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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
隠された封印、お助けシャルちゃん
94/111

隠された封印、お助けシャルちゃん end

今年はあと、幕間を投稿して来年に備えます。

◆◆◆◆



ザワザワ……ガヤガヤ……



「ミント!こっち応援お願い!」

「分かった!」

「あたしのおすすめは肉だな!」

「エル、肉ばっかりおすすめしない。」

「にゃ〜!忙しいにゃ〜!!」

「は〜い!今行きま〜す!」

「今度私の作った肉じゃが食べない?」

「ベリー!誘惑してないで注文取って!!」



シャルがフランソワとホルンに質問攻めにされてから数日。大酒場は連日、沢山の人で溢れていた。



「繁盛しているでありますなぁ。」

「フィーの嬢ちゃん?俺の記憶が確かなら嬢ちゃんも今臨時で働いてる筈だよな?」

「休息も必要でありますよ?」

「あんたは休み過ぎだよ!!」



カウンターの隅に居座るフィーだったが、常連のボルチに突っ込まれ、更にスカーレットに怒られた。



「くぅ!?こんなに忙しくなるなんてわっち予想外!ホノるるとあの銀髪の魔女は後日説教であります!!」



その嘆きは魔法を使わなくてもシャルの耳に届いた。



(はぁ……ホットプレート、量産されちゃったわ。)



シャルの持っている程ではないが、フランソワの解析によって研究されたホットプレートは瞬く間にホルンの手によって量産され世界中に拡散された。竜の尻尾ドラゴンテイルはその発祥の酒場としてたった1日で有名になり人で溢れていた。

もしこれが“黒の奇術師”作だと明かされるともっと凄い事になるので、これでも抑えられている方らしい。



(……百歩譲って良いとしましょう。でも……)



そう思ってシャルはある人物達の方を向く。



「……成る程。その料理はそうやって味付けを……」

「いやはや、勉強になりますねぇ。」

「これならもっと集客が望めますね!」

「感謝する。」

「…………。」


(どうして料理の指南役までやらないといけないのかしら?あとバッカスさんが、びっくりするくらい喋らないし。)



シャルの料理を観察するのは、オリビアとの訓練を終え、帰って来た男性陣五人。“スコーピオン”、“アレクサンダー”、“シトロン”、“バロン”、大酒場のマスターである“バッカス”。彼等は酒場に戻って来た時、かつてない程の賑わいを見せる大酒場に驚いた。そしてシャルの料理を食べて一言。



「「「「俺達に料理を教えて下さい!!」」」」


「…………。」ペコリ。



(何でかしら?急に何処かに冒険したくなって来たわ。一回全力で行方をくらまそうかな?)



料理を作り方を教えながら、本気で逃げる算段をつけ始めるシャル。彼女が解放されたのはそれからまた二週間後の事だった。

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