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前編 勇者レオナルドやらかす

体調不良でおやすみしてるので寝ながらスマホでポチポチ…

「シャイニングソード!」


光に包まれた聖剣から伸びた光の刃が真っ直ぐに振り下ろされる。

それを闇の衣が受け止めるが徐々に押し潰されていく。


「無駄だ!光は闇を払う!そのまま潰れろぉぉおお!!」

「ぬっぬぅわぁぁぁぁ!!」


こうして闇の世界からやって来た魔王を撃退した勇者レオナルド。

世界は彼の手によって救われたのだった。






「ってな具合で魔王なんか敵じゃなかったね!」

「「「「キャースゴーイ!!」」」」


飲み屋で女の子に囲まれるレオナルドは気分良く酒を飲みながら武勇伝を語っていた。

勇者としてその名を世界に轟かせた彼はあの日ヒーローになったのだ。


「おっ?君良い形のお尻してるねぇ~」

「えっ?」

「どれどれこの勇者様が揉んであげるよ」

「いや、その…や、止めて下さい…」

「あぁ?お前俺が誰か分かってないの?」

「いえ、そんなことは…でも嫌なので…」

「ちっなんだその態度は?!」

「「「あっ?!」」」


ビシッと言う音と共にレオナルドの平手が女の頬に炸裂した。

勿論威力は押さえられているが叩かれた女の頬には青アザが出来ていた。


「やべっ」


酒場のどよめきは広がる…







『勇者レオナルド、酒に酔って女性に暴行』


新聞の見出しに大きく書かれた記事を見て大きな溜め息を吐くレオナルド。

この世界唯一の新聞社が発行した新聞にデカデカと書かれたその記事をどれ程の人数が目にしたのかは想像するまでもないのだ。

何故ならばつい先日魔王を撃退したとデカデカと記事に書かれ世界を賑わしたのだから。


「はぁ~やっぱりこないだの事、記事になってるか~」


ひっぱたいた件については直ぐに謝罪し、回復魔法で傷は治したのだがあの場に記者が居たのであれば仕方在るまい。

ただでさえ今話題の英雄なのだから。


「まぁ傷跡は残ってなかったし彼女も『もう良いです』って言ってたから大丈夫でしょ」


そう独り言を呟いてレオナルドは出かける準備をした。

今日は色々と忙しいのだ…

だがレオナルドはまだ知らない…

彼の悲劇はまだ始まったばかりだと言うことを…

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