幕間〜デギードは見られた!〜
そういえば、この人の事忘れてました。編集中に気付きました。
「ふふふ……これだけあれば。」
デギードは笑っていた。
「絶対に手に入れてみせる。」
目の前にある金貨の山は、全てある物を手に入れる為に稼いだ物だ。
「あらゆる所から情報を集め、ようやく手に入りそうなんだ。」
彼は家族の誰にも伝えず。一人で暗躍してた。
「これで、これで私は……」
バンッ!
「デギード!ようやくお前の場所を突き止めたぞ!」
「な、なんだ!?」
颯爽と扉を開けて入って来たのは一人の男。
「ま、魔王様!?何故ここが!?」
そう、魔王ベルフェゴーレである。
「おじ様?今さっきテスカトーレさんに聞いただけですよね?」
そして、謎の黒いフード付きローブを来た女性だった。
「まぁ良いじゃないか……それで?デギード、お前その金はどうしたんだ?」
「こ、これは!」
焦るデギードに詰め寄る魔王、
「まさか、何か悪い事をして集めた金じゃないだろうな?」
「と、とんでもない!これは私がコツコツ妻からの小遣いで貯めた金です!」
デギードは必死に弁明した。
「なら、何故家族の誰にも告げずこっそり動いているんだ?」
「そ、それは……」
彼は困惑した表情した。何か後ろめたい事があるの……
「し、仕方ないではありませんか!全く手に入らないのですよ!?」
「“シャンプー”と“トリートメント”が!!」
「「はい?」」
二人は思わず顔を見合わせた。
「そろそろ妻の誕生日が近いから、今リース大陸で流行しているその二つの商品を贈ろうと思っていたら、入荷する度に即売り切れ。取り置きしてもらおうかと思ったら、次にいつ入るか未定!そしてようやく入荷するかもしれないと情報が入って来た所なのに!!」
「あ〜デギード。」
「なんですか!」
「なんかすまなかった。」
「私も代表して謝ります。」
ベルフェゴーレとクレハは頭を下げた。特にクレハは製作者でもある為余計に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「ウォット大陸にも多く流通するように手配しますね?」
「えっ、出来るの?」
「ええ、まぁ。」
「出来るのですか!?」
「ツテがあるので伝えておきます。とりあえずデギードさん。」
スッ、
「手持ちの“シャンプー”と“トリートメント”を販売するので、こちらを奥様にお送り下さい。念のため言っておきますが、新品ですよ?」
「おぉ!神よ!!」
「あ、いえ拝まないで下さい。ただの人です。」
こうして、デギードの問題は解消された。なお余談ではあるが、リース大陸の祭りに向かったデギードは、更に追加で商品を手に入れる事ができ、キシリアにとても感謝されたそうだ。
元々もう一つのオチで考えていたやつです。サラッと書いてます。