思い出
「私の名前は高橋由香です。1988年生まれで、誕生日は10月14日です」
彼女はゆっくりと自分について語り始めた。一方の神崎さんは手もとのパソコンをチラチラ見ながら聞いている。
私は気になってパソコンをチラッと見てみると彼女の素性から彼女の人生の辛かっことや楽しかったことが全て書いてある。
「えぇ~これなんですか?」
私は思わず声をあげてしまった。これは、個人情報保護法を守ってないをのではないか?と思ってしまう。そうすると神崎さんは僕のほうを一瞬睨んでから、高橋さんに向かって
「すいませんうちの部下をすこし注意してくるのでお待ちください」
こう言って私を引っ張って高橋さんから見えないところへ連れて行く。
なんだろう?と思い神崎さんを見ると、顔が怒っている。
「はぁ‥」
「あれはなんですか?人の個人情報勝手にみていいんですか?」
神崎さんは参ったという顔をしながら
「亡くなった人の個人情報は私達転生窓口員は見れるんだよ!」
怒りながら言ってくるがそんなの初耳である。
「あと、驚いても声をださないでよ。せっかく心開いてくれたのに最初からになったらどうするんだ‥」
とぶつぶつ言っている。
「では、戻りますよ」
「はい‥すいません」
これで説教は終わった。戻ってくると高橋さんは心配そうに私のほうを見ている
大丈夫ですの気持ちを込めて笑うと苦笑いでかえされた。
こうして、また転生相談について始まった。
「お待たせしました。では続きから」
「はい。」
返事はしたが、どうすればいいのか?という顔をしている。しばらくすると神崎さんが
「では、昔のことについて語ってください。」
「今からですか?」
「はい!」
こうして高橋さんは語り始めた。
「0〜6の時の記憶があまりないので小学校から話します。小学生の頃はわりとおとなしかったです。で、中学生は友達とたくさん遊びましたね。そして高校にはいりました。高校にはいい思い出がないですね〜」
とても簡潔に小学校〜中学校の思い出を話てくれた。
小・中学校の時ことを思い出しながら話すときは笑顔だったが高校の話題はあまり話してくれず、顔がとても暗かった。神崎さんはそこを見逃さなかった。そして、神埼さんはズバリと質問する。
「高校時代嫌なことでもありましたか?高校時代の時はあまり話してくれなかったですし、顔が暗かったので」
神崎さんは下手に周りくどい聞き方ではなく率直に聞いている。
「そ、そんなことないですよ」
この反応のうを見る限り多分なにかあったのだろうと予想はつくが、ここから神崎さんは掘り下げるのか掘り下げないのか気になるところではある。
「転生窓口員は高橋さんの今までの人生すべてが見れるんですよ。辛かっことから楽しかったことまで」
神崎さんは掘り下げることにしたようだ。私には高橋さんを脅しているように見えるが、勘違いだと願いたい。
そうすると脅しが聞くと神崎さんは判断したのもっとふっかけようと話し始めた。
「転生すれば記憶がなくなりますから高校時代の辛い話私に話してスッキリしませんか?」
やはりふっかけてきた。それに、嫌なことを思い出して話すなんてスッキリしないだろうと思っていたが高橋さんはうなずきながら
「はい‥」
余程嫌なことなのだろう。返事に全くの覇気がこもっていないが、そこをツッコ厶ようなバカはどこにもいない。
こうして高橋さんは高校時代について話し始めた。
私は高校に入った頃は友達も多かったので、これから楽しい高校生活を送れると思っていました。でも、あの日から運命の歯車が狂い始めたんです。
「やっと学校終わった〜今日暇だし遊ぶ?」
「いいよ~」
その日もいつも通り友達の優花と遊ぶ約束をしていた私は、遊ぶために急いで帰ろうと優花と一緒に教室をでて校門の前を歩いている。
「今日の課題面倒くさいよね〜。そう言いながら優花はその宿題をカバンからだす」
私もカバンから出そうとするがどこにも見当たらない。今日の帰りを思いだし、教室に忘れてきたことに気づく。
「ごめん優花。忘れ物したから先に帰ってて、すぐに追いつくから」
一言言ってから急いで教室に向かって走る。
「りょーかい」
教室に入るとほとんど生徒はいなく、残っているのは私も含めて3人だけだった。いつも奈央さんをいじめてる香織といじめられてる奈央さんと今さっき教室に入った私がいた。
「すいません、すいません」
いつも通りというのもあれだが、香織が奈央さんになにかいちゃもんつけて奈央さんが香織にあやまっている。
人ごとなのでかわいそうだな~。と思いながら通り過ぎようとしたが、その日はなぜかわからないが正義感がはたらき香織を注意してしまったのだ。
「やり過ぎじゃない?香織」
「はぁ?由香の分際でなにいってるの?」
あ、いらないこと言ったと思って後悔してる間に突然水が入ったバケツが出てきて、バケツからあふれんばかりにと入れられてる水をかけられた。
「由香も今日から奈央の仲間だ〜」
私はなぜ香織を注意してしまったのだろう。
いらない正義感をはたらかせずにまずは先生に言うべきだった
自分の行動に後悔した。
そこから香織に散々
「かわいいからって調子にのるな」
「正義のヒーロー気取りですか」
などとバカにされた後、香織が消えている隙を見つけて急いで教室を飛び出し、優花のもとに追いついた。
「ごめん遅くなった」
「何かあった?」
優花はどんな時も優しいのである。
「何にもないよ」
私がそう答えると優花は心配そうな顔をしつつも
「それなら良かった。何かあったら言ってね親友なんだから」
私はこの時に改めて優花の友達でよかったと思った。
だが、そこから地獄の日々が始まったのである。
翌日普通に登校するとまた香織に水をかけられた。
「あ、ごめん〜手が滑った」
昨日の今日でこれだからわざとじゃないだろう。と言いたいのを我慢し耐えていると優花が走ってきた。
「香織!由香になにしてんの?」
「手が滑ったんだよ。しょうがないじゃん」
優花は今にも飛びかかりそうな目で香織を見ている。それに気づいて、周りが私をちらちら見ている。これ以上の騒ぎにしてはならないにしてはならないと思い私がゆっくりと優花に耳打ちをする。
「みんなが見てるから怒らないで」
そう言うと優花は小さくうなずいて怒りをおさめている。肝心の香織の方を見ると、先ほどの優花のにらみがきいたのか少し私たちと距離を置いている。
「まぁ今日はいいや」
この一言をはなって香織は教室に戻っていった。そこから優花は私になにも聞かず翌日からも普通に接してくれた。
こんなことがだいた2年続いた3年生の夏。私はよく優花に助けられていたので私がお金を出し一緒に遠くの海に1泊2日で遊びに行く約束をした。
そして当日。
「今日楽しみだね!優花」
「そうだね~」
いつも通りのたわいのない会話をしていると運悪く海で香織に出会ってしまった。なんて酷い偶然なんだと思って優花の方を見ると優花も同じような事を思っている顔をしている。
「あ、優花由香ペアじゃん。今日はおでかけかな?」
私たちは無視する。そうすると突然香織が手に持っていてた海に持ってくるはずもない牛乳を優花に突然かけた。いつもは態度に表さない優花だが
「せっかくのお気に入りの服が‥」
まだ水着に着替えず私服でうろうろしていたので服はびしょ濡れである。
そういえばこの服は初めて自分のバイトでためたお金で買った服だと言っていた。
かけられたのが牛乳なら洗った大丈夫だからと言いたいがそんなことを言える立場ではない。
私はほんとに申し訳ない気持ちで一杯だった。そして、こちらを向いた優花は
「全部全部おまえのせいなんだよ!」
「ごめん‥」
この一言しか言えなかった。そのまま優花は走りさってしまった。このやり取りを笑いながら見ていた香織は
「ざまぁ、お前は今日から一人だよ」
そう言いながら香織もさってしまった。残された私は泣いた。ただひたすら泣いた。二人で泊まるよていだった旅館から優花の荷物はなくなっていた。
旅館から家に帰った後も旅館にいる間も言えば夏休み中毎日のようにメールを送ったが何の返事も来なかった。
こうして夏休みは終わった。
始業式の日には学校にでたが、優花に話しかけても相手にもしてくれない。
今まで友達でだったのがウソだったよううな態度をとる。
こうして、私は優花に話しかけなくなった。優花も話しかけてこなかった。
そのまま私は毎日イジメられながら卒業した。
これが私の人生で最も辛かった高校生活である。
最近風邪を引きました。
次回の更新は12月4日13時を予定してます。
ぜひ読んでください。