幕間〜薔薇の集い 2〜
軽い幕間です。登場人物紹介は少し修正したいので、土曜に更新します。
ある晴れた昼下がり、王宮の中庭でお茶会が開かれていた。
「さて、何から話そうかしら?」
「あ、新作の洋服の話をしたいわ。」
「私は新作の“しゃんぷー”と、“とりーとめんと”の話を。」
「妾はジードへの愚痴じゃな。」
「…………。」
「「「「どうしたの(じゃ)?【黒の君】?」」」」
「その名前で呼ばないで下さい!というか全員笑ってるじゃないですか!」
月に一度と、気まぐれに開かれるという薔薇の集い。その一人となったシャルは、オリビア、リナリー、ホルン、フランソワにからかわれていた。
「……【緋色の君】。」
「うむ!」
「……【青色の君】。」
「…………。」
「……【白色の君】。」
「ふふ。」
「……【黄色の君】。」
「…………。」
「約二名、呼ばれ慣れていませんね?むしろ私側ですね?」
「「そ、そんな事は……」」
リナリーとホルンが、薔薇の色の名を呼ばれるとそっと顔を逸らした。それを見逃さなかったシャルは何とか味方に付けようと次の言葉をかけようとするが、
「ま、まぁ、もう国中……世界中にその名は知れ渡っているって言われているし、諦めなさい。」
「私も、もう諦めましたから。」
「……これ以上、目立ちたくなかったのに。」
((((むしろ自分から目立ちに行ってたような。))))
ほとんど開き直って行動していた気がするが、シャルのしゅんっとした様子に、心の中で突っ込む四人。
「この話はこれくらいにして、日常的な報告をする前に真面目な報告を一つしておくわね。」
「なんの報告じゃ?」
「“ルーイン”について。」
その一言で、全員の雰囲気が変わった。
「“ルーイン”って何ですか?」
ガクッ、
ただ一人を除いて、
「……そ、そう言えばシャルちゃんは知らなかったわね。最近出始めた異様な気配を持ち、『破滅』という言葉が口癖の魔物の事よ。」
「私が遭遇した魔物ですね?」
「そう、シャルちゃんが荒野とダンジョンで倒した魔物よ。」
「付け加えると、『荒野と一つのダンジョンに甚大な爪痕を残した』も入りますわ。」
「……申し訳ありません。」
シャルが遭遇した魔物、“ルーイン”。シャルが人的被害を止める事には成功していたが、地形には大きな爪痕を残していた。“強者の爪痕”という、行けば強くなれた気がするという名所に変わり、逆に人が集まっているが、
「いえ、とても良い商売……名所になっていますから。」
「ホルンさん?商売って完全に聞こえましたし、名所でも大体どうなっているか想像出来ますから、というか何でそんな事になっているんですか?」
「そうじゃな、多分この地がドラグニア王国だからじゃ。強者が集まる国故、むしろそういった所には人が集まるのじゃ。」
「……そう。」
自分の知らない所で色々と起きていて、正直リアクションに疲れていた。
「そういえば最近、シャルちゃんの姿を模した造形が出回ってるとか無いとか……」
「何ですかそれ!?仮にあったとしてもローブとフードで殆ど隠れてるので真っ黒ですよ!?」
「自分で言うんだ。」
「……しょうがないわね。団長として調査しておくわ。」
「リナリー団長?目の色が変わってますよ?」
「何を言っているの?私の目はいつも水色よ?」
「そういう意味じゃないですよ?絶対に止めて下さい。」
「ははは!シャルが居ると、良い意味で騒がしくなるのう!」
新たな薔薇の集いになってから初の会合は意外と順調に進んだ。ふざけていても根は真面目な者達だから、




