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美少女! サバイバル!!  作者: お茶のみ(初心者晒し中)
見殺し
31/102

血清を使う時

幾星霜が過ぎた。

 冬が終わり、春の訪れも近い。

 

僕たちは冬の間、あれこれ話し合いをした結果、遠いが違う自衛隊の駐屯所に向かうことにした。

 人を捜すのも兼ねているし、流石に冬の半年の間に、蓄えた糧食も少なくなってきたので、それが理由でもある。

 

だが、外は危険だ。

 僕はあの熊の襲来以来、実弾は打たなかったが、何時でも射撃出来るよう、照準の合わせ方から撃鉄の起こし方、落ち着いて相手に照準を向ける心がまえなどを一人で練習した。

 

倫ばかりに重荷を背負わせるわけにはいかないから。

 雪が8割は溶け、早春が訪れた。

 僕たちはキャンピングカーのタイヤを通常のに換装し、残った糧秣と安定剤や抗生剤、解熱剤、そして血清を積み込み、地図を参照に、目標の自衛隊駐屯地へと向かう旅に出る。

 

日本は最大でも、ツキノワグマが最大の脅威で、これがアメリカのようにグリズリーなどが出没すると大変だった。

 春先は天候も良く、まだ肌寒いが真利亜は窓を開け、手を差し出しながら、機嫌よさそうに鼻歌を歌っていた。

 倫も岬もようやく長い冬から解放されたので、二人とも機嫌よさげだ。 

 僕自身、薬を飲まなくても、気分爽快であった。

 次の駐屯地までは大分かかる。

 だけれども、コンビニやスーパーを探ったりせず、下の用を足す以外は車の外に出ないようにしている。

 

流石に下の用を足すときは、近くに僕か倫が哨戒し、安全を保つようにする。

 ぐるるという、嫌な鳴き声が聞こえた。

 その時の哨戒は僕だったので、一瞬の躊躇の末、用を足していた岬へと駆けよる。

 幸い、用は足した後で、ズボンは上げていたが、太ももの部分に血が滲んでいる。

 近くで、ピットブルと思われる犬が泡を吹きながら、僕の方へと向かってきた。

 練習が役に立ったのか、岬を噛まれた怒りが勝ったのか、拳銃でそのピットブルの眉間に一発で命中させ絶命させた。

「岬! 大丈夫か!」

 僕の叫びを聞き、倫と真利亜も車内から出てくる。

 倫は傷を確認しながら「傷は浅いけど…」と表情を曇らせる。

 この時のために、危険を犯したのでは無いか。

「血清を使おう」

 こくりと倫は頷く。


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