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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
隠された封印、お助けシャルちゃん
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隠された封印、お助けシャルちゃん 8

お久しぶりです。仕事で気力と体力を持っていかれた作者です。

【お話は終わりましタカ?】


「あ、もしかして空気を読んでくれたの?」

「出来るシステムでごぜーますな。」


 機械音声がタイミング良く話し掛けてきて、感心する二人。


「で、この宝玉どうやって使うの?」

「『資格さえあれば、魔力を込めれば応えてくれる。』と、キューマスターは言っていたであります!」

「分かったわ。とりあえず魔力を込めてみるわ。」


 虹色に輝く宝玉、シャルはそれに向かって魔力を込めた。



 キュィィィン!



【魔力上昇……解析不能。】


「どうなるの?」

「それはわっちも知らないでごぜーますよ。特別な力を込めたって言っていたあります……あ、シャル様。」

「どうしたの?」

「一つ訂正があったでごぜーます。『四つの宝玉・・』ではなく、『四つの宝具・・』でありました。」

「……え?」



 パァァァンッ!!



「きゃ!?」

「ぬぬ!?」



 大きな音と共に、『ムー』と呼ばれる宝玉は砕け散り、光の粒子となってシャルに降り注ぐ。そして光の粒子は一箇所に集まりだす。



 リーン……、



「……これは……腕輪?」

「何の変哲もない綺麗な腕輪でありますな?」


【解析不能……普通の腕輪としか認識出来まセン。】


 光がシャルの両手首に集まると、綺麗な音を立て腕輪へと変化した。両方とも銀色の綺麗な腕輪で、機械音声曰く普通の腕輪としか認識出来ないそうだ。


「宝具なのよね?」

「そうでごぜーます。『機能は所有者にのみ分かる。』と言っていたでありますよ?」

「うん?えっと……」


 シャルは何となく腕輪の宝具を見つめてみた。



 リィィン……、



 《魔導王の籠手》


 ──この籠手は杖の代わりになる媒体。この籠手を通した魔力は、出力が跳ね上がる。更に魔力操作も簡単に出来る。詠唱破棄。対黒き魔物用の宝具。それ以外の用途では威力が高過ぎるため要注意。


 ──籠手で戦う事も可能。魔闘士という言葉が似合うはず。


 ──使用者の魔力に応じて威力が決まる。不壊の武器と似た仕様の為不壊だが、使用者が死亡してもこの宝具は登録者をリセットして再度登録可能。


 ──通常時は普通の腕輪、戦闘時は籠手として使用者の好みに合わせて変化可能。完全隠蔽を搭載している為他者には解析不可能。



「…………確かに伝わって来たわ。」

「ほほう!?どんな能力でごぜーますか!?」


 シャルは脳内に伝わった宝具の情報をそのままフィーに伝えた。


「……な……キューマスターが本気で残したから、とんでもない代物だとは思っていたでごぜーましたが、なんというチート。」

「でも、魔力に応じてって事は人によるんじゃ?」


【解答、そもそもこの宝具を持つ条件は相当量の魔力を保有しているのが最低条件。】


「だそうでごぜーますよ?つまり、シャル様のようなチートな存在しか持たないでありますから、チートなんでごぜーますよ。」

「なるほど。」


 流石は世界の破滅を防ぐ為に用意されたアイテムという事、能力がシンプルな様に思えてかなり強力なものである。


「とりあえず籠手の状態にしてみるわ。」

「お願いするであります。」



 キィンッ!



「……凄い……これ、私が前世で使ってた籠手なんだけど、思った通りに再現されてる……ううん、それ以上ね。素手みたいに違和感が無い。」


 黒銀と桜色の模様が輝く籠手は、かつて前世の自分が使っていた籠手と瓜二つ。まるで何も付けていないかのような自然な付け心地は前世の籠手を超えていた。


「試し打ちするであります。」

「そうね。」


【封印の外から100km程離れた所で試して下サイ。】


「流石に冗談よ?」

「わっちも流石に此処では試し打ちさせないでありますよ?」


 宝具に興奮した二人はちょっと本気だったが、機械音声の突っ込みで正気を取り戻した。


「これから第二、第三の封印の魔力を充填する必要があるのね?」

「そうでごぜーますな。場所は多分他の黒き魔物を封印している場所の近くでありますな。」


【肯定。貴方なら見つけられるでショウ。】


「宝具はどうなの?ネオ大陸とウォット大陸にそれぞれ一つあるのは分かったけど、アルスさんの故郷って?」

「リース大陸ではないでありますか?」


【解答。リース大陸で間違いありません。しかし、詳細は不明。宝物庫の記録は消去されていマス。】


「消去って……」


【マスターの手違いにヨッテ。】


「「…………。」」


 二人は心の底から何で大事な情報を消しちゃったんだろう?と若干呆れながら思った。


【残すと不味いデータを消去した際、あやまって重要情報のいくつかを消去しています。更に、本人はその事を知りまセン。】


「……マスター……ドジっ子。」

「何で私を見ながら言うの?」

「シャル様も割とドジっ子属性を持っていそうだからであります。」

「どうして?」

「シャル様だから!」

「……答えになっていないわ。」


 何故かとばっちりを受けたシャル。


「とにかく、次はネオ大陸かしら?武器が手に入るって言っていたし。」


【提案。ウォット大陸を推奨。黒き魔物が活発化しており、封印が弱まっていマス。】


「第三の封印は?」


【問題無し。一番厳重に封印されているのと、竜族に最低限管理出来る存在がいマス。】


「エンシェントドラゴンね。」


【肯定、よってウォット大陸の封印に魔力を注ぐ事を最優先として下サイ。】


「分かったわ。」

「ぬう、では暫くお留守番でありますな。」

「すぐには行けないわ、準備は必要でしょ?何があるのか、何が起こるのか分からないし。」


【情報として、そこに封印されている“イビル・ナイトメア”は、精神支配・・・・を得意とする『魔剣』。実態が掴みにくい存在です。お気を付け下サイ。】


「魔剣……精神支配か、厄介そうね。」

「死霊術とはまた違った能力でありますからな。聞いた話だと、『ごく自然に精神支配された人がいて、全てを疑わなければいけなかった。』と言っていたでごぜーます。シャル様もご注意を。」

「うん。先に色んな人から情報を集めてみるわ。準備が整ったら、ウォット大陸に行くわ。」

「オーケーであります!!」



 話を終えたシャルは、フィーと共に第一の封印を後にする。新たに手に入れた宝具『ムー』、そしてこれから手に入れるべき残り三つの宝具。第二、第三の封印の充填。彼女は黒き魔物、黒き神に対抗する準備を進める為、情報を集める事にした。全ては世界の破滅を再び防ぐ為。

これでシリアスは一区切り。後半はギャグ系です。世界が大変な事になっているのにとかは受け付けません。彼女達にも息抜きが必要です。

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