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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
集結、青の薔薇!!スター商会とホルンの試験
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集結、青の薔薇!!スター商会とホルンの試験 2

 ◆◆◆◆


「ほほう、これがシャル様の所属している“青の薔薇ブルーローズ”でごぜーますか。」

「そう、全体的に青をベースにしたお洒落な洋館なの。」

「ふむ、キューマスターが作った屋敷には負けるでごぜーますな。」

「あんたはなんで拠点に着いた早々、自分の住んでる屋敷と比べてるのよ?大きさならこっちの方が大きいでしょ?」

「やれやれ、舐めてもらっては困るでごぜーますよ。」

「どういう事?」

「妖精の秘密であります!」

「何なのよ。」


 シャル達三人は拠点に到着した。拠点の外観について話しながらも、三人は中に入って行った。



「リナリー団長、シャルちゃん!……と、フィーちゃん?」



 中に入るとすぐにコリンが迎えてくれた。


「おはようコリン。」

「もうお昼ですよ?」

「あら、意外と時間が経ってたのね。ちょっと街を歩いていたからかな?」

「まぁ、皆集まっているので丁度良い時間でしたよ?」

「コリンさん、こんにちは。」

「こんにちは、シャルちゃん。」

「グッド、アフタヌーン!エメラルドハーフエルフ!」

「ぐ、ぐっど?エメラルドハーフエルフって何?なんか新しい種族になってるけど。」

「気にしたら負けです。」

「フィーの発言全部受け止めたら後悔するわよ?」

「しどい!」


 軽く談笑しつつ、コリンから今の状況を聞いた。青の薔薇ブルーローズの団員は全員集まっているそうで、丁度リナリーとシャルを待とうかという時に拠点に着いたらしい、


「じゃあ、顔合わせといきましょうか。」

「どんな人達がいるんだろう。」

「会ってからのお楽しみね。」

「レッツゴー!でごぜーます!」


 四人は団員が待つ、大広間へと向かった。



 ◆◆◆◆



「リナリー団長!シャル!……と、フィー?」

「あ、ガーネット。」

「赤ポニでごぜーますね。」

「赤ポニって、初めて言われたんだけど。というか、ガーネットって名前あるからね?」

「ガネッち。」

「何だろう、響きが良くないよ。」

「そういう問題?」



 大広間の出入り口付近でガーネットに遭遇した。フィーに呼び方の訂正をお願いしつつ、挨拶を交わす。


「しょうがないでごぜーますね。“ざくろちゃん”はいかがでありますか?」

「何処からその名前がきたの!?ガーネットって呼んでよ!」

「それはわっちの個性に関わるので、拒否でごぜーます。」

「シャルは名前で呼ぶのに?」

「そもそも偽名……」

「フィー?」


 ギュッ、


「ぬん!?」

「ガーネットは、ガーネット。」

「う、なんという抱擁力……しょうがないでごぜーますね。ガネッちで許してあげるであります。」

「あ、そこは譲らないのね?」

「……もう、ガネッちで良いよ。」


「話を先に進めて良いかしら?あと、フィーはそこを代わりなさい。」

「何故さらっと代わろうとしているでごぜーますか!?前から気になっていたでありますが、リナッちの知られざる一面を見てわっちはびっくりでごぜーます!」


 ガーネットの呼び名が決まった所で、シャルに抱き締められたフィーを引き剥がして、シャルに抱き付こうとしながら、リナリーが話し掛けた。


「リナリー団長、絶対にシャルちゃんに対しての接し方が、あの手合わせの前と違うんだけど。」

「多分本人は、無自覚であの言葉を言ってますよね?」

「どれだけ、シャルちゃんの抱き心地が良いのかしら?」

「今度、抱き締めさせてもらいましょう。」

「そうね、そうしましょう。」


「ガーネット、コリンさん!?見てないで助けて下さい!」


 リナリーとフィーの小さな攻防の影響を受けつつ、シャルはガーネットとコリンに助けを求めた。


「あ〜、団長?」

「ん?あら、アズライト。どうしたの?」

「いや、シャルに抱きつきながら首を傾げられても。というか、皆見てるんでそろそろシャルを紹介してくれないと。」

「え?」


 じぃ〜、


 アズライトに言われてリナリーが周りを見渡すと、勢揃いした団員に生暖かい目で見られていた。


 シュバッ!


「ご、ごほん!皆良く集まったわね!」


(((((この人、誤魔化す気だ。)))))


 今の自分の状況を把握したリナリーは、素早い動きでシャルから離れ、何事も無かったかの様に話を進めようとした。


「それにしても、多いわね。」

「まぁ、全員集まるのは案外初めてかもしれないですね。」

「そうなんですか?」

「うん、少なくとも、私は見てないな。」

「ほうほう。」


 大広間には見た事がある様な冒険者と、初めて見る冒険者が沢山いた。アズライトやガーネットの話だと、全員集まるのは初めてらしい。


「リナリー団長、『魔導拡声機』です。」

「ありがと。」


 リナリーはコリンから『魔導拡声機』を受け取り、先程の行動の事は一切触れずに話を進めた。


 《はい、では皆。ちょっと前にうちの組織に所属した冒険者を紹介するわ。知ってる人もいるだろうけど、知らない人も多いだろうから、改めてね。じゃあ、シャルちゃんよろしく。》


「あ、はい。」


(ちゃんと挨拶しないと。)


 シャルはリナリーに呼ばれて前に出た。そして、『魔導拡声機』を受け取り自己紹介を始めた。


 《皆さんお初にお目に掛かります。私、少し前に青の薔薇ブルーローズに所属致しましたCランク冒険者のシャルと申します。訳あって顔と素性を隠しておりますが、団員になる以前は山奥でずっと暮らしておりました。自身で言うのも何ですが、世間知らずでございます。何かとご迷惑をお掛けするかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。》


(((前より丁寧な挨拶してきた!?)))


(((訳あって顔と素性隠しているのに、山奥でずっと暮らしていたって……もっと何か良い設定あったでしょ。というか挨拶丁寧で声綺麗だな。)))


 前に自己紹介を聞いた者は、前よりも丁寧な挨拶に驚き、初めての者は明らかに何処ぞの貴族のご令嬢だろ?と、山奥設定に生暖かい視線を向けながら思った。


「……シャルちゃん。やっぱり、色々謎よね。」

「事情を知らない者からしたら謎が多いでごぜーますね。」

「え、フィーは知ってるの?」

「契約しているでごぜーますからな。」

「え!?教えて?」

「守秘義務がごぜーますから、拒否でごぜーます。」

「うう、残念。」

「私も聞いて見たかったわ。」


 フィーの発言でリナリー、コリン、ガーネットが、シャルの素性が気になったが教えてもらえず。自己紹介を終えたシャルがリナリーに『魔導拡声機』を渡す。


 《じゃあ皆、シャルちゃんに自己紹介をって、言いたい所だけど。》


 リナリーはそう言って大広間にいる冒険者達を見渡す。


 《多いから、“ドラグニア流自己紹介”で行きましょうか。》


『『『『『え!?あれ、やるの!?』』』』』


「“ドラグニア流自己紹介”?」

「ほうほう?わっちも初めて聞くでありますな。」


 ドラグニア流自己紹介、その言葉を聞いてシャルとフィー以外が全員驚愕した。どうやら、普通の自己紹介では無いらしい。


「リナリー団長?ドラグニア流自己紹介って何ですか?」

「やっぱり知らないわよね?ドラグニア流自己紹介っていうのは、ドラグニア王国の初代国王が発案した自己紹介なの。」

「ドラグニア王国の初代国王がですか?」

「そう、シャルちゃん。『百人組手』って知ってる?」

「はい、一人で百人と連続して組手を行う事ですよね?」

「それは知っているのね……まぁ、その『百人組手』を古文書から知ったドラグニア王国の初代国王が、城に仕える人を覚えられない時に時閃いたの『百人組手しながら自己紹介したら覚えられるんじゃないか?』って。」

「「どうしてそんな発想になったの!?」」


 予想外の自己紹介の方法に驚くシャルとフィー、


「まぁ、歴代通して戦うのが好きな家系だからね。でも、意外とどんな武器を使うか、どうやって戦うかとか、その人の性格とかも意外と読み取れるから、国で流行ったの。」

「「流行ったの!?」」


「「「「「いやいや、流行って無い!流行って無いから!」」」」」


 リナリーは流行ったと言っていたが、リナリー以外のメンバーは全員否定した。


「リナリー団長?あれはオリビア王女殿下が、城内でのみ流行らせていたものを無理矢理冒険者ギルドで実行しただけですから。」

「あれ、一対約百で一件数の多い方が楽出来ると思ったら、オリビア王女殿下が遠慮なく戦って、怪我人が続出した危険なやつだから、シャルも強いから同じ事が起きるって!」

「ええ?私もあれ良い方法だなって思ってたけど。」

「「それはリナリー団長が強いからでしょう!?」」


 リナリーに代表して力強く否定するコリンとアズライト。リナリーも意外と良い方法だと思っていたので、皆に否定されて首を傾げていた。


「ねぇ、フィー?初代国王が古文書・・・から『百人組手』を知ったって言ってたけど。」

「多分キューマスターでごぜーますね。キューマスター意外の転生者の話は聞かなかったでありますし、なんか『武術の話とか流行らせたら、面白くないか?』ってその手の本を書いていた記憶があるでごぜーます。」

「……それが、ドラグニア流自己紹介を生み出したのね。」

「転生者が関わってそうな件は、ほぼ間違いなくキューマスターが関わっていると思って良いであります。」

「覚えておくわ。」


 リナリーを何とか説得しようと奮闘する青の薔薇ブルーローズを見ながら、キューマスターは色々やらかしてそうだな、と思うシャルだった。



 〜ギルド総本部 訓練場〜



「シャルちゃん、本当に素手でやるの?」

「はい、武器を使うと壊してしまうと思うので、素手でいきます。」

「シャル様は素手でも戦えるのでごぜーますか?どこまでチートなんでありますか?」


 青の薔薇ブルーローズの団員の説得は不発に終わり、シャル対青の薔薇ブルーローズの百人越え組手が行われようとしていた。


『なぁ、これなんの催しだ?』

『ドラグニア流自己紹介を青の薔薇ブルーローズの団員が、あの“隠者”のシャルにするらしい。』

『ドラグニア流自己紹介を!?あの王国の城内でしかやらない様にと側近の人が頑張っていたのを、オリビア王女殿下が台無しにしたあのドラグニア流自己紹介を!?』


(((((なんであんな説明口調なんだよ。)))))


 多い人数でドラグニア流自己紹介をするには、ギルド総本部の訓練場(闘技場)を使う必要があった。ただ青の薔薇ブルーローズの団員が全員揃っているのは非常に珍しく、既にギャラリーで観覧席は埋め尽くされていた。


「じゃあ皆!準備は良いかしら!」


「「「「「もう、どうにでもなれ〜!!」」」」」


「どういう返事の仕方よ!?まぁ、いいわ。じゃあ、最初にあたしが手本を見せるから、その後はシャルちゃんと面識のある人から自己紹介して、その後にシャルちゃんに自己紹介してないAランクチームから自己紹介してね。」


「「「「「おぉ〜〜!!」」」」」


 ほとんどの団員が投げやりな態度で返事をしていたが、準備は整った様だ。


「じゃあ、わっちは観覧席で見ているでごぜーます。」

「分かったわ、また後でね。」


 フィーはシャルに一言声を掛けると、観覧席の方に行った。


『あれ!?妖精!?』

『気にせずゴー!』



「シャルちゃん、最初にあたしが自己紹介する時、一応ドラグニア流自己紹介を説明しながらやるから、その後は流れでやってね?」

「はい、分かりました!」


 内心シャルはワクワクしていた。一対百以上の集団の戦闘は何度も経験しているが、本当の『百人組手』では無いが、こういうのは実は初めてなので、どういう感じなのかワクワクしていた。そして、シャルとリナリーが向かい合い、他の団員は大きく周囲を囲む様に位置を取ると、


「その一、名乗りをあげる。あたしは青の薔薇ブルーローズの団長にして、薔薇の集いの一人!Sランク冒険者のリナリー・ルー・ブルーローズ!!」


 まずリナリーが名乗りをあげた。


「その二、自分の種族、得意武器、愛用の武器の名前があればその名前を言う。種族はエルフ!得意武器は剣!愛用の武器は不壊の氷剣“セルシウス”!」


 そして、種族、得意武器、愛用の武器の名前を言う。


「その三、戦いながら会話する。自分の趣味や特徴を言って覚えてもらう。という事でいくわよ!」

「はい!」


 シャルは素手で構え、リナリーも氷剣を構え、


「アイス・フィンガー!!」


「「「「「“セルシウス”は!?」」」」」


 青の薔薇ブルーローズ団員の突っ込みをよそに、空いていた片方の手に氷を纏わせ、その手をシャルに突き出した。


(乙戯流体術……“りゅう”!)


 シャルはその攻撃を簡単に受け流し、


「趣味は可愛いぬいぐるみや置物を眺めたり、抱きしめたりする事!最近シャルちゃんの声の可愛さと抱き心地にやられて、シャルちゃん限定で可愛い物好きの本能が目覚めるわ!」


「「「「「まさかの自白がきた!?」」」」」


「えっと、落ち着いて下さいリナリー団長!気持ちは分かりましたから、露骨に抱き付いて来ようとしないで下さい!!」


「「「「「……あの人、あれさえ無ければなぁ。」」」」」


 リナリーの猛攻?を上手く躱しつつ、立ち回るシャル。


「……はっ!ちょっと、我を忘れてたわ。」

「ちょっと?」

「え、えっとその四!負ける!」

「え?負ける?」


 リナリーの発言に突っ込みを入れようとしたが、その四の内容にちょっと驚いて聞き返してしまった。


「まぁ、国王の為の自己紹介だからね?さぁ、シャルちゃん。上手い具合に攻撃して!」

「は、はい。」


(えっと、しょうの型……“掌波しょうは”。)


 ドッ!


「おっと!」


 シャルの軽い攻撃を受けたリナリーはそのまま、団員のいる輪の中に入っていった。


「これがドラグニア流自己紹介の一連の流れよ!最初はゆっくりやったけど、この流れでどんどん行くわよ!出来る限り手加減してね!」

「分かりました!」


(((((今のリナリー団長だからなんとも無いけど、中々の威力だったよね?)))))


 この後に続く団員達は不安な気持ちがいっぱいの中、次にコリンが前に出た。


「私は青の薔薇ブルーローズの副団長にして、Aランク冒険者!コリン・ティー・アロッサ!種族はハーフエルフ、得意武器は鞭!愛用武器は薔薇の魔導武器“ローズ・ウィップ”!!」

「え、鞭?」


 パシン!


 コリンが名乗りをあげ、鞭を取り出した。シャルはコリンの持つ意外な武器に驚いた。


『女王様!女王様でごぜーますね!』

『ああ、やっぱり女王様だよな。』


「そこの妖精と冒険者!!どこが女王様なのよ!?鞭持ってるだけでしょ!?」


(((((いや、気が強いのと、それが原因だよ。)))))


 コリンが女王様と呼ばれているのが、威圧感や気の強い性格が影響しているかと思ったが、どうやら、鞭をメインの武器にしているのが大きな原因の様だ。ポーズも様になっている。


「もう!……じゃあ、シャルちゃん。行くわよ?」

「はい、いつでもどうぞ。」


 タタタタッ!


 コリンは真っ直ぐシャルに向かって走ると、


「ローズ・ウィンド!!」


 ブォォォ!


 薔薇の花びらが舞いながら、強烈な風がシャルに向かっていく、


「ちょっと威力が強かったかな?……えっと、趣味はお茶会や買物!紅茶が好きで紅茶仲間が何人かいるわ!ロン、トワ、ベルモット、ミントちゃん、竜騎兵のリリアンはいつもお茶会にいるメンバーよ!」

「リリアンさん?その人は初めて聞きますね?」

「今度紹介するわ!」

「分かりました。あと、今度お茶会しましょう。美味しいお菓子作ります。」

「本当!?楽しみにしてるわ!」


(掌の型……“天昇てんしょう”!)


 ザッ!ドドッ!


 シャルは、迫る薔薇の風から距離をとりつつコリンと会話した。そしてお茶会の約束をすると掌底を上に突き上げ、薔薇の風を弾いた。


「え?素手でそんな簡単に弾けるの?」

「はい、あれくらいなら問題ありません。では、自己紹介ありがとうございました。」


 トッ!


「うわ!?」


 コリンに一言掛け、シャルは軽い一撃を当て、コリンを青の薔薇ブルーローズの輪に戻した。


「コリンの自己紹介は終わりね!次は『ジュエルナイト』!」


「「「おう(はい)!!」」」


 リナリーの一言で、アズライト、ラピス、ガーネットの三人が出てきた。


「改めて挨拶させてもらう!俺の名はアズライト!ジュエルナイトのリーダーにして、Aランク冒険者!種族はヒューマン!得意武器は大剣!愛用の武器は七種の魔力が込められた宝石を使って作った宝剣“ジュエルソード”!」


 ジャキン!


 アズライトが大剣を構え、ラピスが次に名乗りをあげる。


「私の名前はラピス!ジュエルナイトのメンバーの一人で、Aランク冒険者!種族はヒューマン!得意なのは土と水の魔法、杖でそれ以外を補っているわ!愛用の杖はアズライトと同じ七種の魔力が込められた宝石で作った宝杖“ジュエルロッド”!」


 チャキ!


 不思議な音を出す杖を構えるラピス。


「私の名前はガーネット!ジュエルナイトのメンバーの一人で、シャルと同じCランク冒険者!種族はヒューマン!得意武器は弓!愛用の武器は二人と同じ七種の魔力が込められた宝石で作った宝弓“ジュエルボウ”!」


 リリン!


 ガーネットの持つ弓も不思議な音を奏でる。


「「「面倒なので、一斉に攻撃する!!」」」


「え?ど、どうぞ。」


 早く終わらせて、観戦したいのか、一度に自己紹介して三人同時に攻撃する様だ。


「趣味は、魔法剣を極める事!常に七種の魔力を扱う訓練をしている!ラピスとは恋人関係にある!」

「え?そうなんですか!?」

「う、うん。そうなの。」


『ヒューヒュー!見せつけてくれるでごぜーますなぁ!』

『『『爆発しろ!!』』』


「おい、そこの妖精は煽るな!あと他の連中は何物騒な事言ってるんだ!」


 アズライトの一言で顔を真っ赤にするラピスを見て、観覧席にいるフィーが煽り、出会いの無い冒険者達は恨みを込めて発言した。


「つ、次は私ね?しゅ、趣味は料理!アズライトが好きな献立を考えていつも料理してます!」

「お、おう。いつもありがとう。」

「うん。」


『いいでごぜーますか?アレが「現実が充実している」略して現充げんじゅうでありますよ?オマイらみたいな連中にとっては幻獣げんじゅうのような空想上の生物でごぜーますよ。』

『『『この現充が!!!』』』


「おい待てそこの妖精!妙な言葉を教えるな!!」

「本当よ!」


 あまりにも甘い雰囲気に耐えられなかったのか、フィーの謎の講義が観覧席で始まり、出会いの無い冒険者達は教えてもらった言葉を恨みを込めて言った。


「良いな〜……あっ!私は色んな人をお話しするのが好きなの!いつか、王子様とお話ししてみたいな〜と思ってます!あわよくばお姫様に……なんてね!」


 アズライトとラピスを見た後、自己紹介中だった事に気付いたガーネットは、自分の願望をシャルに話した。


「素敵な夢ね。良かったら今度相談に乗るわ。礼儀作法ならちょっと教えられるから、貴族のパーティーに参加する機会があれば役に立つと思うわ。」

「本当!?じゃあ、いつかお願いね?……とういうかシャル?隠せてないけど、隠さないと。」

「大丈夫、礼儀作法ぐらいで素性はバレないわ。」

「ええ?」


 シャルとガーネットは楽しそうに会話して、いつか礼儀作法を教える約束をした。


「よし、後であの冒険者達には一発お見舞いするとして、技の披露だったな?」

「威力を落としたあれにしようかしら?」

「私はあの技にする!」


 ジュエルナイト三人は一斉に構えた。


「セブンズソード!」

「レインボーマジック!」

「スターダストアロー!」


 キュイーン!キラキラキラ!キーン!


 綺麗な光を放つ技が一斉にシャルに向かっていく、


「綺麗……三人とも良い技を持ってますね。」


(流の型“流星りゅうせい”……合わせ、“流輝星りゅうきせい”!)


 キュゥゥ……ギュン!


 両手で三人の攻撃を綺麗にいなしながら、空気の玉の中に全ての攻撃を纏めたかと思うと、浄化の力で無力化し空に投げ、


 キラキラキラ!


 綺麗な流れ星にした。


「……凄いな。」

「……まさか、こんなに綺麗に受け流されるなんて。」

「……シャル、凄い。」


「自己紹介、ありがとうございました。」


 トトトンッ!


「おぉ!?」

「きゃ!?」

「うわ!?」


 ジュエルナイトの三人は、輪の中に戻された。

ドラグニア流自己紹介が始まりました!皆は何人覚えられるかな?メインキャラ以外は全く設定を考えていない作者の乏しいキャラ発想をお送りします。

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