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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
隠された封印、お助けシャルちゃん
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隠された封印、お助けシャルちゃん 22

「で?何でまるで店員の様に居座ってるの?」

「居座ってる前提!?わっちは臨時で働かされているでありますよ!」

「働かされてる?なに?食べ過ぎてシャルちゃんに怒られたの?」

「遠からず近くも無い!タダだと思った料理がタダじゃ無かったでごぜーますよ。」

「ああ、フィーならその場の雰囲気で騙されるものね。」

「わっちの評価おかしくない?」



 リナリーに文句を言いつつ、メニューを取り出すフィー。



「注文はどうするでごぜーます?」

「あ、ライチがメニュー持って来るわよ?」

「さっき奪い取ったでごぜーますから、大丈夫であります。」

「大丈夫じゃ無いでしょ?何で普通に受け取らないのよ?」

「そこにメニューがあったから!」

「何処の蛮族よ!?」



 なんか軽い悲鳴が聞こえたのが、まさかさっき接客してくれたライチだった事と、フィーの返しに突っ込むリナリー。その頃ライチは、シャルの所へメニューの予備を取りに来ていた。



「ライチさんごめんなさい。後でフィーは叱っておきます。」

「良いのよ。ちょっとびっくりしたけど、メニューの予備はあるし、フィーちゃんなら許してあげるわ。」

「ありがとうございます。もし、こっちに来た時ちゃんと謝らなかったら、頭グリグリして良いですから。」

「わかった♪」



 許すと言っていた筈だが、フィーの知らない所でお仕置きの内容が決定した。



「どうしようかな?いつも迷うのよね。」

「希望を言えば、その希望に沿った料理も作ってくれるでごぜーますよ?」

「本当?じゃあ、『可愛い料理』で。」

「迷いなく!?もはや、病……う、ううん!かしこまりでありますよ!!」

「待って、何を言い掛けたの?」

「気にせずゴー!!」



 ほぼ出ていたが、寸前の所で切り替えたフィーはリナリーの制止を無視してシャルの所へ向かった。




 スィー、



「滑らかに入店!!」

「謝って?」

「何に!?……はっ!?ライライ!?」



 さっき怒られたので、埃を立てない様に浮きながら入るフィーだったが、シャルにいきなり謝罪を要求され、近くにはメニューを奪われたライチがいた。そこで渾身の一言。




「ごっめ〜ん♪」

「許せなくなっちゃった♪」



 グリグリッ、



「ノゥ?!グリグリ!?何処で選択肢を間違えたでごぜーます!?」

「い・ま!」

「ノ〜〜ゥ!!」



 可愛らしく謝ったが、残念ながらライチの気が変わりお仕置きを受けるフィー。



「じゃあ、しっかりね?」

「あぁシャル様、頭痛で早退するでごぜーます。」

「それすぐに治るやつだからね?もしくは今すぐに治癒魔法掛けよっか?」

「自然治癒で!わっちに心の救済を!」



 ライチはフロアに戻り、フィーはシャルの助けを借りずにグリグリの痛みを自然治癒で癒した。



「それでリナリー団長の注文は『可愛い料理』をご所望と。」

「ぬぬ?シャル様、何故リナッちが来た事と注文内容を知っているでごぜーますか?」

「え?魔法でこの酒場全体に聞き耳を立ててるから。」

「え?じゃあわっちの小芝居も筒抜け?」

「自覚あったの?もちろん、筒抜けだよ?」

「こ、これはもっとクオリティを上げなければ!」

「上げないで?お客様が困るから。」



 何故かフィーの芸人魂に火がついたが、あまりお店に来た人を困らせるのもあれなので、一応突っ込んでおいた。



「何を作るでごぜーますか?」

「う〜ん……キャラ弁風の料理かなぁ?」

「“キャラ弁”、とは?」

「よくアニメとかで見る様なキャラクターを料理の材料で作るの。もしくは可愛くデフォルメした動物とかね。」

「おお!では、わっちが知っているあの……」

「あ、動物をデフォルメするからね?」

「何故に?」

「世の中そういう物よ。」

「わっち理解!」

「偉い偉い。」



 二人の間だけで通じる謎のやり取りをしながら料理の準備に取り掛かるシャル。



「それにしてもシャル様、どれくらい注文受けたでありますか?魔導コンロとかオーブンとかフル稼動でごぜーますが。」

「もう、数えられないくらいかな?急に注文の頻度が上がったのよね。」

「まぁ、必然でごぜーますな」

「そうなのかなぁ。」



 何だかんだ開店してから時間は経ち、お客も増えて注文も増えていた。更に料理もびっくりするくらい美味しいので、再度注文するお客も増えて厨房はフル稼動だった。



「さてと、『オムライス』でヒヨコを作るわ。」

「ピヨピヨ!ピヨピヨ!お腹が空いたであります!」

「はーい、この料理味見してねー。」

「もぐ!?うんまい!!」



 雛鳥の様に口を開けたフィーに、味見用の料理を放り込みつつ、オムライスを作り始めた。


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