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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
家とダンジョンとシャル
33/111

家とダンジョンとシャル end

 ダンジョンでの戦いが終わり、数日が経った。


「シャルさん、本当にお世話になりました。」

「良いのよ、ドラグニア王国にはまた来るの?」

「はい、次に来る時は僕がBランク冒険者として、各地にある古参のダンジョンに潜れる様になってからですけど。」

「そっか、寂しくなるわね。」


 ロックは、アーランド王国に戻る事にした。ご両親の弔いをする為、目的を達成した事をお世話になった商人のおじさんに報告する為に、


「シャルさん、父と母の仇をとってくれて、ありがとうございます。」

「良いのよ、命を救いたかったけど、私には彼らの魂を導く事しか出来なかったから。」

「それでも、シャルさんがしてくれた事は誰にも出来なかった筈ですから、それに・・・」

「それに?」


 ロックは真っ直ぐシャルを見つめると、


「父と母の声が最後に聞こえた気がするんです。『自分の生きたいように生きて欲しい。』って。」

「・・・ロック君。」

「だから、僕は冒険者になる為にアーランド王国で強くなります。父と母が生まれ育った国で、僕も同じ様に・・・そしていずれ、世界中のダンジョンを踏破してその名を轟かせて見せます!」

「頑張ってね。」

「はい!」


 自分の夢を語った。シャルは、きっと彼なら出来る気がして応援した。


「だから、シャルさん。」

「何?」

「いつか、Bランク冒険者になって、立派になって逢えた時は・・・」


 そしてロックは、強い決意を秘めた目で見つめる。


「僕に、シャルさんの剣術を教えて下さい!」

「私の、剣術?」

「はい!シャルさんの様に強くなりたいですし、僕にとっての憧れ、目標なので!!」

「なんだか照れるわね・・・良いわ、その時はしっかりと教えてあげる。並みの修行じゃ無いから覚悟してね?」

「は、はい!」


 きっと彼の冒険は、ここから始まるのだろう。ロックという一人の少年が冒険者になり、いずれは世界中のダンジョンを巡る冒険が、


『アーランド王国行き〜、まもなく出発します〜!』


「あ、いけない!乗り遅れる!では、また!」

「ええ、またね!」


 バサ、バサッ!


 竜の定期便に駆け込み、手を振りながら竜に乗るロック、そして竜は飛び立つ、


 バサッ、バサッ・・・、


(また逢う時は私も、もっと立派になって、驚かせてみようかな?)


 目立ちたく無いのではなかったのか、そんな突っ込みはこの場に誰もいないので出来ないが、ロックに手を振りながら、シャリーゼ・ログ・アーランドとして、シャルとしての気持ちも少しずつ変化している気がするのだった。

三章はこれで終わりです。次は幕間を挟んでからの四章となります。活動報告にて詳細をお伝えしますが、また一週間程お時間を頂きます。ではまた。

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