隠された封印、お助けシャルちゃん 1
第七章開幕です。2ページ投稿するのでご注意を。これが幕間だったのでは?という始まり方です。前半真面目、後半ギャグです。
「フィー、やっぱりここにイビル・マリオネットが封印されていたのを知っていたのね?」
「その名は知らなかったでごぜーますが、そうであります。」
シャルとフィーは氷原に来ていた。闇ギルドの本部が壊滅した後、気になる事がありここに来ていたのだが、何故かフィーも付いて来た。その時に、イビル・マリオネットについて話していた。
「……責めても良いのですよ?対策が無かったとはいえ、わっちが黙っていなければもっと多くの人を助けられたかもしれないでありますから。」
「責めてもねぇ……」
シャルは少し考えると、
「……じゃあ。」
ギュッ、
「ふわぁぁ!?」
「これで許してあげる。」
シャルはフィーを抱き締めた。慌てるフィーをよそに、シャルは話し始めた。
「まず第一に、フィーはイビル・マリオネットが復活していたのに気付いたのは、闇ギルドの本部に私達が乗り込んだ時。封印が強力であったから油断もあったんだろうけど、その前はそもそも自暴自棄になっていてそれ所では無かった。」
「うっ。」
「第二に、イビル・マリオネットの能力は弱体化していたとはいえ凶悪。早く気付けたとしても、封印が完全に解けていなくても影で外に干渉出来た。今回相手は本体が弱っていて、戦力を集める為に秘密裏に動いていたのと能力に自信があったから、私達が乗り込むまで彼からしたら大人しくしていた。
私を警戒はしていたけど、結果その油断が招いて私が滅する事が出来た。もし始めからイビル・マリオネットがいるのを知っていて乗り込んでいたら、相手は手段を選ばずもっと酷い事になっていた可能性もある。」
「……うん。」
「第三に、今回の件はフィー、貴方一人だけの問題じゃない、こうすれば最善だったと後悔する事はある。私だってある。リナリー団長もホルンさんもフランソワさんも、ギルスも後悔していた。皆、後悔している。色々な事が起こり、色んな人の思いや迷いが生じ、結果この闇ギルドの騒動が起きた。だからフィー、貴方一人が気に病む必要は何処にも無いわ。」
「……ぐすっ……うん。」
しっかりとフィーを抱き締めながら語るシャル。少しの間、フィーはシャルの腕の中で泣いた。




