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隠者のプリンセス  作者: ツバメ
青の薔薇と氷帝
18/111

青の薔薇と氷帝 end

あっさりと終わりです。

 〜大酒場“竜の尻尾ドラゴンテイル”〜


「それじゃ、シャルちゃんの入団を祝して・・・乾杯!」

「「「「乾杯!!」」」」


 大酒場“竜の尻尾ドラゴンテイル”、今この酒場には青の薔薇ブルーローズの団員で暇だった人達と、観覧席にいた冒険者達が集まって宴会をしていた。


「シャルちゃん、自己紹介お願いね。」

「はい!・・・え〜皆様、訓練場にいた方はご存知かと思いますが改めまして、シャルと申します。山奥でずっと暮らしていたので、この国の事や色々常識的な事を知らないのでご迷惑をお掛けするかと思いますが、どうぞ宜しくお願い致します!」


((((山奥でずっと暮らしていたって、絶対に嘘だろうな・・・というか、挨拶丁寧だし声が綺麗だな。))))


 リナリーに言われて挨拶するシャルに、青の薔薇ブルーローズの団員とその他大勢はシャルの山奥設定に暖かい目を向けながら、挨拶の丁寧さから絶対に何処かの貴族のご令嬢なんだろうなぁと、酒場にいる人達全員が思った。


「はい、自己紹介終わり!細かい質問は後日してね。じゃあ、飲むわよ!」

「「「「オォォォ!!」」」」


 そしてリナリーがシャルの自己紹介をすぐに終わらせると、皆また飲み始めた。


「はい、シャルちゃん。お酒じゃなくて、果汁を絞った飲み物よ。」

「ありがとうございます、コリンさん。」

「シャル、私もお酒飲めないから一緒の席に座ろ?」

「うん!」


 シャルは、コリンとガーネットと共に、同じ席に着き食事をとりはじめた。


「あ、そうそう、王種二体と魔物の軍勢を倒した報酬を渡してなかったわね。」


 ドンッ、ジャラジャラ!


「はいどうぞ。」

「こ、こんなに貰って良いんですか?」

「むしろこんなに貰わなかったら割に合わないわよ?」

「シャル、一気にお金持ちだね。」


 コリンから受け取った報酬は金貨100枚、前世で言う一千万円相当の価値があった。


「何に使おう?」

「とりあえず新しい剣でも買って、後は・・・家とか?」

「・・・家か・・・それは良いかも・・・ありがとガーネット、少し使い道が出来たよ。」

「へへ、それは良かった。今度案内してあげるね?」

「うん!」

「・・・良いなぁ、私もついて行って良い?」

「「良いですよ。」」


(どんな家に住もうかな?)


 金貨100枚を収納し、ガーネットとコリンと話しながら、次の目的が出来てわくわくしてきたシャル、


「シャルちゃん!何話してるの〜?」


 ポフッ、


「リナリーさん?!」


 そこへ少し酔っ払ったリナリーが、シャルの膝元に座って胸元に頭の後ろを預けた。


「リナリー団長、飲み過ぎですよ。」

「良いじゃない!こんなに飲めるの久々なんだから。」

「前にぬいぐるみ抱きしめながら大勢の前で寝て、“氷の天使アイスエンジェル”って名前でしばらく団員にからかわれたの忘れたんですか?」

「うっ?!・・・気を付けるわ・・・でも寝てもシャルちゃんだから大丈・・・」

「リナリーさ・・・いえ、リナリー団長?酔いを覚ます良い技があるんですけど・・・」

「絶対に飲み過ぎないし、寝ないわ!」

「「ならば良し!」」

「コリン副団長にシャル・・・息ぴったり。」


 和気あいあいと話しながらじゃれあっていると、


「あ、そうだシャルちゃん?」

「なんですかリナリーさん?」


 リナリーは、シャルの膝元に座りながら首だけを上に向けると、


「今これを皆に見せちゃお?多分後回しにしたら面倒な事になりそうだし。」

「ああ・・・そうですよね。」


 リナリーは、シャルのしている指輪を指差して周囲を見渡した。


「大丈夫よ、私達もいるし騒ぎは最小限に抑えるわ。」

「シャル、任せて!」

「・・・はい。」



「は〜い、皆!さっきシャルちゃんの事で言い忘れてた事があるの!」


「「「「言い忘れてた事?」」」」


 そして、リナリーが立ち上がって酒場にいる冒険者達に呼び掛けると、


「え、えっと、どうも。」


 シャルは少しドキドキしながら立ち上がり、冒険者達を見た。


「あの実は・・・」


 そして左手を上に掲げ、中指に嵌めている白薔薇のエンブレムが輝く、


『え?あれって・・・まさか?』

『おいおいどうした・・・え?』

『何々?どうしたの・・・え?』


「白薔薇のエンブレムをフランソワさんから頂きました。」


「「「「なにーー?!」」」」


 シャルの一言で、酒場にいる冒険者が全員叫んだ。


「ちなみにあたしもそれを持つ事を認めているわ!・・・オリビアとホルンはまだだけどね。」


「お、おい!とんでもない事だぞ?!」

「す、すぐに都市中に知らせないと!」

「そうなると、彼女も“薔薇の集いに”?」

「凄いわ!!」


 リナリーの後半の言葉は皆には伝わらなかったが、白薔薇のエンブレムが本物だと分かると、全員が騒ぎ出した。


 ドンッ!


「あんた達!いくらなんでも騒ぎ過ぎだよ!!」


(うわぁ・・・カオスね。)


 こうしてのシャルの青の薔薇ブルーローズデビューは、竜の尻尾ドラゴンテイルのかつてないほどの騒がしさと共に迎えるのであった。

また次の章の為、一週間程執筆作業に入ります。準備の詳細について近いうちに、出来れば今日中に活動報告にてお知らせします。

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