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最終章 ここから始まる正義のヒーローズ

「――逃げろ! もっとスピードを出せ!」

「これが精一杯ですアニキ!」


 高速道路を爆走する乗用車。そして中に乗っているのは銀行強盗四人組。いずれも銃などで武装をしている危険な集団だ。

 そしてそんな危険な集団が冷や汗を流しながら逃げている相手が――


「大人しく捕まれ! 悪党めが!」


 そう、正義のヒーローエイミー=ライバックだ。あの後レッドキャップからの直接の釈明により汚名を返上することができたエイミーは、以前にもまして犯罪抑制に意欲的に活動している。


「なんでただの小娘がスポーツカーに追いついてんだよ!?」

「あれがこの街のヒーローエイミー=ライバックですよ!」

「だったらあれを振り切れば強盗は成功したも同然ってことだろ!?」

「それが――」


 暴走する車の前で立ち止まる一人の少年。赤いフード付パーカーを身に着け、そして赤いフードを目深にかぶっていることから顔がよく見えずにいる。


「あっ!? あれは!!」

「なんだよガキかよひき殺せ!!」

「違います! あれは――」


 暴走する車両を片足で止め、ニヤッと笑いながら運転席をこじ開ける少年。その名も――


「あのーレッドキャップですけど、強盗しているみたいなんで捕まえますね」


 レッドキャップはそのままかかった獲物を持ち上げ、エイミーが来るのを待つことにした。


「ナイス追い込み!」

「お前こそ、か、カッコ良かったぞ!」


 人を褒めることになれていないエイミーは、顔を赤くしながらレッドキャップを褒める。そしてレッドキャップもまたそんな彼女の姿に顔をぽりぽりと掻いて恥ずかしさをごまかす。


「そ、それより早くこいつ等を捕まえないと」

「そうだな!」


 レッドキャップが車を降ろして両手のホコリをはたいていると、中から銃を撃とうと強盗が狙いをつけ始めた。


「こうなったら!」

「アニキ! やめましょうよ!」

「うるせぇ! こいつ等ぶっ殺してやる!」


 強盗犯は引き金を引き、銃口からは銃弾が放たれるが――


「痛ッ!? また銃で撃たれたよ……」

「先に武器を回収しないからこうなる」

「えっ!?」


 当たってもまるで小石か何かをぶつけられた程度にしか感じていない英雄ヒーローを前にして、強盗犯はショックのあまり銃を落としてしまう。

 落とした銃をやれやれといった様子でレッドキャップは銃を拾い上げると、中の強盗犯に説教するかのようにこう言った。


「いい? 僕達には銃とかそういうのは効かないから大人しく投降した方がいいよ」

「……まいった」


 勝てるはずも無いと意気消沈した悪党たちは大人しく銃を引き渡し、車に両手をついて降参した。そしてその様子を、テレビから野次馬まで多くの人々が見ている。


「よくやったぞヒーロー!」

「流石はレッドキャップ! クールだぜ!」

「エイミー=ライバックもよくあそこまで追いつめた!」

「二人ともすげぇ!」


 あらゆる歓声が、二人に送られる。そして二人はそれに対し、お決まりの決め台詞を言い放つ。


「僕達二人がいる限り!」

「バイスプールに悪は栄えない!! 我らは――」


 ――ダブルヒーローズ!!

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