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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
隠された封印、お助けシャルちゃん
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隠された封印、お助けシャルちゃん 14

(……お肉も良い感じに焼き上がったし、『ミニドーナツ』と『マフィン』を作ろう。ホットケーキミックスがあれば簡単だけど、流石に無いから一から作らないと。)


 小麦粉を用意して収納から家で使っている砂糖とベーキングパウダーを取り出すシャル。塩を少し加えたりなどして、生地の元を完成させる。次にミニドーナツ用の生地とマフィン用の生地を用意する。


(ミニドーナツは揚げて、マフィンはオーブンで焼く。飾り付けはどうしよう?フィーにいつもスイーツ作ってるから、飾り付け用のクランチとか、色んな味の粒チョコとかあるからそれで可愛くしてみるかな。)


 スイーツ大好き魔人のフィーの為に色々いつも用意しているので、お菓子に飾り付けする為のお菓子は沢山の種類作っていたシャル。


(そうそう、フィーのスイーツどうしよう?……あ、パフェが良いかな?丁度スプーンもあるし、器は収納にあるし。)


 近い内にフィーに作ろうと思っていたので、実はパフェ用の器を用意していた。なんと、特大のサイズを。


(お店で出るパフェだから豪華にしないとね。材料の関係でフィーにしか提供出来ないけど。)


 甘いお菓子を希望してきたアップルは文句を言ってきそうだが、そこはフィーが何とか対応するだろうと遠慮なく豪華なパフェを作るシャル。


(ミニドーナツも揚がって冷めるまで待って、マフィンも今の内に飾り付けして……)


 従業員7名とフィーの分の料理に飾り付けをしていき、


(よし、完成!)


 誰が見ても美味しそうな見事な料理を完成させた。



 ◆



「……お腹空いた。」

「エル、思ってても口に出さない。私達もさっきから我慢してるんだから。」

「……美味しそうな匂いが漂って来て辛いにゃ。」


「「……うん。」」


「ライチとモカとピニャ。三人とも私達より早く料理の美味しそうな匂いにやられてたよね。」

「まぁ、仕方ないわね。それにしても、こんなに美味しそうな匂いがするのは反則よね。」

「本当だよ!甘い匂いが漂って来て耐えられないよ!」

「スイーツ!スイーーツ!」

「まぁ、あんた達。きっともうすぐ出来上がるって。」


「「「「「スカーレットさんは良いですよね?先に食べられて。」」」」」


「うっ……シャル〜!まだなのかい!?」



 ヒョコッ、



「あ、出来ましたよ?」


 スカーレットが居た堪れない状況にいる中、耐えきれずシャルに呼び掛けると、厨房の入り口から、顔は見えないがフード部分だけ覗かせて答えた。


「「「「「本当!?」」」」」


「はい、今持って来ますね。」

「シャル様!わっちも手伝う!!」

「ありがと、でも驚いてもらいたいからそこで待ってて。」

「うん!」

「あたいが手伝うよ。」

「ありがとうございます。スカーレットさん。」


 フィーの代わりに先に、料理を食べたスカーレットがシャルを手伝う為に厨房に入って行った。


「どんな料理が出てくるんだろう?」

「とりあえず最初はミントか?一応私達のリーダーみたいなもんだし。」

「え゛!?そんなのいつ決まったの!?」


「「「「「え?割と最初から。」」」」」


「止めてっ!?それって、あれ・・のリーダーって事でしょ!?嫌よ!」


「「「「「え?でも、大都市中で認知されてるよ?」」」」」


「嘘っ!?誰が広めたの!?」

「ミンミン、わっちも最近でごぜーますが、知っていたでありますよ?」

「フィーちゃんも!?」


「あんた達は何をそんなに盛り上がっているんだい?」


 何かの話題で盛り上がっている中、スカーレットとシャルが料理を持って来た。


「……正直驚いたよ。こんな短時間でなんて美味しそうな料理作ってるんだい。」

「えっと、頑張りました。」


「「「「「おぉ〜〜!!」」」」」


 スカーレットが驚きながらも、次々とシャルと一緒に料理を持ってくる。


「はい、では皆さん。お待たせ致しました。料理の説明はしますか?」


「「「「「是非!!」」」」」


 料理が揃った所で、シャルがミント達に声を掛けると、元気よく応えてくれた。


「では、まずはミントさん。」

「はい!」

「ミントさんの希望は『爽やかな料理』。今回作ったのは、『大葉と大根のサラダ』と『大葉とササミの冷やし茶漬け』です。全体的に大葉の香りが爽やかな印象を引き立てます。」

「おぉ!美味しそうだね!」


 シャルはミントの料理から紹介していく、


「次にライチさん。」

「はい。」

「ライチさんの希望は『健康に良い料理』。作ったのは『かぼちゃのポタージュ』です。かぼちゃは健康に良い食材なので、病気の予防にもなりますし、ダイエット……痩せる手助けもしてくれます。」


「「「「「え?」」」」」


「と言ってもあくまで手助けなので、それを食べて劇的に変わると言う訳でも無いので、皆さんそんなに目を輝かせるのは止めてください。」


 痩せる手助けという言葉を聞いて、フィーとシャル以外の全員が目を輝かせてライチに出した料理を見たので、料理がライチの元から奪われる前に皆に言い聞かせて止めた。


「次にエルさん。」

「あたしのだな!」

「希望は『肉料理』。今回は『一口サイズに切ったステーキ』と『ローストビーフ』です。」

「ステーキは分かるが“ろーすとびーふ”ってなんだ?」

「簡単に言うと蒸し焼きしたお肉です。外はしっかりと、中は赤身が残っていますがしっかと熱が通っています。凄く柔らかくて美味しいんですよ?」

「おぉ!?頂きます!!」

「エル。皆の説明が終わって無いからまだ食べちゃ駄目。」

「ミント!?頼むよ!」

「はーい、我慢しようね〜?」

「あやすな!頭を撫でるな!」


 暴走しかけているエルをミントがなだめつつ、次の料理の説明が始まる。

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