幕間〜レッツ・パーリィナイト!!〜
一旦箸休め的なノリで書いてます。深くは掘り下げて無いです。
ガチャッ、
「……さて、皆聞いておったな?」
「ええ。」
「はい。」
「うん。」
オリビアの言葉に応える、リナリー、ホルン、フランソワ。丁度良く集まっていた所にシャルから連絡が来ていた為、話の内容はすぐに理解していた。
「催し物か、何をしたら良いの?」
「今回はかなり規模の大きい物にする必要がありますわ。」
「となると、全部のギルドに声を掛けるべきね。」
今ここに集まっているのは、ドラグニア王国において最高クラスの権力を持つメンバーが揃っている。やろうと思えば大抵の事は可能だった。
「……妾も参加出来るのであろうな?」
「今回表向きはただの催し物だけど、ウォット大陸の問題を解決する必要もあるから、王女も動かないと皆の気を引けないわ。」
「そ、そうか!!」
「ただ遊びたいだけねオリビア?」
「ゔっ。」
「まぁまぁ、今回は本当に遊ばないといけないから仕方ありませんわ。ちゃんと国王様と王妃様を説得しましょう。」
「そうね。」
「うむ!」
今回は真剣にそして全力で催し物を行う必要があるので、国全体を巻き込む必要性が出てくる。謹慎中のオリビアももちろん参加して盛り上げる必要がある。
「企画はどうしましょう?今までのやり方だけでは盛り上がらない可能性もありますわ。」
「今までとは違う奇抜な案が必要になるわね。」
「奇抜ねぇ……あっ。」
ふと、リナリーの脳内にあの妖精の姿が思い浮かんだ。
「フィーを巻き込もう。」
「まぁ!フィーさんを!?それは良い案ですわぁ」
「あら!面白そう!」
フィーは未知の物を持っている可能性が高く、催し物を盛り上げる何かがある可能性が高かった。ホルンとフランソワもリナリーの意見に賛同した。
「ほう?噂の妖精か、妾も話てみたかったからのう。良い案じゃ。」
オリビアも即賛同した。
「じゃあ、交渉は私がやるから、皆は人を集めておいて。」
「「「了解!!」」」
◆◆◆◆
「ほほう?催し物とな?」
「そう、何か良い案ない?あんたずっと引き篭もってたでしょう?」
「さり気無く酷い事言うなでありますよ!リナっち!」
ピシッと突っ込みを入れつつ、お茶をすするフィー。突然何か良い案がないかと言われて困るかと思っていたが、凄くキラキラした目でリナリーを見ていた。
「ふっふっふ。わっちに相談しに来たのは素晴らしい選択でありますなぁリナっち。催し物もとい祭りに関しては予習済みでごぜーますよ!!」
「祭り?」
「そう!祭りでごぜーます!」
◆◆◆◆
「なぁ、リナリー団長から集まれって言われたけど、どういう状況だ?」
「私達も何も聞いてないんですよ。ホルン様からここに集まって欲しいって言われて。」
「あら、そっちも?うちもフランソワ様から言われて来たのよ。」
ギルド総本部に集まった面々は、特に何も聞かされてないままロビーに来ていた。今手の空いているメンバーは殆ど来ていた。
「我々、王国騎士も集められたのだが……」
「なんでもオリビア王女殿下が特例で謹慎が解けてここに来るとか。」
王国騎士も半信半疑でやって来ていた。正確な情報が全く入って来ないので、初めは偽の情報を掴まされたかと思ったが、この集まりを見て何かあると踏んでいた。
『あ〜〜、マイクテス、マイクテス。』
突然拡声の魔導具の音が聞こえたかと思うと、可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。
『ふぉ〜ふぉっふぉっふぉ!人がゴミの様でありますなぁ!』
ポカッ、
『もっとマシな発言しなさい?』
『痛いでごぜーますよ!?ちょっとしたジョークでありますよぉ!?』
突然ゴミ発言されたかと思うと、リナリーに頭を叩かれる女の子の姿が遠くに見えた。
『皆良く集まったでありますなぁ!わっちは知っている者もいるでしょうが、シャル様にお仕えする妖精フィーネリアでごぜーます!フィーと呼ぶが良いでありますよぉ!』
デデンという効果音が出て来そうなポーズで発言するフィー。全員が目の前の妖精に困惑しつつ彼女はその疑問に答えるべく声高らかに宣言した。
『これより!祭りを開催するでごぜーます!!』
「「「「「祭り?」」」」」
全員の疑問をよそにフィーは言葉を続ける。
『さぁ、皆の衆!レッツ・パーリィナイト!!』
「「「「「どういう事!?」」」」」
◆◆◆◆
「いやはや、屋台の準備も順調でありますなぁ。」
フィーの目の前には屋台の準備をする商業ギルドの面々が見えていた。
「フィーさん!素晴らしい案をありがとうございます!!こういう形で出店を開けば確かに大いに盛り上がりますわ!」
「ふふん!これぞ祭りの醍醐味でごぜーます!」
◆◆◆◆
「うむうむ、コンテストの準備も順調でありますなぁ。」
フィーの目の前には様々なコンテストを行う準備をする。フランソワーズの面々がいた。
「フィーちゃん!これはうちの店の宣伝にもなるし、盛り上がるし!最高だわ!」
「ふっふっふっ!お前に褒められるのは癪でごぜーますが、悪くはないでありますよぉ!」
◆◆◆◆
「よよよい!闘技場の準備も順調でありますなぁ!」
フィーの目の前には闘技場を作り準備する王国騎士の面々がいた。
「フィーと言ったな?妾好みの案じゃ!素晴らしいぞ!!」
「へへん!オリオリも中々良い王女でごぜーますなぁ。こんなにすぐに闘技場を準備するとは!流石シャル様の親友!」
「うむ!」
◆◆◆◆
「ほほほほ!パレードの準備も順調でありますなぁ!!」
フィーの目の前にはパレードの準備をする冒険者の姿があった。
「よくこんな事思いつくわね。でもまぁ、賑やかになるから良いけど。」
「色んな国……じゃなくて催し物をやるからカオスでごぜーますよ!」
「あんたの言う言葉、たまによく分からないのが多くない?」
「気にしたら負けでごぜーますよ?」
◆◆◆◆
「首尾は上々でありますなぁ。」
「これだけ準備すれば、盛り上がること間違いないですわ。」
「こんな大規模な物、初めてよね。」
「うむ、妾もワクワクして来たぞ。」
着々と準備が進む大都市ブルーマリン。未だかつて無い規模の催し物に皆テンションが上がっていた。
「少しはシャル様の役に立てたでありますか?」
「そうね。満点だと思うわ。」
少ししみじみとした様子で話すフィーにリナリーは応える。
「気にしてたの?」
「わっちが出来る事は何でもするつもりでごぜーますよ?特に世界の命運がかかっているともなれば。」
「世界の命運?」
「一つの大陸を脅かすと言う事は、世界を脅かすとも取れるでありますよ?」
「そっか…そうよね。あんたも良く考えてるのね。」
「……わっち阿呆に見える?」
「割とね。」
「否定しろぉ!?」
こうして、リース大陸の祭りは問題なく開催された。その裏に一つの大陸の未来を背負っているとは知らず。皆祭りを心から楽しんだ。
(ちゃんと帰って来るでありますよ。シャル様。)
妖精は主人の帰りを待ちつつ、祭りを堪能した。
この章は一旦これで締めです。章の編集作業をして登場人物紹介した後、次の章に行こうと思います。