隠された封印、お助けシャルちゃん 15
一週間ぶりです。仕事の休憩時間に今回は更新です。今月は連日投稿出来そうです。
「次にアップルさん。」
「は〜い!」
「今回『甘いお菓子』を希望されたので、『ミニドーナツ』と『マフィン』を作りました。可愛く飾り付けしてあります。」
「な、何これ!?すっごく可愛い!!」
「「「「「良いなぁ。」」」」」
アップルの前にお菓子を出すと、他のメンバーも甘い物に目がなかったのか、羨ましそうにお菓子を見つめた。アップルは、可愛くデコレーションされたお菓子に興奮し、かなりテンションが上がった。
「次はモカさん。」
「私ね。」
「『心が落ち着く料理』という事で、『ホワイトシチュー』を作ってみました。」
「シチュー?この不思議な形のパンが?」
モカは自分の前に出された料理を不思議そうに見つめた。何故なら、大きなパンが目の前に置いてあるだけなのだから、
「これは中にホワイトシチューが入っているんです上の部分が薄いので、スプーンで破れば中が見えますよ。」
「え?やってみても良い?」
「どうぞ。」
サク……サクサク、
「わぁ!?凄い!?生地がサクサク!……あ!本当だ!中に入ってる!美味しそう!!」
パン生地にも驚いたが、中に入っているシチューも美味しそうで、モカは尻尾を振って耳をパタパタさせた。
「……ねぇ?ミント?」
「モカも!?駄目よ。全員の料理が出てからね。」
「……くぅん。」
「モカモカがしゅんとしておる!?レアでごぜーます!」
「えっと、次はベリーさんですね。」
「楽しみね。」
とりあえず料理を全部出そうと、ベリーの所に行く。。
「ベリーさんは『男の人が好きそうな料理』でしたね。『肉じゃが』を作ってみました。」
「“肉じゃが”?」
「お肉とじゃがいも、人参とか色々な具材を煮詰めた料理です。簡単に作れて男の人が好む味の料理らしいですよ。」
「それは良いわね。今度作り方を教えてもらえる?」
「もちろん、良いですよ。」
ベリーとのやり取りはスムーズに進んだ。肉じゃがだからという事もあるが、ベリーは大人の女性なので騒ぐのは控えていた。全員が反応した時に混ざっていた気がするが、控えていた。
「次はピニャさん。」
「にゃ!!」
「『舌が火傷しない温かい料理』。正直これが一番悩みました。二つ作ってみたので食べる時に確かめて下さい。」
「どんな料理にゃ!?」
「まず『一口サイズのオムライス』この長いスプーンで舌の中央に持っていくように食べて下さい。」
「舌の中央?」
「舌先が一番熱を感じやすいので、舌の奥に食べ物を持っていく事で、そこまで熱さを感じずに食べる事が出来るはずです。」
「本当かにゃ!?」
「と言っても、食べる人の体質にもよるので、確実では無いです。」
今にも食べようとしていたので、一言添えつつ次の料理を出す。
「次に『火傷しない魔法を掛けた麺料理です。』」
「「「「「な、何それ!?」」」」」
「その言葉の通りです。火傷しない魔法を掛けたので、火傷せずに温かい料理が食べられます。今回はそれを直に感じてもらう為に熱々の麺料理を用意しました。」
「な、何だって!?」
「チートでごぜーますな!?」
「か、革命にゃ!?料理に革命が起きてるにゃ!?」
最後に出て来た料理に騒つく一同。スカーレットもそんな特殊な魔法が掛けられていたとは知らず驚いた。
「あ、フィーは『パフェ』ね。』
コトッ、
「ふぉあ!?豪華絢爛!?完全無欠!?」
「何で四字熟語?」
「「「「「何あの小さな塔は!?」」」」」
さり気なくパフェをフィーの元に置いたシャルだが、その見た目は常軌を逸していた。何層にも重なったケーキ生地にクランチやフレークをまぶし、生クリームはおしゃれにデコレーション。色々な種類の果物を乗せて、アイスも四角くて厚いアイスを重ね高くし、色んな所からお菓子が飛びてているビックリパフェだった。
「フィーちゃんズルい!ウチもそれが良かった!!」
「はんっ!プルプル。愛情の差でごぜーますよ!愛情の差!!」
「……私もあれ食べてみたい。」
「あたいも。」
「「「「「私達も。」」」」」
余りの豪華さにその場にいる全員が食べたそうにしていた。
「えっと、ごめんなさい。一人分の材料しかなくて、皆さんのは作れないんです。」
「「「「「そんなぁ〜!?」」」」」
シャルの謝罪の言葉に落胆する一同。アップルはまだ諦めがつかないのかフィーのパフェを凝視していた。
「ふぅむ?……プルプル?シャル様はこう言ったでありますよ?『一人分の材料しかなくて』と。」
「……え?……はっ!?という事は!?」
「そう!材料さえあればシャル様の手によって『パフェ様』が再降臨するでありますよ!!」
「「「「「材料買って来る!!何を買えば良いの!?」」」」」
「待って、待って!?皆さん落ち着いて下さい!?開店前ですし、まだ他の料理食べて無いですよね!?ちゃんと食べて働かないと作ってあげませんよ!?」
「「「「「頂きます!!」」」」」
「切り替え早!?」
ちゃんと食べて働かないと作ってあげないという一言で、全員がシャルの料理を即座に食べ始めた。




