などを観察して来なさい」という事だったらしい。
シルフィは続ける。
「…アルネから彼らに試練が後に送られるでしょう。その力を正しく使えるのか否か。これは神判を受ける方々に伝えることを欲します」
他人が乗り移ったような表情でシルフィは続ける。
「私はあってあるもの。アルファでありオメガです。我が名を称えよ」
倫は「ちっ」と舌打ちする。
岬も真利亜も複雑な表情を浮かべていた。
ようは生き残らせてやったから、これからおこる更なる神判に打ち勝て、それが出来ん「惰弱な人間」」はデリートでもされるのだろう。
僕達からすれば、神などではなく、旧約聖書にあった自らの得た力に溺れる暴君に過ぎなかった。
シルフィはぐたっと倒れかけるのを慌てて、倒れるのを抑えて、彼女の荒い息が整うのを待つ。
突然、シルフィは顔を紅く染め「騎士様によりかかるなんて…そんな、申しありません」
と、僕から飛びのく。。
岬は「この調子だと戻っちゃったみたいですね、シルフィ様は」と、岬にしては珍しく皮肉げに告げる。
新しい神判とは何か。
分からない以上、この駐屯地に籠るしかない。




