幕間〜オリビア・ディル・ドラグニア〜
お久しぶりです。軽い幕間となります。明日もう一つ投稿予定です。編集作業は上手くいっていませんが、来週の月曜日までには更新します。
──ある日、一人の王女が産まれた。
生まれた時からその魔力量、内に秘めし力を評価され、初代の再来と言われた。彼女は父親の影響を受け、強く・美しく・純粋に育った。
「姫様、もうこの城には姫様の相手をまともに務められる者はおりません。」
──彼女は強かった。
今まで戦ってきて、まともな戦闘では負けた事が無かった。城で敵う者はおらず城で過ごす日々に飽き、外の世界へ飛び出した。
「あんた王女なの?この国の王族って昔から血の気が多かったけど、王女もその影響を受けるって……時代が変わったのね。」
「スター家は、代々ドラグニア王国の王族に仕えてきました。しかし、貴女が一人の女性である事に変わりはありません。なので、私は一人の友として貴女と接していきます。」
「駄目でしょ!王女だったら尚更服装に気を付けないと!私が選んであげる!」
──彼女は友に出会った。
エルフ、兎人族、ヒューマン。三つ種族の違う彼女達に出会い、友という言葉を知った。心から本音を語り合える存在だ。
【オリビア、お前は竜人でありながら、竜族を超える力を持っている。“エンド”様程とは言わないが、この時代においてお前とまともに戦える相手がいるかどうか……】
──彼女は強すぎた。
種族で最強の位置にいる竜族の王でさえ、圧倒できる程の力を持っていた。彼女は、強さを見失いかけていた。強さに意味があるのかと疑問を持ち始めていた。
「お初にお目に掛かりますオリビア王女殿下。私はシャルと申します。青の薔薇所属のCランク冒険者でございます。先日書簡を頂戴致しましたので、馳せ参じました。」
──彼女は、今まで出会った事のない女性に会った。
顔は見えないが、気品に溢れ、声が美しく、戦わずとも感じる強者の気配を持つ女性に、
「……ぬぅ。」
「……え?えっと〜……オリビア?」
「うむ!」
──彼女は気に入り、友になりたいと願った。
それに彼女は応えてくれた。まだぎこちないが、いつか本当の友として接してくれる事を願う。
「全力で来てねオリビア?私がちゃんと全部受け止めるから。」
──そして彼女は、真の強者の片鱗を見た。
力の底が知れず、女性としても思わず心惹かれてしまう優しさを持ち、何処までも強く、遠く近い存在の力を。
いつか彼女の辿り着いた強さを本気を見てみたい。そして、純粋に一人の友として話していきたい。何故か彼女とは似てない筈のなのに、似ている所がある気がするから、色々聞いてみたい事がある。
「妾とシャルは友達…いや、親友じゃ!」
「いきなりどうしたの!?なるのは良いけど、唐突過ぎない!?」
──だから、
「これからよろしく頼むぞ、シャル。」
「ええ、よろしくね、オリビア。」
──オリビア・ディル・ドラグニアの人生に大きな変化が訪れた。




