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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
隠された封印、お助けシャルちゃん
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隠された封印、お助けシャルちゃん 24

お久しぶりです。無理のないペースで今年は更新します。この章は後そんなに長くならない予定です。サクサク進みます。

約数秒止まったあと、リナリーはシャルに問いかけた。



「な、なんでここに?」

「それは私が臨時で雇われた料理人だからです。」

「はいぃ?!」

「ナイスリアクションでごぜーますなぁ。」



予想していなかった人物が目の前にいて、更に予想出来なかった事をしていたので、高い声で驚くリナリー。フィーは楽しそうにその様子を見ていた。詳しく話を聞こうとした所で、



「はっ!?いけない!外に声が……」

「あ、防音の魔法使ったので大丈夫ですよ。」

「防……音?」

「外に音が漏れない魔法でごぜーますなぁ。流石チートの申し子。」



防音魔法が込められている事に驚きつつ、シャルの話を聞くリナリー。料理人をするきっかけや現在この厨房で料理を作っているのはシャル一人だけとか、あの可愛い料理の作り方などなど、そして冷静になったリナリーは改めて料理を作っていたシャルに驚いた。



「それにしても、あんなに美味しい料理を作れるなんて……」

「普通に作ってるだけなんですよ?」

「シャル様の普通の基準は、おそらくわっち達の普通とはかけ離れているであります。」

「そんな事はないわよ?」


「「そんな事あるわよ?」」


「なんで二人揃って否定するんですか?フィーはリナリー団長のものまねするし。」



二人に仲良く普通を否定されたシャルは不満を漏らしつつ、作り途中の料理に手を付け始める。その間もリナリーと話して、この事を秘密にしてもらえる様に頼んだ。



「バレたら騒ぎになるからね。」

「内密にお願いします。」

「良いわよ?でも、他の三人にも伝えておく必要があるわ。」

「他の三人?」



疑問を浮かべるシャルに、リナリーは微笑むと。



「そう、薔薇の集いで共有しないとね?」



〜次の日〜



ギギィ〜、



「いらっしゃいませ〜!……からのドロップキッ〜ク!!」



バシィッ!



「ちょっと!フィーちゃん!?いきなり蹴りを入れて来るなんて何考えてるの!?」

「おのれにちゃん付けで呼ばれるのは、虫唾が走るわい!宿敵!」



ボカッ!!



「「フィー〜?」」



宿敵の気配を感じたフィーは、来店早々ドロップキックをかましたが防がれた。そして、リナリーとスカーレットからげんこつを喰らった。



「ご、ごめんでありますよ!レトレト!リナッち!その握った拳を収めるでごぜーます!!」

「賑やかですわね〜。」



シャルが料理人をしている事を聞いたホルンとフランソワは、リナリーと一緒に大酒場に来ていた。今日、大酒場は一時間ほど開店時間を遅らせて、貸切状態にしていた。



「気持ちは分かるけどここではやめなさい。」

「気持ちが分かるの!?ここじゃなきゃ良いのリナリー!?」

「まあまあ。」



リナリーの発言に突っ込みを入れるフランソワ。ホルンになだめられて落ち着いた。



ツンツン、



「うん?何かに突かれたでありますなぁ?」



ツンツン、



「ぬぬ!?何奴!?」

「妖精さんだぁ!」

「ホワイ!?チミっ子!?」

「あ、“マリリィ”!突いちゃ駄目でしょ?」

「は〜い!ごめんなさい。」



フィーを突いていたのは一人のマリリィという銀髪のツインテールの女の子だった。フランソワに注意されると、元気に返事をしてフランソワの側に行った。



「うちの娘がごめんね?」

「……む、娘?」

「あれ?知らなかったっけ?フランソワは結婚してて子供がいるのよ?マリリィちゃんよ?」

「“マリリィ”です!」

「ほほう!わっちはフィーネリアごぜーます!フィーと呼ぶが良いでありますよ。」

「フィーちゃん!」

「良き良き。」

「フィーちゃん。」

「キシャッー!」

「何で私だけ打ち解けてくれないのよ!?」



名前を呼ぶフランソワを睨みながらマリリィに顔を見られない様に頭を撫でるフィー。



「なんでフィーちゃんママと見つめ合ってるの?」


「「はっ!?」」



しばらく睨み合いが続くかに思えたが、マリリィの教育に良くないと思い、休戦しようというアイコンタクトをお互い取った。



「……えっと、私も挨拶をしても良いかな?」

「ぬん!?新手でごぜーますな!?」

「あ、新手?」



タイミングを見計らってグレーの髪色の男が話し掛けてきた。オールバックにしていて、一見執事にも見える男だが、



「初めましてフィーネリアさん。」

「フィーで良いでありますよ。」

「では、フィーさん。私は“セバルト・ポワ・マスクウェル”。妻がご迷惑を掛けた様で……本当に申し訳ない。」

「つ、妻!?こんな性格良さそうなイケメンが夫とか爆ぜれば良いのに!」

「素直に褒めて!?恨みを込めないで!?」



フランソワの夫であるジェントルマンなセバルトを見たフィーは素直な褒めと恨みをぶち撒けた。フランソワに突っ込みを入れられつつ、フィーも挨拶を返す。



「おっと、思わず本音が……改めて自己紹介するであります!わっちはシルキーのフィーネリアでごぜーます!フィーと呼ぶが良いでありますよ。」

「宜しくお願いします。」

「よろしくおねがいします!」



互いに挨拶を終え、そういえばとフィーはリナリーに聞く、



「何故ポワポワファミリーが?」

「ポワポワファミリーって何よ?えっとね。丁度フランソワが休みを取ってた所だったの。せっかくの休日だから家族も一緒にってね。」

「な〜るほど。」



納得したフィーは皆を席に案内する為に移動を開始した。



「所でセバスチャン?」

「セ、セバルトですよ?」

「うむうむセバスチャン。」

「……これは諦めた方が良いのかな?」

「奥さんの暴走は止められないのかね?」

「……あれは天性のものなので。」

「あ、諦めの悟りを開いておる!?」

「何の話をしてるのよあんたは?」



ヒソヒソ話しをセバルトとしたフィーだが、フランソワについて質問した所遠い目をされてどうする事も出来ない事が判明して驚愕した。

さり気なくポワポワファミリーが登場。ちなみに細かい所ですが、マリリィちゃんは銀髪のツインテールと書いてますが、具体的には銀にグレーの髪色も混ざった感じです。セバルトは紳士です。

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