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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
青の薔薇と氷帝
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〜幕間〜「薔薇の集い」

短いですが幕間です。第二章〜登場人物紹介〜も投稿しています。

 ある晴れた昼下がり、ある王宮の中庭でお茶会が開かれていた。


「それで?新しい噂の団員とやらは、妾の気に入る人物らしいな?」

「ええ、実力は間違いなく、まともな装備なら私を遙かに凌駕する程の実力よ。」

「あらあら、それは本当に凄い事ですね〜。」


 三人の美女と美少女が 優雅にお茶を飲みながら会話していた。


「そうかそうか、会うのが楽しみじゃな・・・いつ会える?」

「今は城から出るのを禁止されているでしょう?直接こっちに来るとしても、何かしら理由が必要じゃないかしら?ジードが聞いたらまた『姫様!また王女としての責務を忘れて!許しませんぞ!』って言われるわよ?」

「ぬぅ、ジードのやつはいつもの事だし、父上も大目にみてくれていたのだぞ?何故一年も冒険者活動と都市に出るのを禁止に・・・」

「ここ数年、城にも帰らず冒険者活動していればね〜?あたしてっきり城から通っているかと思ったのに、一年なら軽いほうじゃ無い?」

「・・・私も、それは擁護出来ませんでしたわ〜。」

「・・・ぬぅ。」


 優雅に座ってお茶会をしているのは、オリビアとリナリーとホルンだった。丁度シャルについて会話しているようだが、途中からオリビアの素行について問われ、何も言い返せず唸るオリビア。


「・・・あの〜・・・皆さん?」

「「「どうしたの(じゃ)?フランソワ。」

「いえ、えっと〜・・・そろそろこの状態から解放してくれませんか?」

「「「駄目よ(じゃ)。」」」

「そんな〜!?」


 そして少し離れた位置で、反省と称して地面に正座させられているのはフランソワ。涙目になりながら三人に訴えかけたが、即座に断られ嘆いた。


「お主がした事は、下手をするれば大きな騒ぎと混乱を招きかねない危険な行為かつ、友情にヒビが入りかねない軽率な行為じゃ。」

「そうですね、幸い相応しい人格と実力の持ち主の様ですし、騒ぎと混乱もありましたが、早期に収まりました。でも、まだ私とオリビアが認めていないので当分は許しません。」

「反省してる!反省してるから〜!・・・リナリー〜!この二人に何か言ってよ〜!」

「シャルちゃんは良い子よ?私も認めたし・・・でも、それとこれとは話は別よ!」

「ええ〜ん!」


 優雅にお茶も楽しめず正座させられるフランソワ。もはやこのお茶会で味方はいない。


「シャルというルーキーには、いずれ会う口実を考えるとして・・・それで?ここ最近の凶暴化についての情報は?」

「それは私も気になっていました〜。」

「私も私も〜!」


 シャルの話をしていたが、本来の議題は魔物の凶暴化についてだった。詳細を知らないリナリー以外の三人はリナリーの回答を待つ。


「凶暴化ね・・・一番最近の出現場所は、クレメンスの街から少し離れた荒野。今までで一番強力なゴブリンキングとオーガキングの二体とその軍勢。まぁ、シャルちゃんが倒したけどね、それ以外でも各所から報告が上がっているわ。どうしてそんな状態になるのかあまりよく分かっていないけど、どうやら原因は黒い煙の様なものらしいわ。」

「「「黒い煙?」」」


 三人は首を傾げた。


「そう、特徴は普通の魔物と違う異様な気配、妙に知性が高く口癖は『破滅』、おそらく黒い煙の侵食度合によって体質が変わる様だけど、酷いレベルだと切った所から血ではなく黒い煙が出るそうよ?今の所魔素から生まれる魔物にのみ影響があるみたい。」

「・・・それは異様じゃな。」

「あまり良く無い傾向ですね〜。」

「ふーむ・・・研究する必要がありそうね。今度現れたら教えて?」

「ええ、初めからそのつもりよ。」


 フランソワは正座しているが、四人は真剣な表情でそれぞれ謎の黒い煙について考えた。


「とにかく、『破滅』という事からその魔物は“ルーイン”と名付けたわ。」

「“ルーイン”・・・か、城の者たちにもその情報は共有しておく。」

「私も商会の皆や各ギルドに伝えておきますわ〜。」

「私達も独自に調査を進めるわね。」

「宜しくね。あたしも冒険者の皆に伝えておくわ。」


 四人は新たなに現れた脅威を警戒しつつ、いつもの近況報告を始めていく、


「そういえば最近、新しい商品が入荷しましたわ〜。」

「ほう?どんな商品じゃ?」

「化粧品です〜。お水なんですが、肌に潤いを与えて綺麗に保ってくれるのですよ〜。」

「へぇ〜!良いじゃない!今度売ってね?」

「もちろん、安くしておきますわ〜。」

「「宜しく。」」



「・・・あの〜そろそろお茶飲みたいな〜?」

「「「却下。」」」

「そんな〜!?」


 こうしてフランソワを除き、薔薇の集いの三人は優雅な時を過ごすのだった。

オリビアとホルンについては、後々の章で細かい容姿や詳細が出てきます。

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